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東北旅行:御釜神社

 今回、塩釜に立ち寄ったのは、御釜神社の神宝を見るためなのです。

 御釜神社というのは、その名前のとおり、釜をおまつりした神社です。なんの釜かっていうと、塩を作るのに使う釜のことです。

 むかしむかし、シオツチノオジという神様がいました。山幸彦が兄の釣り針をなくして困っている時に、海神の国へ行く方法を教えてくれた神様です。

 あるとき、タケミカヅチ神とフツヌシ神が高天ケ原から日本を平定するために降りてきた時に、シオツチノオジは道案内をして東北へ導いたということです。

 二柱の神は役目を終えると帰っていきましたが、シオツチノオジはこの地に残り、土地の人々に塩の作り方など、さまざまな技術を伝えたと言われています。

 その、シオツチノオジ(塩土老翁)がまつられているのが鹽竈神社(しおがまじんじゃ)で、彼が使ったとされる釜がまつられているのが御釜神社です。

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▲ここが御釜神社です。由緒ある神社ですが、とても小さいんです。商店街の中にあって、言われなかったら通り過ぎてしまいそうです。

◎2011年8月の訪問記:御釜神社
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1187

 先に書いた通り、この神社には、シオツチノオジが塩を作るのに使ったとされる四つの釜がまつられています。本来はおかまが七つあり、そのうちの三つは盗賊に持ち去られたとも言われています。

 盗まれた釜は、ひとつは海に落ち、もうひとつは田んぼに埋まり、もうひとつは池に沈んでいると言い、その場所には今でも釜に関係した地名がついているそうです*1

 残った四つの釜は御釜神社に今でもまつられています。そして、100円払うと誰でも見せてもらえるのです。

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▲この中に神宝の釜がある!

 社務所の呼び鈴を鳴らすと、お婆ちゃんが出てきました。普段着の、どこにでもいそうな普通のお婆ちゃんです。神話時代のお釜のご開帳だというのに想像以上にカジュアルです。

 お婆ちゃんに「100円ですよ」と言われ、緊張で震える手で小銭入れから100円玉を取り出します。お婆ちゃんは小銭を受け取ると、閉ざされた門の前で小さく柏手を打って頭を下げました。カジュアルだけどちゃんとしてる。わたしも一緒に頭を下げました。

 するとお婆ちゃんは、慣れた手つきで門をあけ、木の扉をあけました。すると、もうそこには四つのお釜があるのでした。神話時代のお釜なのに、あっけないほどそこにあるのです。

 お釜はかなり大きなものです。丸くて 直径が 1m ちょっとありそう。たぶん鉄製で、やけに分厚いものです。それが地面に四つ置いてありました。地面に直ではなく、石の台座のようなものには乗っているのですが、台座も低いので、ほとんど地面に置いてあるような感じです。

 そして、釜のある場所には屋根がありませんでした。奥の壁には庇(ひさし)がありますが、手前はまったくの雨ざらし。神話時代からあるお釜なのに、こんな状態で大丈夫なんでしょうか。実際お釜には水が入っています。鉄サビが浮いている、赤茶色の水です。

 呆然とお釜に見入っているわたしの横で、お婆ちゃんは観光ガイドのように慣れた口調で説明をはじめました。

 この釜の水は一年に一度、海から水をくんできて入れ替えるそうです。塩水である証拠に、御釜の表面にうっすらと塩がふいています。お婆ちゃんが言うには「夏には真っ白になるけれど、この時期(4月)にこうなるのは珍しい」ということでした。

 夏に塩をふくということは水が蒸発しているということなんですが、不思議なことにどんなに日照りがつづいても釜の水が干上がるということはないそうです。

 それに、先に書いたとおり釜の上には屋根がありません。それなのに大雨がふっても釜の水があふれることがないというのです。

「国に災いがあると、水の色が変わるとも言われてます。それが一番有名な伝説ですね」

 お婆ちゃんはそう言って、わたしの顔をちょっと見たような気がします。たぶんそこで普通の人だったら「震災の前に色が変わりましたか?」と聞くんだと思いますが、わたしはすっかり御釜様に夢中でそんな質問口から出ませんでした。

