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金沢旅行二日目(1月5日)・その4

 ひがし茶屋街から香林坊の宿にもどって、少し休憩してから食事をかねて散歩に出ました。すっかり日が暮れた頃、空がごろごろ言い始め、激しい雷になりました。真冬なのに。北陸では冬に雷が来るというのは本当なのかって少し感動しました。

竪町商店街

金沢竪町商店街
 竪町商店街は本当にただの商店街でした。和風小物を扱うような古都らしい店もないことはないのですが19時ごろすでに閉まっていました。

 この町で驚いたのは各建物の軒の出し方ですね。写真はわかりにくいですけど、それぞれの建物がビルの高いところに軒を作っています。しかも、それぞれが好き勝手な高さに作っているのでバラバラです。

 もう少し低いところに高さをそろえて軒を出したらアーケード街のようになって、雨の日でもぬれずに買い物ができるのにと思います。この軒はなんの役にもたっておらず、なんのためにビルに軒を作るのか不思議で仕方がありません。何か理由があるのでしょうか?


金沢竪町商店街
 竪町商店街に東京ストアという普通のスーパーマーケットがあります。

金沢竪町商店街
 入り口にこんな張り紙がありました。「ゆたか側の扉をご利用ください」

金沢竪町商店街
 ゆたかってなんじゃらほいと振り返ってみると、なんだかよくわかんないけど完全に閉店しているのでした。

金沢竪町商店街
 入り口に「美術サロンゆたか」って書いてあるけど中はスーパーです。

金沢竪町商店街
 変わったものを売っていないかしらと探検してみると、白糀がどっさり。「大根寿し、かぶら寿司に今年こそ挑戦しよう!」と書いてあります。「今年こそ」というところにぐっときました。郷土料理でみんな知っているのに若い人は作り方を知らないと言ったところでしょうか。

 「今年こそ」とこぶしを握る食べ物はどんなのかと思い、お総菜コーナーで大根寿司を買いました。宿でつまんでみたところ、塩漬けにした大根を、糀でさらにつけたようなものでした。不味くはないのですが米糀が固いまま残っているので漬けが浅いんだか深いんだかよくわからない謎の食べ物でした。

金沢竪町商店街
 本場(?)だけあってお麩コーナーも充実しています。いろんな種類のお麩がありました。

 あ、もしかしたら店内撮影禁止かな。すんませんすんません…


宇宙軒食堂で夕食

 竪町から香林坊に戻る途中の路地に宇宙軒食堂という妙な名前の食堂がありました。とんバラ定食というのが名物のようです。
金沢宇宙軒食堂
 入ってみると店のほとんどがカウンターで、端っこにちょっとだけテーブルが置いてある駅前にありそうな食堂でした(注意:ここは駅前ではありません)。立ち食いじゃないんですが、立ち食い蕎麦屋みたいな感じです。

 とんバラ定食意外にもモツ煮込みやトンカツ定食がある普通の食堂です。焼きいか定食とかもあったから普通より居酒屋よりかもしれないです。

 とんバラ定食は630円で写真のような感じです。豚バラ肉を炒めたものに特製のタレがついています。店構えからするともっとボリュームのあるものがでーんと出てくるんじゃないかと想像していたのに、意外としょぼいものが出てきてしまいました。

 でも、食べてみると見た目よりお腹一杯になります。特製のタレもちょっと気に入りました。何味なんでしょう。ちょっと何味なのかわかりません。甘いような酸味があるような、それでいて甘いとも酸っぱいとも言えないような丸い味で、豚バラ肉にからめて食べるといい感じでした。

金沢のバス停

 夜の金沢を歩いて思ったのですが、金沢の人は東京の人とバスの待ち方が違います。東京では、バス停で行列する時、道と平行になるように並びます。ところが金沢では、道と直角になるように並ぶので歩道が塞がっています。

 完全に塞がっているかっていうと、行列の途中に人が一人通るくらいの隙間を作って並んでいるようなんですが、荷物をもって通り抜けようとしても、誰もどいてくれません。こういう並び方がごく当然で、往来の邪魔になるという発想はないみたいでした(笑)

