記事一覧

豆腐百珍:すり流し豆腐

十四 すり流し豆腐 よくすりて葛粉(くつのこ)を混(まぜ)てよくすり味曾汁へすりながす也

 豆腐をすりつぶして葛粉を混ぜたものをみそ汁に「すり流すべし」とあります。

 しかし、豆腐と葛粉を混ぜただけでは、ボタッと落ちる感じになって、すり流せるほど薄くなりません。

 そこで、少し水を足してみました。液体になってしまうと違う気がするので、すり鉢を傾けてもこぼれない程度のペーストにしました。

 そうして、おたまですくい、沸騰するみそ汁へ。するとどうでしょう、ペーストは固まらず、散ってしまいました!
ファイル 1126-1.jpg
 想像では豆腐のペーストがふわふわと汁に浮くかと思っていたのに、実際にはこのとおり、完全にとけてしまいました。

 果たしてこれが正解でしょうか。それとも葛粉が足りなかったのか。あるいは水でのばしたりせず、ぼとんぼとんと落とすべきだったか……レシピにはすり流すとどうなるか書かれていないので、何が正しいのかわかりません。

 味は、意外にも美味しいんです。まあ、豆腐と葛粉ですから不味くなる要素はまったくありませんからね。

 汁にごくごくうすーくとろみがついた状態で、細かく砕け散った豆腐がふわっと舞います。油っけを一切使っていないにもかかわらず、鯨汁を連想するような濃厚さがあります。

 これは、風邪引いてる時なんかに飲んだら栄養もあるし、温まっていいんじゃないでしょうか。

 さて、今回の豆腐料理は、失敗か、成功か、それが問題です。美味しかったので成功ってことでいいですか?

タグ:豆腐百珍

豆腐百珍:草の八杯とうふ

ファイル 1125-1.jpg

七 草(さう)の八杯とうふ 太温飩(ふとうとん)にきり醤油に酒しほの烹調(かげん)にてかくし葛つかひおろし蘿蔔(たいこん)おく ○真の八杯とうふは妙品[八十一]に出(いで)たり

 草のというのは本格に対する簡略版でしょうか。豆腐百珍で「草の」がついたら「真の」もあります。真の八杯豆腐は次のようなものです。

八十一 眞の八杯とうふ きぬごしのすくひ豆腐を用ひ水六杯酒壱杯よく烹沸(にかへし)後(あと)に醤油壱杯入またよくにかへしとうふを入る烹調(にかけん)[九十七]湯やつこの如し擦大根をく

 これを読むと、八杯豆腐という名前の理由がわかります。水六杯と酒一杯を煮きって、アルコールを飛ばしてから、醤油一杯を加えるので、合計八杯です。草の八杯豆腐も、名前が八杯なので、味付けはこのとおりにしたいと思います。

 ところで、これだけ見ると、真の八杯豆腐には調味料の割合が書いてあるくらいで、草と大差ないように見えます。作り方が同じだったら、真も草もないわけですからちょっとおかしいですね。そこで「湯やっこ」の煮加減にせよと書いてあるのでそっちも見てみます。

九十七 湯やつこ 八九分の大骰に切か又は拍子木豆腐とて五七分の方長(かくなが)さ壱寸二三分の大きさに切をき ○葛湯を至極ゆだまのたつほど沸たゝし豆腐を壱入れ蓋をせず見てゐて少しうごきいでゝまさにうきあがらんとするところをすくひあげもる也 既にうきあがればはや烹調(かげん)よろしからず其あんばい端的にあり尤器をあたゝためおくべし…以下略

 湯やっこは葛湯の中で豆腐を煮るのですが「浮き上がりそうになったらすくい上げる」という絶妙のタイミングを要求するようです。

 真の八杯豆腐は、水八杯、酒一杯、醤油一杯の割合で作った汁に、上記のように絶妙の煮加減でひきあげた豆腐を入れろと言っているようです。

 真に対して草は簡略版と解釈するならば、もっと手順を簡単にしないといけません。そこで

1. 水6 + 酒1 を沸騰させてアルコールを飛ばす
2. 醤油1 を加える
3. 葛粉(または片栗粉)でとろみをつける
4. 太いうどん状に切った豆腐を入れ、一煮立ちさせる
5. 大根おろしをトッピングする

こんな風にしてみました。別の解釈も成り立つとは思いますが、なるべく日常に取りこめるよう簡単にしたいと思います。

 さて、この割合で味付けすると想像よりもしょっぱくなります。写真では汁をなみなみと入れてしまいましたが、もっと少なくして、大根おろしと豆腐をからめて、つるんと食べる感じにしたほうがいいと思います。

タグ:豆腐百珍

カイコの顔模様が白いんですけど

 今年もカイコをやっています。

 去年、京都の機元からわけてもらった都浅黄を、本当は劣化するので種(卵)を残さないようにと言われているのですが、どうせ孵化しやしないと思い、卵を冷蔵庫で保存して、この春に出してみたら、ちゃんと孵化してしまいました。やってる本人困惑ぎみです。

