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日帰りお伊勢参り2:外宮(げくう)

 「お伊勢参りじゃ。お蔭参りは天下御免じゃ」とか言いながらやってきたお伊勢さんです。お蔭参り・天下御免はおともだちに通じませんでした>_< まあ、わたしもサスケだかカムイ伝だかで覚えたんですけどね、えへ。

 お蔭参り(おかげまいり)というのは、庶民が集団ヒステリー状態になってわーっとお伊勢産を目指す現象のことなんだそうです。昔は庶民が自由に旅行なんかできなかったし、奉公人として誰かに雇われていると休みすら貰えなかったりしたわけですが、突然失踪して「お伊勢さんを参拝してまいりました」って現地で買ったお守りなんかを見せたら許してもらえたらしいです。

 そんなこんなで、世の中への不満とか不安とかが高まると、誰かがお蔭参りじゃーっと叫び出してみんなでわーっと行っちゃうらしいです。これを起こすために陰で糸を引いてる人もいて、あたかも天からふってきたかのようにお札(おふだ)をばらまいたりしてたみたいです。

 ところで、伊勢神宮とひとくちに言っても、実はものすごーーーーく広くて、大きくわけると伊勢市駅前にある外宮(げくう)と、駅から路線バスで30分くらい走ったところにある内宮(ないくう)に分けられます。

 外宮には豊受大神(とようけのおおかみ)といって、天照大神に食事をさしあげる神様が祀られているそうです。ちなみにこの方は女神様だと言われてます。

 内宮には日本の神様のトップであり、太陽神にして、伝説によれば天皇家の祖先ってことになっている、天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られています。

 「そういうことなら、偉い人にまず挨拶したほうがいいんじゃないの?」と思いがちですが、しきたりとしては豊受大神がいらっしゃる外宮からお参りしないといけないらしいです。

 というわけで外宮へゴー。

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▲手水舎

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▲外宮の正宮(しょうぐう)、遷宮前。
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▲同じく新社殿、遷宮後。写真が適当ですみません。

 伊勢神宮では、20年に1度、社殿を一斉に建て替えます。古くなったから変えるのではなくて、変えるのが決まりだからやるそうです。とはいえ、20年もたつとだいたい限界なんだと思います。遷宮前の社殿など、茅葺きの屋根がすっかり禿げていますが、これはもともと1.4mもの厚さがあったそうです。

 古い社殿はいずれ解体して更地にもどされます。並んで立っているのを見られるのは今だけ。これを逃すと20年後まで見られません。

 解体された社殿は表面を削って再利用するそうです。茅葺きの屋根は禿げちゃってますが、柱や壁はすべてヒノキなので削り直すと再生するそうですよ。太い柱は神宮内で鳥居として次の遷宮まで20年間使い、その先もさらに使い道が決まっているそうです。その他の部分も、各地方の神社を修理するために使われ、災害地から求めがあれば社殿をまるごと建てて提供することもあるということです。

 立て替えの方法は古い技術を守り続けているので、今となってはなぜそうするのかわからないことも沢山あるのだとか。それでも変えずに同じことを続けてきたおかげで、いにしえの技術が途絶えることなく伝承されているというのも興味深い話です。

 くわしくは、外宮の敷地内にある「せんぐう館」という博物館で解説を聞くことをお勧めします。この施設は、単なる博物館というだけでなく、技術を20年後に伝えるために作った資料を展示するのが目的だそうです。

 外宮正殿の一部を、本物とまったく同じ材料・同じ技術・同じ大きさで再現したレプリカがあり、日に何度か伊勢神宮の職員さんによる解説もあります。すばらしくわかりやすい説明で、感動的ですらありました。

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▲外宮正殿前にある謎の石。注連縄でかこわれているので何かいわれがあるのかもしれませんが、まわりに説明は一切ありません。

 わたしはお伊勢さん三回目くらいなんですが、最後にお参りしたのが数年前です。その時もこの石が気になっていましたが、当時は注目してる人はそんなにいませんでした。

 それほど大きくない岩を三つ巴に並べて埋めてあります。竃(かまど)の象徴のようにも見えて、なんとなく不思議な物体です。

 最近ではパワースポットだとか言われているようで、みな足をとめてこの石に手をかざしていました。おさい銭を投げていく人も大勢います。

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▲特にこっちの向きから、強いなんらかを感じました。

 わたしも真似して手をかざしてみると、なぜかこの石のまわりにモワッとしたものを感じます。朝10時ごろでまだ寒かったのですが、この石のまわりだけは妙に暖かいというかなんというか……人が集まってるせいかもしれませんけどね。

 一体この石、なんのいわれがあるんでしょう。案外なんでもなく危ないので囲ってあるだけなのかもしれませんけど(苦笑)



 外宮には、このほかに土宮(つちのみや)・風宮(かぜのみや)・多賀宮(たかのみや)などがあり、それぞれに神様が祀られています。それぞれ近くにあるので参拝しました。

 ほかに、外宮から徒歩で10分くらいのところに月夜見宮(つきよみのみや)があるはずなのですが、ここには今回行かなかったし、実はまだ行ったことがありません。


[追記]不思議な石は三ツ石というらしいです

◎伊勢志摩の旅よいとこせ>伊勢神宮百科事>三ツ石
http://www.yoitokose.jp/ise/encyclopedia/m0004.php
 伊勢市のケーブルテレビ局がやっているサイトのようです。ここによると、この不思議な石は三ツ石といって、かつてはこの石のそばに宮川の支流が流れていたそうです。明応七年(1498年)の地震で川の流れが変わった後も、川原だったことの名残としてここに残されているということです。

 石自体が何に使われていたかここには書かれていないのですが、わざわざ残されているということは何かの儀式に使われていたのかもしれないですね。

タグ:神社仏閣

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