 もしかすると東京のように何十人も行列するようなバスのラッシュがないのかもしれません。東京だと乗る人が多すぎて、歩道を塞いだ上に横へ行列が延びてしまうでしょうから。


 そんなこんなでとっとと宿に帰ります。だって雨降ってるんだもん。

(つづく)

タグ:2011年1月金沢旅行

金沢旅行二日目(1月5日)・その3

近江町市場

 金沢城趾から近江町市場へ徒歩で移動。魚屋とか八百屋とかが立ち並ぶアーケード街で、京都の錦市場みたいなところでした。
金沢近江町市場
 こんな感じの入り口があちこちにあって、

金沢近江町市場
中はこんな感じ。

金沢近江町市場
 たまに、ゆるキャラが子供を襲っていたりします。このピンクの物体はえっちゃんと言うそうです。茶色い彼氏がいて、彼氏の名前はちかちゃんだそうです。

 ここで食事をするつもりだったのですが、人が多い上にぱっとした店もみつからず、どうせなら金沢名物の麩を使った料理でも食べようと、不室屋というお麩専門店に移動しました。近江町市場の近くにあります。

不室屋で昼食

金沢不室屋
金沢不室屋
金沢不室屋

 この店ではお麩尽くしの料理が出ます。ちょっとお高くて2500円/1人くらいでした。ぱっと見どこがお麩なのって思うような感じですが、ほとんど全部が麩でできています。一番上の写真の、右手前の一口カツのようなものも、中身が生麩でした。最後の写真の団子のようなものも、生麩であんこをくるんだものです。

 真ん中の写真は金沢の郷土料理・治部煮です。鳥肉・椎茸・筍とお麩を煮て「小麦粉」でとろみをつけたものだそうです。これがけっこう美味しくて、地元ではよく作るのですかとお店の人に聞いたら、「若い人は作らないんじゃないでしょうか。わたしも家では作りません」と言ってました。でも、治部煮は金沢の代表的な料理だそうで、治部煮専用のお椀まであるくらいです。

 ちょっと出費でしたが、なかなか美味しい料理でした。

◎不室屋
http://www.fumuroya.co.jp/
 近江町市場の近くにあるのは「不室屋本店」です。料亭ではなくお麩の専門店で、お店でいろんな種類のお麩を売っています。金沢駅の中にもあるし、東京と横浜にも支店があるようです。

主計町茶屋街・ひがし茶屋街

 不室屋から主計町茶屋街をぬけてひがし茶屋街へ。徒歩移動です。ずーっと雨が降っています。さきほどお昼を食べた不室屋で「雨でよかったですね。雪にならないようにお祈りしています」なんて言われたんですが、こんな雨が続くなら雪のほうがマシなんじゃないかしらってブツブツ言いながら歩きました。

 茶屋街というのは昔の歓楽街のことです。料亭があったり、遊廓があったりしたのでしょうか。古い街並みが保存されていて、今も料亭のような店が沢山あるみたいです。

 観光的に賑やかなのはひがし茶屋街なのですが、通り道なので主計町も歩いてみました。浅野川のほとりに古い建物が沢山ならんでいて、京都の先斗町(ぽんとちょう)にそっくりです。写真を撮ればよかったのですが、とにかく雨でそんな余裕なかったです。

金沢茶屋街
▲これはひがし茶屋街の一番それっぽい場所です。


金沢茶屋街
▲美容院?理容院?? コールドパーマという看板が古くさくていい感じ。


 ひがし茶屋街の中に三味線屋さんがあります。店先で店主が三味線に皮を張ってるのを見られます。300円で三味線演奏体験(抹茶付き)と張り紙があったので入ってみました。

金沢茶屋街
 まずはお茶をどうぞとお抹茶をふるまわれて、まったりしているうちに次から次へとお客さんがやってきて、総勢6人くらいになりました。
「飲んだらあっちでやってくださいね。説明がありますから、みなさんちょっと読んだらできるようになっちゃうみたいなので」
と、店主は引っ込んでしまいました。てっきり教えてもらえると思ったのに少しがっかりです。