 保存方法はきわめて杜撰な状態です。紙に卵を産み付けさせて、一カ月かそこら、室温で放置して眺めていました。ほっとくと孵化してしまうので、春になる前に冷蔵庫の野菜室に入れました。その際、極度の乾燥をふせぐために、紙ごと軽くラップに包みました。ビニール袋が手元になかったもので。うちの冷蔵庫は、冷凍庫、冷蔵庫、野菜室、がそれぞれ別の部屋になってるやつです。野菜室は一番下の温度が高くも低くもないところ。

 その状態で何カ月は放置。ほとんど忘れかけたような状態で、絶対孵化しっこないと思っていちおう4月に出してみたんですが、冷蔵庫から出して一週間かそこらたったら孵化が始まってしまいました(滝の汗)。

 みんな同じ日に生まれたカイコなのに、なぜか孵化に 1〜3日くらいの時差ができてしまい、脱皮も一斉にしないし、とても飼いにくい状態です。


 それはともかく、50頭孵化させて、そのうちのかなりの割合が、模様のない白いカイコになりました。
ファイル 1124-1.jpg
▲こんな感じで、おでこ(ホントは背中)のあたりに模様がありません。

ファイル 1124-2.jpg
▲普通のカイコはこんなです。背中に顔みたいな模様があります。去年、京都の織元から来たカイコはみんなこの模様がありました。

ファイル 1124-3.jpg
▲真ん中のカイコが普通のカイコ、下の二頭には模様がありません。顔模様がないばかりか、馬蹄形の模様も薄いんです。全部同じ親から生まれたんですけど。

 こういうのが二代目以降の劣化なのかな、と思いながら育てています。もちろんよそにプレゼントする予定はないですし、繭になったら羽化させずに蛹は食べちゃう予定です(あ、セシウム交じりの桑食べさせてるんだった。珍獣様がゴジラになったらとりあえずスカイツリーを破壊しに行くのでよろしくお願いします)。

 ちなみに、斑紋のない白い蚕のことを姫蚕というそうです。http://www.tuat.ac.jp/~kaiko/sub2.htm ここに蚕の模様とその呼びなの解説があります。


 ってなこと書いてたら、京都の織元から郵便が。今年は都浅黄だけじゃなく黄白(おうはく)も混ぜて送るので注文してって書いてあるのよ。

 黄白は、変わった品種で、オスが白い繭を、メスが黄色い繭を作るそうです。くーっ、そういう勧誘に弱いのよ。どうしよう。やるなら6月中に上蔟しそうな今がチャンスなんだけど><

タグ:カイコ

コメント一覧

シバケン URL (05/25 23:56) 編集・削除

黄白、昔飼っていました!
懐かしいです。

珍獣ららむ〜 (05/26 07:51) 編集・削除

 シバケンくんのカイコ飼育は本格的でしたからねー。今はすっかりプラナリアとロシアの人になってしまったんですか?

 黄白はすっごく気になりますが、直近の発送が5月31日だそうで、今から注文して間に合うのかと迷ってます。

URL (05/31 17:39) 編集・削除

>珍獣様がゴジラになったらとりあえずスカイツリーを破壊しに行くのでよろしくお願いします


嫁の実家が近いんでニュースになったらすぐ撮影に行きます。ん?ニュースなると交通規制が引かれて近づけないなぁ。 すみません、ゴジラになった時点でURLにコメントください。

珍獣ららむ〜 (06/01 03:26) 編集・削除

先さん、わかりました。その時はお知らせにうかがいます(笑)

おおおおおお (06/06 06:25) 編集・削除

あたくしも真っ白になっているんだどうしよう

珍獣ららむ〜 (06/06 08:25) 編集・削除

おおおおおおさん、
墨でもかぶれま真っ黒になりますから、
なんの問題もありませんよ。

竹の皮で折った鶴

ファイル 1123-1.jpg
 以前、mixiかどこかで、紙以外で鶴を折れないかと質問していた人がいて、人に聞いてないで折ってみればいいんじゃないのとみんなで冷たくあしらいながらも、経木はどうか、布も糊でもきかせたらいけるんじゃないかと、いろんなことを言っていたのを思い出します。発想としては面白いけれど、なんでまず自分でやらないんですかね(笑)

 先日、小城羊羹を食べたら、経木と竹の皮で包まれていたので、これは好都合と、鶴を折ってみました。

 経木は木を薄くそいだもので、昔の尾肉屋さんなんかはこれにつつんでくれたと思います。まずはそのまま折ってみましたが、折ったとたんにペキペキっと折れてしまいました。いや、なんか意味不明な文章ですが、折り目がつくのではなくて、ポッキリいってしまう感じです。水でしめらせてもみましたが、大差ありませんでした。薄い和紙でも貼ればいけそうな気はしますけれど、そこまでやる気はありません。

