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アメリカシロヒトリの卵

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 アメリカシロヒトリの卵……だと思います。以前何度か、同じ形状の卵を孵化させたらアメリカシロヒトリになったので。卵は、似たような形状のものを近縁種が産むかもしれないので、孵化させてみないと良くわからないってのが正直なところ。

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 今はアメちゃんの世話までしていられないのでとりあえず捨てました。育てないまでも孵化させてみればよかったかなあと、捨てちゃってから思ったけれど後の祭り。お蚕の餌にする桑の葉にくっついてきたものです。9月30日撮影。



 アメリカシロヒトリは蛾の一種ですが、幼虫は毛虫です。毛虫には毒があると、根強く信じている人も多いのですが、アメリカシロヒトリには毒はありません。

 もちろん、毒のある毛虫もいますから、見分けに自信がない場合は毛虫は全部毒だと思っておいたほうが無難です。

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ヒガンバナを摘むと火事になると、子どもの頃によく言われた

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▲ヒガンバナ。今朝、水元公園にて。もう花は終わりかけ。

 子どもの頃、よく言われたことに「どんなにきれいでもヒガンバナだけは摘んじゃいけないよ。ヒガンバナを摘むと火事になるから」というのがあります。同時に、ヒガンバナは毒だから危ないっていうのもセットで聞かされました。子どもが毒草にあたらないように昔からそうやっておどしてたのかもしれません。

 そうは言ってもヒガンバナはきれいだし、お寺のまわりに生えてるのを見て、近付いてみたくて仕方がなかったのですが、祖母などは近付くのもダメだといって嫌な顔をするわけです。さすがに近付いただけで害があるはずないのですが、なぜかヒガンバナは墓地に生えてましたから、昔は土葬であったことや、墓場での作法などにも関係があるのかもしれません。そういえば、墓場では駆け回るなっていうのも繰り返し言われました。墓で怪我をしたら絶対に治らないからと。

 そんなこんなで、小学生の頃までヒガンバナが「大好きなのに近づけない花」でした。

 中学生になって、ある日学校の理科の先生が「部活動で植物採集に行って掘ってきたんだけど、君にあげよう」と言って、ヒガンバナの球根をくれました。なんとなく掘ったものの、持ち替えてっても植えるところがないので、たまたま居合わせたわたしにくれたんだと思います。

 摘んだら火事になるとまで言われている花の球根を掘り返してくるなんて大胆だなあと思いながらも、先生がせっかくくれたものだからと持ち帰り、庭の片隅に植えてみました。その年は一輪だけ、翌年からはたくさんのヒガンバナが咲いて、そりゃあもう美しかったのを覚えています。家は火事にならなかったし、植える時に球根を素手で扱いましたが特別なんの害もありませんでした。

 とはいえ、ヒガンバナは毒草です。佐藤潤平という漢薬の原植物の研究で有名な博士が、若い頃にヒガンバナで中毒したことがあるそうです。花があまりに美しいので摘み取って、帰宅する途中で和菓子屋に立ちより「お菓子を食おうとした途端に、ヒガンバナの柄が折れて、その汁が指についたが、そのままお菓子を食って寄宿舎へ帰った」そうです。

 すると、夕食時には風邪のような症状がでて顎の下が硬直、翌朝には脇の下が赤く腫れており、昼ごろになると股間の一物まで腫れてきたのであわてて病院に行くと、ヒガンバナの中毒だろうと言われたそうです。

 なんせ大正時代の話なので、本当に中毒だったかは少しあやしいのですが、それでも植物の偉い人が自伝*1にそんな話を書き残しているくらいだから、人によってはそのような症状が出るのかもしれません。

 近ごろでは、お年寄りがそういう話をほとんどしないのか、ヒガンバナを警戒する人が少ないですね。昨日だったか、町おこしで河辺にヒガンバナを植えているという話をラジオでしていました。たしか、新実南吉の『ごんぎつね』にちなんだ企画だと言ってたような気がします。

 幼稚園などのイベントで球根を植えさせ、その子が大人になってから「あれはわたしが植えたのよ」などと思い出してくれたら、などと言うのですが、それは本当に、ごんぎつねに描かれた世界なのかなあと首をひねりました。

 ごんぎつねの中で、ひがん花が出てくるシーンは、兵十の母親の葬儀のシーンだったはずです。
「墓地には、ひがん花が、赤い布のようにさきつづいていました」
「葬列は墓地へとはいって来ました。人々が通ったあとには、ひがん花が、ふみおられていました」

 あの物語でヒガンバナは単純に美しい花として描かれているのではなさそうです。墓地に咲いている花で、人が土葬される時には容赦なく踏み折られる。そこには言葉にはしにくい、何か特殊な感情が漂っているような気がします。

 わたしが子どもの頃、ヒガンバナに抱いていた感情もそれに近いものです。秋になると墓場に咲き乱れ、あれほど美しいのに大人がいやがって近付かない。なぜ嫌うのかとたずねれば、摘めば火事になるとか、毒があるからとか、何かしら理由はあるものの、本当に言いたいことは言葉にはならず、迷信の底にしずかに漂っているんです。だからこそよけいに美しく、心にナイフのように突き刺さる花なのではないかと。