 それでも三味線なんて初めて手にするので楽しかったです。注意する人もいないのでやりたい放題ですね。基本のきの字もわからないまま「さくらさくら」が弾けるようになりました。

◎福嶋三絃店
http://www.k2.dion.ne.jp/~sangen/


 他に、ひがし茶屋街では、箔座という金箔屋さんを見ました。なんとなく店に入ってみたら、お店の人がいろいろ説明してくれて、奥に金箔張りの蔵がありますよって見せてくれました。金箔の可能性を表現するためとはいえ派手なことをするなーと関心しまくりましたが写真は撮りそびれました。

◎箔座
http://www.hakuza.co.jp/


 ひがし茶屋街を出た頃日が暮れたので、いったん宿のある香林坊に戻ることにしました。観光用の市内循環バスは昔懐かしいボンネットバスでした。これまた写真なし。雨降っててそんな余裕ないんですー。

(つづく)

タグ:2011年1月金沢旅行 ゆるキャラ

金沢旅行二日目(1月5日)・その2

 忍者寺と武家屋敷街を見て、お昼前に兼六園にたどり着きました。ここと金沢城趾を見てからお昼にする予定です。

兼六園

 「兼六園の雪吊り」それが金沢に関する知識のすべてと言っても過言ではありません。真冬の金沢に来たんだから雪吊りの威力を存分に、と思ったのですが、雪ではなく雨が降っていて、木々に雪なんか積もっていないのでした。

金沢兼六園
 積もってる雪は元日に降ったやつらしいです。半端に雪が残っているせいでコントラストがおかしい写真しか撮れません。右端に写っている銅像はなんなのかなあと思ったら…

金沢兼六園
ヤマトタケルでした。戦没者慰霊のためのモニュメントだそうです。

金沢兼六園
 いたるところ雪吊りです。「これに雪吊りが本当に必要なのか」と思うようなものまで吊ってあります。どこまでが実用でどこまでがネタなのか(笑)

 資料によると、兼六園は神仙の世界をイメージした回遊式庭園だそうです。残念ながら製作者が意図するような神秘を感じなかったのですが、

金沢兼六園
たまにこんな不思議な木があったりします。

金沢兼六園
 これもすごいです。松の木なのですが、根っこが立ち上がっています。自然に出来たのではなく、盛り土をしたところに待つの苗木を植えて、根をしっかり伸ばしてから盛り土を取り除いて作ったそうです。ここまでになるのに何十年、何百年とかかるでしょうに、気の長い話です。この気の長さは神仙の領域かな。


金沢兼六園
 なんの変哲もない噴水? いえいえ、この噴水は池とこの場所の高低差だけで吹き出しているのです。ポンプを使わない不思議な噴水です。

金沢兼六園
 いくら高低差があるからってこの勢いはすごい。位置エネルギーだけを使っているので、水の高さは上にある池の水面以上にはならないそうです。


金沢兼六園
 兼六園内のなんとか言うところで和菓子とお抹茶をいただきました(有料)。たぶん時雨亭(しぐれてい)だと思うのですが、この記事を書くために資料を読んで首をひねっています。

 なんでも、時雨亭は兼六園が作られた当時からあった建物だそうです。200年ちょい前のものでしょうか。それが明治時代に取り壊されて、今あるのは2000年に「復元」されたものなんだそうです。

 復元…ごめんなさい、わたしにはただの現代建築にしか見えませんでした。

金沢兼六園
 建物の価値がいまいちよくわかりませんでしたが、お抹茶とお菓子はおいしうございました。お茶席と同じで先にお菓子が出てくるので食べる前に写真を撮っていたら、お給仕の人が出てきて「先にお菓子食べてね。お菓子が先だからね」と念を押してまた引っ込んでしまいました。どうやらお菓子に手をつけたころにお茶が来るように気を配ってくださってるようです(言われたこちらはせかされてるような気にしかならないんですけど)。