 お婆ちゃんはさらにこんなことも言いました。

「奥の釜と、手前の左側の釜は700年くらい前のもので、右手前のが一番古くて一千年くらい前の…」

 それをわたしは、ただぼーっと聞き流してしまったので数字が正確ではないかもしれません。とにかく、四つのうち三つは数百年前のもので、右手前のやつだけ千年だか二千年だか前のものだと言ってました。

 あとで考えたら神話時代が七百年前のはずないし、すべての釜が同じ時期に作られたわけじゃないというのも妙な話です。少なくとも新しいやつはニセモノ、いや、レプリカだってことですよね。

 でもね、新しいったって何百年も人が大事にしてきたものなんです。それだけで神々しいんです。芭蕉や曽良だってこの御釜を見たんですから。

未ノ尅、塩竈ニ着、湯漬など喰。末ノ松山・興井・野田玉川・おも ハくの橋・浮嶋等ヲ見廻リ帰 。出初ニ塩竃ノかまを見ル。
「曽良旅日記」

 というわけで、御釜神社の御釜初体験記でした。かなり気に入ったので今度行くことがあったらまた見ようと思っています。その時は「700年は神代にしては新しいですね」くらいのことを、ツルッと口走ってみようかな。


 なお、御釜は撮影禁止のはずです(鹽竈神社に許可をとると撮影できるらしいですけど)。わたしは写しませんでしたが、以下の本の表紙に実物の写真が掲載されています。
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『鹽竈神社』
 古い本なので買えないと思います。興味のある方は図書館で探してみてください。

*1:1.釜ケ淵:新浜町の東北区水産研究所の先 2.野田の釜田:塩竃陸橋下 3.塩竃殿:富谷町志戸田の行神社

タグ:東北旅行2012年春その2 伝説

東北旅行:塩釜の町までやってきた

 船岡で観音様を見たあと、また電車に乗って本塩釜駅で降りました。今回は御釜神社の神宝を見ようと思ってます。その前に町の様子を少し書いておきます。

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▲JR本塩釜の駅です。

 駅前はだいぶ片づきましたがエスポートというベーカリーなどが入っているたてものは廃虚のまま残ってました。

 エスポートの向かい側の三角のビルに塩釜の物産を売るお土産屋さんが入ってて、帰りに見ようと思っていたら17時に閉まっちゃうみたいで入れませんでした。

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▲駅前の信号が復旧してる…と書こうと思って写したのに、信号の灯りがうまくうつりませんでした。

 駅前の信号は去年の8月にはまだ止まったままでした。震災後5カ月もたっているのになぜ復旧しないんだろうって驚きました。でも今はすっかり修理されて正常通り動いてます。

 写真右上の四角い箱のようなものは、以前は震災で壊れたままの時計がついていました。取り外されたってことは、近々あたらしいものを取り付ける予定があるのかもしれません。

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▲プレハブで営業中の商店街です。

 以前来た時は、津波でシャッターが曲がったビルや、倒れそうになっている古い建物がそのまま残っていました。今はそれがずいぶん取り壊されて、空き地が増えています。

 空き地にプレハブ小屋をたてて営業している商店街がありました。食堂や床屋さんなどの看板が出ています。食事がしたかったのですが、日曜定休だとかでやっていませんでした。

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▲東塩釜駅の方向に歩いていくと、まだ被害のあった建物が残ってます。

関連記事:2011年4月29日の訪問記事

本塩釜駅の北側
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1079

本塩釜駅の南側
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1080

関連記事:2011年8月9日の訪問記事

http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1185

タグ:東北旅行2012年春その2

東北旅行:ついに船岡で大観音とあいまみえることに!