 幼稚園児に球根を手渡し、どんな説明をして植えさせるのかわからないけれど、毒なんだけど大丈夫なのかとまず首をひねり、ごんぎつねの里をめざすのなら、幼児期の楽しい思い出にヒガンバナの手植え行事なんてやっちゃったらぶち壊しなんじゃないのかとどうでもいいことを考えました。

*1:『薬になる植物III』

タグ:植物

コメント一覧

日野@愛媛 Eメール URL (10/01 10:46) 編集・削除

こんにちは。

丁度一昨日に母から聞いた話ですが、戦時中にヒガンバナの球根を供出したんだそうです。
毒があるのが判っているので、掘り取り作業の後にはとことん手を洗わされたとか。
集めた球根はいったいどうなったのか?
晒して毒を抜いた食べたのだろうか?
gabotyan

珍獣ららむ〜 (10/01 16:01) 編集・削除

こんにちは!

それは激しく興味深いお話ですね。
ヒガンバナの球根から毒を抜いて食用の澱粉をとる話はわたしも聞いた事があります。
でも軍関係に供出したのだとしたら糊の原料にした可能性もありますね。
洗濯糊か、気球かなにかを貼るのに使ったのかも??

なんだか謎を解きたくなってきますね!
面白い話をありがとうございます。
gabotyan

腹黒烏龍茶 URL (10/01 22:45) 編集・削除

こんにちわ

うちの亡き父は高知の山奥出身で、戦時中物がなかった頃に食べたそうです。
3日だか1週間だか川で晒して毒気抜いたそうですよ。
「おいしいもんやなかった」というてました。
gabotyan

珍獣ららむ〜 (10/02 00:03) 編集・削除

腹黒烏龍茶さんこんにちは。
民間では食べるものがなくて仕方なく毒草の毒を抜いて食べたという話はあるようですね。
ヒガンバナの話は所さんの目がテンでもやってました。
沖縄では戦争中にソテツから澱粉をとって食べてたそうですが、やはり毒があるので独抜きが大変だったと何かで読みました。
たまに独抜きに失敗して一家そろって中毒死してしまうこともあったとか。

もし軍がヒガンバナの球根を食用として徴用してたんだとしたら、一体どれだけ食べ物に困ってたんですかね。
それか将来をみこして実験的に集めてみたとかも考えられますね。
gabotyan

葛飾区水元あたりで見られる今冬のダイヤモンド富士

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▲2012年1月29日、葛飾区金町駅周辺某所にて撮影。

 ダイヤモンド富士は太陽が富士山の頂上と重なる現象です。富士山の東側からは夕日で、西側からは朝日で見ることができ、年に二度見ることができます。

 葛飾区あたりだと、11月と冬至をはさんで翌年の1月くらいの日没時に見られます。

 正確な日時は場所によって変わります。以下は、わたしが知ってる富士山が見えるポイントでの予想です。カシミール3Dというソフトを使ってシミュレートしています。

 おおむね予想通りに見られるとは思いますが、誤差がないとはいい切れないのではずしたらごめんなさい。可能なら前日も見に行くくらいの勢いで頑張ってください。

 あと、時刻は見る高さにもよりますから、少し前から待っててくださいね。ピッタリに見に行くともう沈んじゃったなんてことになりかねません。

金町駅前(ビルの上とか)

2013年11月13日 16:24
2014年01月29日 16:53
 駅前の地上からは富士山は見えませんが、周囲にある高いビルの上からなら見えます。たとえばですが、図書館の児童書コーナーの窓なんかから見えたと思います。

飯塚橋(橋の真ん中あたりから見えます)

2013年11月16日 16:22
2014年01月26日 16:50
 歩道とはいえ、橋のどまんなかで待ってるのは意外と寂しいです。周囲の土手からも見えるポイントがあるんですが、見る位置が少しでも南北にずれると同じ日の同じ時刻には発生しません。

# その後調査してみたところ、橋のすぐ南側からだと橋が邪魔で見えません。橋の北側だと大谷田の団地に遮られてやっぱり見えません。
# 橋から北へ少し離れますが、西水元水辺の公園というところまで行くと富士山が見えますが、ダイヤモンド富士になる日時が1日くらいずれるかもしれません。

水元五丁目三差路(京成バスの水元五丁目停留所近くの交差点)

2013年11月17日 16:21
2014年01月24日 16:48
 金網があるので撮影ポイントとしてはあまりパッとしませんが、目で観察するには悪くないと思います。交差点近く、金網のあるところから大場川ごしに西のほうを見てください。交番の前くらいです。

おまけ:三郷市のピアラシティあたり

2013年11月28日 16:17 #ごめん書き間違いだった
2013年11月26日 16:17
2014年01月14日 16:38
 スーパービバホームの屋上駐車場から富士山がよく見えます。