 この写真は和菓子を手前にして、奥の人(知らない人です!)をややピンボケにして写したかったのですが、完全に奥だけにピントがあってしまいました。

金沢城趾

 雨が降ったり止んだりで移動するだけでウンザリしてしまう。兼六園と金沢城趾は隣接しているので移動は徒歩です。隣接してるといったってどっちも広くて、移動するだけで達成感があり、何を見に来たのかわからなくなってる状態です。

 金沢城趾は建物は残っていなくて、三十間長屋(さんじっけんながや)とか菱櫓(ひしやぐら)とかが復元されているだけでした。菱櫓はちょっと面白かったです。

 櫓といっても火の見櫓ではなくて、お城の囲いの角に立ってるやつなんです。天守閣の小さいヤツみたいな感じで、見張り用の塔ですね。何がどう面白いかっていうと、櫓自体が真四角ではなくひし形に作ってあることです。

 真四角に作ってしまう窓がそれぞれ別の方向へ向いてしまいます。ひし形に作って見張りたい方角に大きい方の角を向けておくと、ふたつの窓から同じ方角が見えるようになって、効率良く監視できます。当たり前のことなんですが、建物の角は直角だという固定観念があると思いつきません。

 菱櫓は現代の工法で復元された建物ですが、二階へ上がる階段を、わざと昔の角度で作ったそうです。階段というよりはしごみたいな状態です。ここをおっかなびっくり上がるのも面白くて、昔の人の健脚っぷりを実感しました。

金沢城趾
金沢城趾
 写真がこんなのしか残ってないです。建物の中は撮影していいのかどうかわからないし、移動中は雨で撮影なんかする余裕なし。


 次は近江町市場へ行きますが、長くなるのでまた記事をわけます。

(つづく)

タグ:2011年1月金沢旅行

金沢旅行二日目(1月5日)・その1

 金沢旅行の続きです。二日目は雨が降ったり止んだりでちょっと大変でした。

忍者寺

 twitterで忍者寺が面白いよと教えてもらったので、朝8時ごろお寺に電話して予約をとりました。平日なので観光客も少なく、どの時間でもいいということなので、朝一番の回にしました。9時ごろでしょうか。忍者寺までは香林坊の宿からはバスで二つか三つくらいでした。

金沢忍者寺
 これが忍者寺です。入り口の三角屋根にも驚きましたが、全面板張りで窓もない作りにもギョッとしました。どうもこれは冬のしつらえで、板は雪よけのために張ってあるらしいです。ところが、地元の人たちにはこういうのが普通らしくて、お寺でもまったく説明がありませんでした。帰ってきてからネット検索で、普段はこんなじゃないってことに気付いたような有り様です。

 中に入ると非常に立派な古いお寺ですが、ぱっと見ただけでは特に変わった点は見られません。ところがガイドさんについて歩くといちいち面白い仕掛けがあります。たとえば上の写真を見てください。この建物は何階建てでしょうか。平屋かせいぜい二階建てといったところでしょうが、実は四階建ての七層構造になっているそうです。七層というのは、中二階のようなところがあったりするからです。当時、三階建て以上の建物は徳川家にしか許されていませんでした。そこで二階建てに見えるように偽装してあるのです。

 このお寺は忍者寺と通称されますが、忍者とは関係がなく、金沢城の出城みたいな役割をするそうです。徳川家康が天下を取ったあと、次に天下を取る者がいるとしたら百万石の加賀藩に決まっていると噂されていたそうで、加賀藩三代目の前田利常は藩を守るために馬鹿殿のふりまでしたそうです。そうした反面、襲われた時の供えとして、このお寺に要塞としての機能をつけたみたいです。

 中庭みたいなところに井戸があって、普段は茶事の水を汲むのに使うそうですが、なぜか内側に横穴があるそうで、伝説によればその穴は金沢城まで続いているそうです。ただ、寺とお城の間には川があってトンネルを掘るのは難しく、実際には川原のどこかに続いてるんでしょうということでした。近代になってからは潜って確かめた人がいないのでホントかどうかはわからないそうです。

