「にぼうと」を作りました。群馬や埼玉の郷土料理です。
「にぼと」と表記されることが多いですが、わたしの祖母は「にぼうと」と呼んでました。麺を下ゆでせずに汁に放り込むので「おきりこみ」と読んでる家もあります。
しばらく前に榛名湖に遊びに行って、とある店で「おきりこみうどん」を食べました。でも、なんか違うんですよね。その店のおきりこみは、おそらく自分で打ってはいなくて、市販の幅広いゆであげうどんを入れてると思います。「おきりこみ"うどん"」なので間違ってはいないでしょうが、わたしが知ってる「にぼうと」あるいは「おきりこみ」は、うどんとは違います。
うどんと同じように材料は小麦粉です。平たくのばして、幅1.5~2cmくらいに切って、打ち粉がついたまま汁に放り込みます。そのため汁にとろみがつきます。
しかも、祖母は薄力粉を使っていたと思います。家によって強力粉を使うことがあるようですが、個人的にはにぼうとに強力粉は野暮だと思います。腰がでてうどんに近くなってしまう。
ためしに強力粉と薄力粉で二種類の生地を作って食べ比べてみましたが、やはり強力粉はうどんに近く、薄力粉のにぼうとは、うどんとすいとんの中間みたいな食感です。
祖母はよく自分でにぼうとを打ってましたが、市販のものもたまにありました。うどんのようにゆであげにはせず、粉がついたまま玉にして、木の箱に並べて売られてるのを子供の頃に何度か見ました。
汁にはあまり具をいれず、葱を薄く切ったのや、椎茸や人参の細切りが少しだけ入ってました。写真はわたしが作ったにぼうとですが、これは具も麺も入りすぎです。もっと汁っぽかったですね。そういえば、にぼうとは汁代わりで、他にちゃんとご飯が出てきたような気もします。
汁の味付けは、うちでは醤油でした。鰹の出汁に醤油とみりんを少しとか、そんな感じです。残念ながら作り方は習ったことがありません。味噌を使う家もあるそうです。
麺の打ち方は(自己流ですが)、薄力粉カップ1 に対して、塩をひとつまみ、水を1/4~1/3の間くらい使います。水はカップ1/4だと少なくて1/3だと多すぎます。何度かやるといい感じの量がつかめると思います。
粉に水を加え、最初は箸でかきまわし、ぽろぽろっと塊になってきたら、今度は手にかえてまとめます。こねてもやや固く感じると思いますが、この段階でやわらかくなるほど水を入れるとあとが大変なので、まるくまとめたら、ラップをしてしばらく寝かせます。
30分以上寝かせてからもう一回こねると、だいたいいい感じの堅さになります。同じやりかたで餃子の皮も作れます。この状態できっちりラップにつつんでおけば、冷蔵庫で二日くらい保つと思います(もっと大丈夫のような気もします)。1カップも作ると二食分以上あると思います。
あとは、打ち粉をして、綿棒でひらたくのばして、1.5cm~2cm くらいの幅に切ればできあがり。何度も書きますが、下ゆではしないこと。汁が煮えてるところに放り込まなければなりません。ここ重要!