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三波石とともに名高い冬桜

 11月の中ごろに見に行きました。さぼってるうちに旬をすぎてしまいましたが…

 群馬県の鬼石(おにし)というところに、紅葉の季節に桜が咲き乱れる場所があります。「三波石とともに名高い冬桜」と上毛カルタにも詠まれているので、群馬で育った人なら行ったことがなくても必ず知っています。

 わたしも子供の頃に、一度くらい見に行ったことがあります。昔のことなので記憶があいまいですが、山の林の中に背の低いサクラの木が沢山あって、ちら、ほら、と侘びた感じに咲いていたと思います。子供心には公園のような場所には見えませんでした。車で行ったはずですが、そこいらに路駐だったような??

 最近になって、冬桜をもう一度見たいと思って調べたら、今は桜山公園というのが大々的に整備されて、広い駐車場があり、夜はライトアップまでされてしまうというのです。

 そこで、見に行ってきました。東京方面から車だと関越で本庄児玉まで来て、あとは下の道を一時間ちょいでしょうか。

 電車ならJR高崎線で本庄か新町まで来て、あとは路線バスです。バス代がちょい高くて往復で1280円です。詳しくはこのへん>http://www.city.fujioka.gunma.jp/f_sanken/a001-5.html

 来てみてびっくり。子供の頃の記憶とぜんぜん違いますね。広い駐車場はあるし、お土産屋さんも軒をつらねているし、昔見たなんでもない山の中の桜はなんだったのと首をひねるばかり。

 なんでも11月下旬が見ごろだそうで、最盛期には鬼石の町から桜山公園までの上り坂が二時間待ちの渋滞になるそうです(いやーん)。


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 これは11月14日の写真です。奥の山が紅葉しているのに、手前には桜が咲いています。桜ですよ。梅じゃなくて。まだ三分咲きといったところでしょうか。


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 コバザクラ(フユザクラ)という種類で、ヤマザクラとマメザクラの雑種ではないかと言われているそうです。

 コバザクラは春と秋の二度、花が咲きます。春の開花は一斉に満開になるのですが、秋から冬にかけての開花は、ちら、ほら、と咲きはじめて、ゆっくりと満開になるそうです。春の満開も見てみたいですね。


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 桜山公園の標高と、まわりにどんな山があるかを示した石碑です。標高593メートル、49年3月建立とあります。桜山公園ってそんな前からあるんですか。だんだんわからなくなってきました。子供の頃に、なんでもない山の中に路駐して見た、あの侘びた桜はなんだったのでしょう。


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 ちなみに、上毛カルタで冬桜と並び称される三波石(さんばせき)はこれです。これは鬼石神社の石段下で写しました。白い波のような模様の入った美しい石で、庭石として珍重されます。鬼石は三波石の名産地で、町のあちこちに石屋さんがあります。

 なお、鬼石(おにし)という地名は、次のような昔話に由来しています。

 むかし御荷鉾山(みかぼこやま)に鬼がすんでおり、町におりてきては略奪をはたらきました。あるとき、旅の僧侶がこの地へやってきて、人々が苦しむのを見て鬼退治を決意します。

 僧侶が護摩をたきて祈祷すると、鬼はいたたまれなくなって、大きな石を投げ出して逃げていきました。鬼の石が落ちた場所を、鬼石と呼ぶようになりました。

 鬼を退治した僧侶は、弘法大師と呼ばれる偉いお坊さんでした。鬼の石は、今でも鬼石神社のご神体になっています。


より大きな地図で 鬼石の冬桜 を表示

東(右はし)の青いポイントが本庄児玉I.C.
真ん中あたりの鳥居のポイントが鬼石神社
桜の木のポイントが桜山公園
西(左はし)の赤いポイントが御荷鉾山

さらに西へ行くと日航機が落ちた御巣鷹の尾根があります。

タグ:群馬 伝説 植物

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