 船岡に大観音があることに気付いたのは去年の夏のことでした。東北本線の車窓から、山の上に観音様が立っているのが見えたのです。

 この路線には何度か乗っているのに、なぜ今まで気付かなかったのかなあ、と首をひねりつつ、次に来る時はあれを見ようと心に決めていたのです。

 というわけで、やってきました船岡へ。あれから半年経っちゃいましたけどね。

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▲駅前からも観音様が見える

 観音様は船岡城址公園ってところにあるそうです。船岡駅から徒歩で10分くらい。そんなに遠くないと思ったら、近いのは公園の入り口まで。観音様は山の上にあるのでそこからが大変なのです。

 しかし、世の中よくしたもので、この山にはスロープカーというものがあるので、上まで歩かなくてもいいのです。乗り場で「次の便は何時ですか」と聞いたら、今出たのが上についたらすぐ戻ってくるので、そうしたら出発ですよ。ということでした。往復切符を買って乗る事にしました。

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▲スロープカーの切符。往復で大人500円。片道でも買えます。この公園は桜の名所で、満開になると桜を掻き分けるようにしてスロープカーが走るのだそうです。残念ながらこの日はまだ開花前でした。

 スロープカーは二両編成です。上側の車両に操作パネルがあって、下はお客さんだけが乗ります。どっちに乗ってもいいよって言われたので、まずは下の車両に乗ってみました。中はロープウェイのゴンドラみたいなサイズの箱に電車みたいな椅子とつり革がついてます。

 ジリジリジリ…と発車のベルが鳴り、ゴトンゴトンと走り出しました。スロープカーはモノレールの一種なんですね。斜面に敷かれた一本のレールの上を車両が走ってます。想像より揺れるのでそれなりにスリルがあります。

 下りたら運転士(?)のおじさんが「帰りはこの青いボタンを押してね」と言ってました。スロープカーは下の駅で待機する決まりになってて、上から乗る時はボタンで呼ぶ仕組みだそうです。


 さて、観音様は、スロープカーを下りて少し歩いたところにありました。お寺ではなく、あくまで公園の一部です。足下に売店らしき建物があるものの営業はしていませんでした。

 だーれもいないかと思ったら意外と見に来る人がいます。わたしが到着する前にはカップルがいたし、わたしのあとからは親子連れも来てました。桜も咲いていないのにこれだけ人がいれば普通かなあと思います。

 こちらの観音様は正式名称が船岡平和観音といって、野口徳三郎さんという人が7500万円かけて作ったものだそうです。

本町出身 野口徳三郎翁(東京都世田谷区在住)は、永遠の世界平和と限りない郷土の反映、並びに先祖菩提供養の悲願を持って船岡平和観音像の建立を発願され、ここに心願成就を果たされました。我々町民は翁の功徳を末長く顕彰すると共に、この大偉業をたたえ、ここに翁の胸像を建立するものである。
昭和五十一年十月十日 野口徳三郎翁顕彰会

 野口さんの銅像に刻まれていた文章です。昭和51年というのは野口さんの胸像が出来た年で、観音様の開眼は50年12月とのこと。時期的には高度成長期の終わりといったところでしょうか。

 ぱっと見それほど大きくなさそうに見えましたが高さは24メートルあります。胎内には階段があり、胸のあたりから外を覗けるようになっているそうですが、今は入り口が閉鎖されています。

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 船岡の駅を下りた時は、空がどんより曇っていたのに、ここにたどり着く頃にはすっかり晴れていました。御利益でしょうか。

 こちらの観音様はお顔立ちが凛々しくて、男らしいというか、ウルトラマンみたいです。そのくせ胸のあたりでは大事に鳩を抱いており、強さとやさしさを表現しているようです。

 なお、大観音にはつきもののアンテナ(じゃなくて避雷針)は、冠の後ろに短いのがついていました。

データ 

高さ 24m
建立 1975年
住所 宮城県柴田郡柴田町大字船岡字舘山・船岡城址公園内

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▲観音様の前から見下ろした街並み。とても見晴らしがいいです。