 次に竹の皮ですが、これもそのままだとポキッと折れてしまうので、水に湿らせてみました。四角く切ってから湿らせたのは失敗で、水を含んだらどんどん広がっていびつになってしまいました。が、いびつな紙で鶴を折るのは得意なので大丈夫でした。きれいな鶴を折るなら充分に水につけてから製図して、乾かないうちに一気に折るとよさそうです。竹の皮は折り紙として充分に使えると思います。

タグ:おりがみ

4月から5月にかけての花をいくつか

 地震さわぎで貼りそびれてた古い写真や、最近の写真なんかを貼ります。

ファイル 1122-4.jpg
ファイル 1122-5.jpg
▲この植物は何?? 4月に写しました。そろそろ花は終わってると思います。少し気に入ってて、毎年欲しいと思ってるんですが、名前がわかりません。野草じゃなく植栽だと思います。「唇状花 蔓|匍匐」とかで検索してるんですが、それらしいものがみつかりませんでした。


ファイル 1122-1.jpg
▲ヤセウツボ:2011年5月8日@水元公園。自分では光合成をせず、マメ科、セリ科、キク科などの植物に寄生してるそうです。この写真をとったあたりにはカラスノエンドウ(マメ科)がたくさん生えています。

 ヤセウツボは何年か前から急に目に付くようになりました。わたしが寝ぼけてて突然気づいただけかもしれませんけど。6月ごろまで見られると思います。


ファイル 1122-2.jpg
▲ナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ):2011年5月8日@水元公園。この花はもう盛りが過ぎてしまいました。

 むかしむかし青山六道辻(現在の神宮外苑内)というところに白い花をつける立派な木が立っていました。黄門様こと水戸光圀公が、見慣れないこの木に目をつけて、時の将軍に「この木はなんじゃ」と聞きました。しかし将軍様も名前を知らず、とっさに「もんじゃでごさいましょう」と答えました。以来、その木のことをナンジャモンジャと呼ぶようになったと、ウソのような伝説が残っています。ソース>http://www.meijijingu.or.jp/qa/jingu/15.html

 ナンジャモンジャと呼ばれる木は一種類ではないそうです。立派な木なのに誰も名前を知らない、そんな不思議な木のことを、各地方でナンジャモンジャと呼んでいます。ある地方ではアブラチャンをナンジャモンジャと呼び、別の地方ではクスノキをそう呼んでいるそうです。


ファイル 1122-3.jpg
▲スイレン:2011年5月18日@水元公園。見ごろです。スイレンには温帯スイレンと熱帯スイレンがあるのですが、温帯は水面で咲き、熱帯は水面より上に茎が立って咲くのが特徴です。豆知識ですぞ。

 熱帯スイレンは水温が5度より下がると枯れちゃうそうです。そのわりに小石川植物園とか夢の島熱帯植物園なんかで、屋外に熱帯スイレンが咲いてたりするんですけど、冬はどうしているんでしょう。鉢ごとひきあげて屋内に退避させるのかしら。

タグ:植物

コメント一覧

目黒のゆの字 (05/24 11:11) 編集・削除

お久しぶりです。
紫色の小さな花=ツタバウンラン
というそうです。これ増えるんですよね~。
きれいだからと思って放っておくと大変なことに。
ずいぶんまびいて一時なくなっても、
またしっかり復活します。

珍獣ららむ〜 (05/24 11:45) 編集・削除

ツタバウンラン!!
これです、うわ、ありがとうございます。
確かに増えそうですねー。
意図してなさそうなところにも生え始めているし。

そういえばヒメツルソバ(ポリゴナム)も増え過ぎです。
欲しいと思って買ったはいいけど
ものすごい勢いで増えていくので、
今では必要なところを残して大半を抜いています。
ツタバウンランも手に入れた暁には
抜きまくって管理しなければいけませんね。
ありがとうございます。

目黒のゆの字 (05/24 15:30) 編集・削除

おおっ!ヒメツルソバは買ったのですか!
JR恵比寿線路脇の土手から渋谷川一帯など、
一面に広がって侵略されたーって状態です。
私も欲しいと思ったことがありましたが
あれに手を出しちゃいけないと深く感じた次第です。。。

珍獣ららむ〜 (05/24 17:55) 編集・削除

 わたしも今なら買おうとは思いません(笑) 農地にまで繁殖してとあるハウスのまわりが占領されているのを見た事があります。根の出ているところをひっこぬいて植えたら200%くらいの確率で根付きますね。

 その手の植えてはいけないものといえば、マンネングサの仲間の何かを、コンクリの割れ目にでも生えたらいいなと思って道端から抜いてきて少し植えたら、想像どおりコンクリの割れ目にまで繁殖して、これも植えてはいけない系統だったかと思っているところです。いらないところを端から抜いてます。予定では黄色い花が沢山咲くはずだったのに、うちの土壌がよっぽどいいのかまったく花が咲かないのも困ったやつです。