 なお堂内は撮影禁止で写真は撮れませんでした。

武家屋敷街

 忍者寺から片町までバスで戻って、109の脇から裏道に入ったところが武家屋敷街でした。109は渋谷にあるあの109です。金沢にもあるのです。

金沢武家屋敷街
 金沢のことはほとんど知らず、あまり真剣にも調べないで見に来てしまいました。武家屋敷と聞いたので江戸時代の建物が残っているのかと思ったらそうでもなくて、当時の面影があるのは塀だけでした。たまに本当に古いお屋敷も残ってるみたいですが、たいていの家は建てなおされて人が住んでいます。
金沢武家屋敷街
 土塀に藁で作った薦(こも)をかけてあり、なんなのかなあと思ったら雪から塀を守るためのものだそうです。そういえば忍者寺のガイドさんが北陸の雪は湿気が多くて重たいと言ってました。たぶん雪の湿気のせいで土塀が壊れやすいんでしょう。

 街並みは素敵なので晴れてたらいい散歩コースなんでしょうが、小雨が降ったり止んだりでそんな余裕もありません。和菓子屋さんとか飴屋さんなど店がいくつかありますが、荷物を持って歩くような余裕もなくなく「武家屋敷街クリア、次行ってみよう!」と全部スルーしました。

 次は兼六園に向かいますが、写真が沢山あるので記事をわけます。

(つづく)

タグ:2011年1月金沢旅行

金沢旅行初日(1月4日)

 なかなか整理がつかず、だらだらしてしまいましたが金沢旅行記です。写真は改めてみると写りが悪く、一体なにやってたんだって感じもしますが、とりあえず見られる感じのものをはっておきます。やっぱりカメラ買わないとなあ。

金沢駅前

 金沢到着は15時半くらいでした。10分かそこらの遅れはありましたが、意外に予定通り到着しました。日本の鉄道はほんとうにすごいと思います。

 この日(1月4日)の金沢は、元日に降った雪があちこちに残っていましたが、雪ではなく雨が降っていました。そんなに寒くはなかったのに、駅の待合室は強烈な暖房が入っていて、二言目には暑い暑いと口走るほどです。金沢のひとたちは寒がりなんでしょうか。

 待合室で宿の予約をしようと思い、iPhoneを見たら電波が禿げ上がっている(電波が弱い)のでびっくりしました。駅の待合室なのに酷いと思ったので後でソフトバンクのtwitterアカウントに「禿げてるよ」とツイートしてしまったほど(近いうちにアンテナが増えるというお返事をいただきました)。

 同行したともだちが「たしか金沢駅には禿オヤジの無線LAN(Softbankのモバイルポイント等のこと)が来ているはずだから」といってノートパソコンで電波を拾おうとしていましたがこちらもうまくいきません。売店のお姉さんに「無線LANが来ている待合室はどこのことですか」と聞いてみたら「それはここのことではありません(きっぱり断言)」と言われてしまいます。

 結局、携帯でサイトを見に行ったら、金沢駅の無線LANはアクセスポイントの名前みたいなのを自分で手打ちして探さないとみつからないようになってるそうです。禿しくめんどくさい。

 そんなこんなでなんとか楽天トラベルにアクセスして安いビジネスホテルを予約しました。楽天ポイントがたまっていたので、全部つぎ込んで、この日は「ほとんど」タダでした。ほとんど、というところが味噌で、のちのちややトラブルになるのですが、それはあとで書きます。

 まだ16時前ですから、宿に直行するには少し早い時間です。かといって市街地の観光は微妙なので、湯涌温泉(ゆわくおんせん)というところへ行ってみることにしました。公衆浴場があること、バスがちゃんと走っていることなどを条件して、出かける前に探しておいた温泉街です。

 事前調査のとおりバス停に行ってみると、巨大なやかんのオブジェがあり度肝をぬかれました。

金沢駅前
▲バス停の近くにあったオブジェ。なんですか、この巨大なやかんは。


湯涌温泉

金沢・湯涌温泉
 湯涌温泉は駅からバスで40分くらいのところにあります。市街地より少し山を上ったところにありました。わたしは群馬育ちなので、山といえばもっと険しくてヘアピンカーブをいくつも越えて上っていくようなところを想像したのですが、そこまで山深くはありませんでした。ただ、市街地で雨だったのが、湯涌温泉では雪だったので、それなりに標高差があるみたいです。金沢駅からここまでバスで580円でした。