 そろそろ帰ろうと、スロープカーの駅に向かう途中、あたりの林の中からコロコロというか、トロトロというか、ドラムロールのような音がしているのに気付きました。一瞬なんだろうと首をひねりましたが、すぐにキツツキのドラミングだと思いいたりました。

 コゲラのとは音が違うので、アカゲラかクマゲラか、そういうのだと思います。叩いているところを見られないかと近づいたとたんに音がしなくなりました。鳥はまわりをよく見てるんですね。


▲観音様やスロープカーの写真を動画にしました。最初は無音ですが途中から音がしますので音量に注意してください。


 なお、駅前で空間放射線量を量ってみたところ、0.17μSv/h程度でした。葛飾区内の公園と同じくらいです。福島第一原発からの距離は75kmくらい。

◎柴田町公式の放射線量データはこちら
http://www.town.shibata.miyagi.jp/index.cfm/6,14150,104,html

タグ:東北旅行2012年春その2 バブル大仏大観音

東北旅行:鉄道関連をざっくりと

 4月8〜10日、青春18きっぷを3枚使って宮城県の海沿いと、福島県の会津地方を鈍行列車で旅行しました。いつもどおり乗った電車についてざっくりとまとめます。

1日目:4月8日(日曜日)

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 出発はJR金町駅です。上野駅から東北本線に乗って宮城県方面へ行きます。JRだけ使おうとすると、北千住で乗り継ぎが2分しかないのでここだけ千代田線を使いました。 +160円

 早朝の下り線なので電車はおおむね空いてます。郡山から福島までがちょっと混んでましたが、始発から乗ったので座る場所はありました。

 定刻通りお昼前には船岡駅(宮城県)に到着です。ここでは船岡城址公園でスロープカーに乗って大観音を見ました。

 お昼を食べたいと思ったんですが、駅前になーんにもないのであきらめました。公園の売店で買ったおにぎりをつまみつつ、先へ進みます。

◎船岡旅行記はこのへん
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1340

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 東北本線で仙台へ、仙台からは仙石線で本塩釜へ。ここでは御釜神社で神宝の釜を見せてもらって、鹽竈神社にもお参りして、町を散策しながら東塩釜駅まで歩きました。

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 東塩釜からは仙石線で石巻へ。仙石線はまだ復旧してない区間があって、松島海岸から矢本までは代行バスです。

 石巻に到着した頃はすっかり日が暮れてしまいました。ここで一泊です。石巻は震災の影響が残っていますが、もう営業しているホテルが何軒かあるようです。ただ、楽天トラベルのようなネット予約にはまだ対応していないところが多いです。楽天を通せればポイントで宿代を払えるんですが、ダメだったのでこの日はネットカフェを使いました。

 ネットカフェも震災のあとに全部閉店してしまったんですけど、駅の北側を少し歩いたところに自遊空間ができてました(以前は快活クラブだったとこみたい)。

◎ここまで運賃のまとめ

金町〜船岡 5460円 +160円(千代田線)
船岡〜本塩釜 740円
本塩釜〜石巻 570円

計 6770円 +160円(千代田線)
100km超ルールで乗り降り自由だとみなせば 6620円

青春18きっぷなので 実際には 11500÷5=2300円しかかかってません。


2日目:4月9日(月曜日)

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 2日目は、石巻の町を見て、松島海岸で水族館と瑞巌寺を見て、仙台で買い物してから郡山まで行く予定でした。

 ところが、午後から風が強くなって東北本線と常磐線が止まってしまい、仙台で足止めを食いました。福島までなら行けそうだったんですが、慣れた仙台でネットカフェに入ることにしました。

石巻〜渡波 200円
石巻〜松島海岸 480円
松島海岸〜仙台 400円

計 1080円
2日目は損してしまいました。

3日目:4月10日(火曜日)