 この他の場所でも富士山さえ見えればダイヤモンド富士を見られるかもしれません。



 リツイートしてもらったりしたので、ここでも見えるはず、という場所をいくつか追加します。

松戸市の戸定邸の縁側

2013年11月14日 16:24 ←これはビルの影で見えないかも
# 2014年01月29日 16:53
 金町のヴィナシスという高層ビルの横に半分だけ富士山が見えるはずです。
 入るのに入園料が必要です。また、営業が17時までで、16時半を過ぎると入れません。# 2014年の1月から修復工事でしばらくお休みだそうなので、2014年1月の分は見られないです。

アリオ亀有の屋上駐車場

2013年11月14日 16:24
2014年01月28日 16:52
 屋上からは問題なく富士山が見えると思いますが、残念なことに平日だと屋上駐車場が閉鎖されています。その場合は許可なく立ち入らないようにお願いします。
 駐車場5階か4階に、富士山の方角が見られる場所がありますが、高めの壁越しになり、鳩の糞など散乱している場所なので、あまり状態は良くないです。

葛西臨海公園の西渚へ渡る橋の上(江戸川区)

2013年10月27日 16:40
2014年02月15日 17:10
 葛飾区から見てだいぶ南にあるので発生日時が10月と2月になります。要注意。それと、臨海公園自体は24時間立ち入れるのですが、渚に渡る橋は夜になると閉鎖されるはずです。それが正確に何時だったか覚えていないので、こちらも注意してください。
 橋が閉鎖されるようなら、橋の下の水路のほとりから見えるかもしれません。あと、展望レストハウスのあるあたりが、少し高くなっているので、そこからだと富士山が見えるかもしれません。

越谷レイクタウンの屋上駐車場(埼玉県越谷市)

2013年12月11日 16:16
冬至は12/22
2013年12月31日 16:25
2014年01月01日 16:26
 シミュレートしてみたら年末年始に発生することが判明して驚きました。御帰光納めと御帰光始めがダイヤモンド富士になるのですね。見られたら超ラッキー。
 moriだったかkazeだったか忘れましたが、どっちかの屋上駐車場から富士山が見えるのを確認しています。
 年末年始なのでおそらく屋上が閉鎖されてるってことはないと思いますが、閉鎖されてたら許可なく立ち入るのはやめてくださいね。あのへんは建物がなく開けているので周辺の地上からも見えるかもしれません。

# わたしが持ってるカシミール3Dには、いつごろのかよくわからない古い地図しかついてません。レイクタウンは地図にないので正確な場所をはずしてる可能性があります。が、おおむねこの頃にダイヤモンド富士になるはずです。
# レイクタウンよりほんの少し北へ行くとダイヤモンド富士の北限になります。



 いずれの場所も、晴れていて富士山の頂上が見えていないとダイヤモンド富士にはなりません。また、翌日にもちょっぴり横にずれた状態で見られる可能性もありますので、その日が曇ってたら翌日行って見るといいかもしれません(ずれすぎてダメなこともありますが)。

 ダイヤモンド富士の観測は、日没の位置が日々少しずつ移動していくことを目でみて理解できる絶好のチャンスですので、可能ならば前後数日、毎日観察すると楽しいです。

タグ:富士山

古文書解読:養蚕緒言

 久しぶりの古文書の解読です。あまりにも久しぶりなので、軽めに『養蚕緒言』っていうの選んでみました。軽すぎてわかんないとこほとんどなかったです。

◎養蚕緒言(全文)
http://www.chinjuh.mydns.jp/koten/tyogen1.htm

 このあたりにおいときましたので興味のある方はどうぞ。底本は早稲田大学古典籍データベースです。虫食いだらけでしたがなんとか読めました。

 内容は、養蚕は天子様の后妃も自ら桑をつんでなさるものだから、士農工商どんな身分の女性であってもすべきであるという養蚕の勧めです。ハウツーものではないので具体的な飼い方などは一切出てきませんでした。

 養蚕の伝説についても大したことは書かれておらず、迩々藝尊が木花開耶姫の機織りの手際を見て后としたとか、仁徳天皇の皇后磐之媛命が山城の筒木にある養蚕室をわざわざ見に行った話なんかがチラッと書いてあるだけでした。

(勘違いで無関係なことを書いていたので一部削除しました)

 間違いなどみつけたら(みつけられるほど読みこなしたい人がいればの話ですが)、ここのコメント欄に書いておいてくださると嬉しいです。

# なお、コメント欄はスパム投稿防止のため、投稿必須ワード方式を採用しています。現在の必須ワードは、画面の上のほう、ブログタイトルの下に表示されていますのでご確認ください。

タグ:古文書解読

コムサイズムがホラーな件

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 ある日買い物に出かけたら、コムサイズムのマネキンさんたちが完全にホラーでびびりました。手前のお姉さんなんかアダムスファミリーの人みたいだし、奥のお兄さんなんかSMAPの草彅君みたいだ(それってホラー?)。


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 ふと見上げたらこの人たち店名のすぐ下に勢ぞろいしてるじゃないか。もしかして、写真とってツイートしろという店からの挑戦なのだろうか。



 というわけで、釣られてみました。数日前、越谷のレイクタウンにて。