今年はスペアミント、ペパーミント、シソ、エゴマ(全部シソ科)を玄関先とベランダの二ヶ所で育てました。ベランダのはよく育ちましたが玄関先のはほとんど虫に食べられてしまった…というのは前にも書きました。
◎シソ科植物の敵:ベニフキノメイガの幼虫
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1793
シソ科の植物は本当に丈夫なので、丸裸にされても枯れないものです。秋になり、玄関先のスペアミントにまたもや緑色の芋虫がついていました。今度はベニフキノメイガとは全然べつの虫です。
▲2014年9月23日撮影 スペアミントの鉢
▲少し寄った写真
▲上から
▲頭部のアップ
たぶんヤガ科キンウワバ亜科の、ミツモンキンウワバの幼虫だと思うのです。足の数を数えればよかったんですが、一晩放置したらいなくなってしまいました。蛹化(ようか、サナギになること)は葉をつづった繭の中でするのですが、ミントの鉢にはいないようです。
ミツモンキンウワバは手元の図鑑では食草に「ニンジン(セリ科)・ダイズ(マメ科)・ワタ(アオイ科)・ミゾソバ(タデ科)」とあって、シソ科の記述がありません。
ネット上で有名な「みんなで作る日本産蛾類図鑑」にも、上記に加えてキク科のゴボウがあるだけ。
わたしの飼育経験だと、ナス科のチョウセンアサガオを食べてるのも確認しているので、おそらくいろんなものを食べるんだと思います。
◎珍獣様の博物誌・虫ばっかり:ミツモンキンウワバ
http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/musi/zz000082.htm
チョウセンアサガオの鉢についてたのを育てました。
芋虫の足の数について、あるいは尺取り虫とヤガ科の違い
んー、わたしはそこいらのお姉さんみたいな言葉づかいで虫やカエルのことを書くので世の中的にはものすごく馬鹿にされてるような気がするんですが、実はけっこう専門的なんですよってところをたまに垂れ流しておこうかなって思います。
世の中的に芋虫と呼ばれそうないきものは、蛾(が)か蝶(ちょう)の幼虫と、蜂(ハバチ)の幼虫だと思います。ここでは蛾と蝶の幼虫について書きます。
蛾と蝶は言葉の上では呼び分けられていますが、昆虫としては境目が薄いので、両方ともひとまとめにして「蛾類」と呼ばれてることがあります。ここでも蛾類と書きます。
蛾類の芋虫は、上の図「ふつうのいもむし」のような構造をしています。胸に3対(6本)の胸脚(きょうきゃく)があり、腹には吸盤状の腹脚(ふくきゃく)が4対(8本)あり、尻に尾脚というものがあります。
腹脚と尾脚は成虫になるとなくなってしまいますが、胸脚は成虫になっても残る足です。
基本はこの通りなのですが、例外もありまして、そこが見分けのポイントでもあります。
たとえば有名なところでは、尺取り虫っていうのがいますね。シャクガ科の幼虫の総称です。尺取り虫は、図の右下のように腹脚が 1対しかありません。
尾脚と 1対の腹脚だけで枝をつかみ、体をピンと伸ばせばシャクガ忍法小枝化けの術で、体をくの字に曲げ、胸脚と腹脚・尾脚を使って歩けば、手で尺をとるような動きになるわけです。
ところで、この尺取り虫に間違われる虫がいます。それがヤガ科の蛾の幼虫です。中でもシタバガ亜科はよく尺取り虫だって言われます。
図の左下を見てください。ヤガ科シタバガ亜科の芋虫は胸脚と腹脚の間が広いので、シャクガ科の芋虫と同じように手で尺をとるような動きをします。しかし、よく見ると腹脚がちゃんと 4対ありるので、尺取り虫とは完全に見分けられます。
ヤガ科キンウワバ亜科の芋虫も、尺取り虫のような動きをしますが、体が太いので間違われることは少ないです。キンウワバ亜科の芋虫は、腹脚の前の 2対が退化していて、完全にないか、小さい足がついています。シャクガ科の芋虫には腹脚が 1対しかありませんから、足の数でも見分けることができます。
というわけで、専門的なところを垂れ流してみました。といっても、別に大学で勉強したとかじゃないし、好きなのは主に芋虫なので、それ以外の虫はよくわからないド素人ですけどね、けけけけけ。