 湯涌温泉は小さめの温泉街だと思います。伊香保なんかよりずっと小さいんです。旅館がいくつかあって、料亭なんかもいくつかあるみたいです。あと、竹下夢二が逗留したことがあるとかで、夢路の資料館みたいなのがあります。ちょうどセノオ楽譜の展示をやってたそうで、ちょっと見たかったのですが、到着したのが17時ちょっと前だったのでやめました。

 バス停からてくてく5分くらい歩いたところに白鷺の湯という総湯(そうゆ)があります。総湯というのは公衆浴場のことだそうです。残念ながらかけ流しではなく循環式ですが、まわりの旅館に来ているのと同じ温泉だそうです。大人350円也。石鹸やシャンプーは用意されていないので、体を洗いたい人はお風呂セットを持っていった方がいいです。もちろんタオルもお忘れなく。

 平日だったのですがやけに大人気でお客さんがたくさんいました。温泉は無色透明で、たぶん匂いもないと思います。浴室に甘ったるい香りが漂っていましたが、たぶん誰かが使っている石鹸の匂いでしょう。言われないと沸かし湯みたいなんですが、あきらかに体が温まるので間違いなく温泉です。

 わたしはのぼせやすいたちなので、適当なところで体を洗うふり(石鹸をもっていないので)でもしようと思っていましたが、お客さんが多すぎて洗い場がまったくあきません。あたりを見回したら露天風呂への出口があったので移動してみました。

 露天風呂といっても屋根があり風よけもあったので半露天なのですが、入ってみたらやけにぬるく、ぬるいだけじゃなくカルキ臭が強すぎて、早々に屋内に逃げ込みました。

 屋内でまた少しお湯につかっていましたが、結局洗い場があきそうもなくて、のぼせそうなのであきらめて出ることにしました。

金沢・湯涌温泉
 ご当地サイダーがあったので飲んでみました。柚子小町、1本200円です。柚子のかおりがさわやかなサイダーで、とても美味しかったです。
 
 白鷺の湯を出て、まだ雪がちらついていましたが、事前に調べておいた高尾食堂に行ってみました。ほんとにごくごく普通の食堂です。ラーメン、そば・うどん、丼物、カレーなどがあります。わたしはオムライスを注文しました。600円也。
金沢・湯涌温泉


◎湯涌温泉
http://www.yuwaku.gr.jp/
 金沢駅からのバスの時刻表や、白鷺の湯の説明などいろいろあります。

東横イン

 再びバスに乗って金沢市内にもどりました。宿が香林坊というところにあるので、運転手さんにどこで降りたらいいか聞いてみたのですが、もしかすると兼六園下で乗り継げるかもしれないので、バスがいたら教えてあげるよってとても親切にしてもらいました。残念ながらお目当てのバスがいなくて、武蔵というところで降りました。

 武蔵からだと香林坊まで歩けそうな気もしましたが、不慣れなのと荷物があるのとで、もうひとつバスに乗りました。今夜の宿は香林坊のバス停のすぐそばにある東横インです。

 最初に書いた通り、楽天トラベルから予約して、ほとんどをポイントで支払い、残りをネット決済でカード払いしたはずなのですが、なぜかフロントでポイント分を除いて○○円ですと請求されて、そんな馬鹿なって感じでした。調べてもらったらネット越しに支払いがあったことが確認されて、まあ良かったんですけど、あやうく二重に取られるところでした。

 そんな些細なトラブルはありましたが、東横インは安いので翌日もここに決めました。金沢駅の暖房がものすごいのにも驚きましたが、ホテルも激しい暖房でした。普通のエアコンだけで暑いのに、オイルヒーターまであって、やっぱり金沢の人は寒がり屋さんなのかなと思いました。

(つづく)

タグ:2011年1月金沢旅行