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 三日目は、始発で会津若松へ行き、市内をバスに乗って散策。駅前でお昼を食べました。

 磐梯熱海へ移動、大慌てで温泉に入って、帰りは水郡線で水戸へ抜けて常磐線に乗りました。夜は上野をまわると電車が混みそうなので、どうあっても常磐線です。

 電車はもっと遅くまでありますが、昨日大風で足止めを食ったことを考えて早めの電車にのったんですが、おもいっきり定刻通りに21時半には金町駅に着いてしまいました。

仙台〜会津若松 3260円
会津若松〜磐梯熱海 820円
磐梯熱海〜郡山〜水戸〜金町 4940円
計 9020円
2日めの損を取り返してあまりあるくらい乗りました。

# 画像はYahoo!路線案内の検索結果をキャプチャして引用しています。

タグ:東北旅行2012年春その2 青春18きっぷ

自作?おりがみ:ミラージュキューブ

 うちは手づくり系不思議サイトなので(さっきと言ってることが違うじゃないか)、たまにはおりがみネタもやっとかないといけません。

ミラージュキューブとは

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 この写真の右側の箱がミラージュキューブです。左側のようなパーツを6枚使って組み立てるユニットおりがみです。

 折り方や組み方は自分で考えたので、いちおう珍獣おりじなる作品ということになりますが、ある作品を睨み折りしているうちに思いついたものなので、正確には既存作品のアレンジになります。

 最初はカレイドキューブという名前にするつもりでしたが、まったく別の紙細工とかぶってしまいます。ウィンドミルキューブだと立体パズルの名前とあたるらしいです。仕方ないのでミラージュキューブということにしました。

ミラージュキューブ誕生のいきさつ

 先日、mixiのあるおりがみサイトで、下のような写真のおりがみ作品の作り方をたずねる書き込みがありました。
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 この写真はわたしが折ったものです。質問者は「コースター」という名前だったと書いていました。

 おりがみを二枚使うことはすぐわかります。外側の(黄色と白の部分)パーツが中原恭子さんの「ひまわり」であることは間違いなくて、これはもとから折り方を知っています。

 問題は中にはめ込まれているパーツ(ピンクと白の部分)です。この部分の折り方を考えているうちに誕生したのがミラージュキューブです。

折り図

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▲クリックすると大きくなります

 言葉で説明すると、最初に座布団の基本形を折って、中心のひだを折り返し、裏返してから風車の基本形にする感じです。

組み立て方(名づけてカタツムリジョイント)

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 折り図のとおりに折ると、四方の辺の部分に袋ができるはずです。そこに腕になってる部分を差し込むのですが、互いの腕を互いの袋に差し込むので、カタツムリジョイントと名づけました。

 カタツムリは雌雄同体です。それぞれに、女性器と男性器があります。交尾する時は、互いの女性器に互いの男性器を差し込んで、ぬらぬらのがっぷり四つとなる寸法です。珍獣の館は子供の夢をはぐくみません。いっそカタツムリオブジョイトイと空目していただいてもかまいません。

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▲写真にするとこんな感じ。あとは紙でサイコロを作る時と同じように組み立てれば完成です。

 組み立て途中は壊れやすいので、慣れるまではセロテープか糊で固定してもいいでしょう。慣れたら貼らなくても組み立てられます。きちんとキューブになってしまえば意外と丈夫です。

 糊で貼ったら薗部式みたいに金平糖型にも組めるかもしれません。貼らないとキューブが限界だと思います。

お願い

 あまりひねりのない作品なので、すでに別の方が思いついて本などで発表している可能性もあります。もし同じパーツで、同じ組み方をする作品が載っている本を見つけたらご一報ください。


 と、なんだか仰々しいことになってしまいましたが、簡単な折り方で、面白い模様が出るユニット作品ですから、よかったらみなさん折ってみてくださいね。

タグ:おりがみ