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シンハラ語の辞書をひいてきた

 先日、スリランカ料理のカラウィラ・テルダーラというものを作ってみました。カラウィラが苦瓜で、テルダーラは油炒めのような調理法の呼び名だそうです。

◎今日はスリランカでカラウィラ・テルダーラを食べるよ
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1633

 上記の記事にも書きましたが、スリランカの公用語はシンハラ語とタミル語だそうです。テルダーラはシンハラ語っぽいので、図書館で辞書を引いて、綴りを確かめてきました。

タミル文字:කරවිල තෙල් දර
ローマ字表記:karalira thel dara

だそうです。karavila が苦瓜、 thel は油、 dara は「入れる」とか「満たす」とかの意味があるらしいです。

 タミル文字は表示できないパソコンが多いと思うので画像も用意いたしました。こちらをどうぞ!

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 いやあもう、最初はどれが母音でどれが子音なのかもわかんなくてぼう然。

 文字の数を数えてみると、子音+母音で 1文字になってそうだってことはわかりました。しかも母音の a は書かない決まり(デーヴァナーガリーと同じ)っぽいのもなんとなく理解。

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 la と l が出てくるので、母音をともなわない子音の上に小さな 「p」みたいな印をつけるんだってのもわかった。

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 ところがー、thel dara の the がくせ者なんですよ。どう見ても the で 2文字に見える!!!

 左から右に読むんだったらアットマークみたいなグルグルが th なのかって思うでしょ。それが違うの。右側のネズミみたいなやつが th で、アットマークみたいなグルグルが e なのよ。ついでに言うとこれで 1 文字らしいですわ。

 だって"තෙ"(シンハラ文字の the )をコピペしようとすると、このセットでしか選択できないもんね?

 これは手ごわい……と投げそうになったけど、そういえばデーヴァナーガリー文字も母音記号が上にも横にも下にもつくから同じノリなんだと思ったら急に読めそうな気がしてきました。

 なお、日本語に訓令式とヘボン式があるように、もしかするとタミル語にも何種類かローマ字表記があるかもしれません。



 綴りがわかったところで検索してみたんですけど、karavila で苦瓜なのは間違いなさそうでした。 thel dara は、残念ながらこの形ではヒットせず、料理名としてどこまで通用するのかよくわかりませんでした。

太陽光線から雲かからもれて柱のように地上にふりそそぐ現象のことをなんというか?

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▲10日、アリオ亀有前にて。

 雲の切れ目から幾筋もの太陽光線が地上にふりそそぐ様子をなんというか。

 英語圏ではこれを Jacob's Ladder(ヤコブの梯子)というのだと聞いた事があります。

 『創世記』でヤコブがベエル・シェバというところで妻をめとり、ハランへ向かう途中、石を枕に野宿をしていると霊的な夢を見ます。

Kaj li sonĝis: jen ŝtuparo staras sur la tero, kaj ĝia supro atingas la ĉielon, kaj jen anĝeloj de Dio iras sur ĝi supren kaj malsupren.

 普通の人には珍しいでしょうからザメンホフが原典から訳したエスペラント聖書 "La Sankta Biblio" から引用してみました。

 直訳すると「そして彼は夢を見た:見よ大地に梯子(はしご)が立っている、そしてその頂は天にとどいている、さらに見るがいい神の使いたちがそれをつたい上へ下へと行くのを」という感じです。創世記 28:12

 そのあとヤコブは神から子孫繁栄を約束されたりするみたいですが今回それはこっちへおいといて、梯子ですよ梯子。

 雲間から地上へと太陽光線が柱のようにさして見えるのを、創世記のお話になぞらえて、英語圏ではヤコブの梯子というんだと聞いてたわけです。日本語で「ヤコブの梯子」を画像検索すると、最初に貼った写真のような光学現象の写真ばっかりヒットします。

 日本でこれだけヒットするなら、英語圏ではもっとすごい光学現象の写真が見られるんじゃないかと思い、Jacob's Ladder で検索してみると、これがそうでもないのでビックリです。

 聖書物語の挿し絵みたいなものを除くと、日本語で板返しとか呼ばれている玩具の写真とか、あやとりの四団梯子とか、延々と梯子のぼりをするためのエクササイズ器具、アーク放電の実験、編み物やパッチワークのパターンなど、そんなのばっかりヒットして、太陽光線が地上に降り注いでる光学現象の写真はちょっぴりしか出てこないんです。

 じゃあ、太陽光線が(以下ry の写真を見たくなったらどうすればいいかっていうと、crepuscular rays(薄明光線)とか Tyndall efect(ティンダル現象)とかで検索するといいみたい。後者はこの現象を研究した人の名前に因んでいて、日本語だとチンダルと綴られることも多いです。*1

 宮沢賢治の『告別』という詩に「ちからのかぎり/そらいっぱいの/光でできたパイプオルガンを弾くがいい」というのがありますが、光のパイプオルガンというのがチンダル現象のことなんじゃないかと良くいわれています。

 わたしはこの、光のパイプオルガンを日本式の呼び方として普及させたら素敵なんじゃないのかって思うんですけどね。

*1:チンダル現象は必ずしも空・雲・太陽光の条件でのみ起こるわけではありませんが、難しいことはよくわからないのでウィキペディアでも読んでください

タグ:空と雲

今日はスリランカでカラウィラ・テルダーラを食べるよ

 不況なんか恐くない(いやすごく恐い)! 自作の心さえあれば台所で世界一周できちゃうかもしれない企画。今回はスリランカへ行ってみたいと思います。

 いやはや、さすがに不況の重みがズシッときまして、しばらくお休みしてました。海外の料理はどうしたって普段使わない調味料など買わないと行けませんから、ここまで金欠が極まるとマジ真剣に厳しいですわ……うっ、うっ。

 しかしですね、わたくしは気づいてしまったのです。行きつけのスーパー(具体的に言うと葛飾区内のライフ水元店だ!)のエスニックコーナーがパワーアップして、ココナツミルクの缶詰めが二種類もあったりしてぶったまげましたよ。

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▲ココナツミルクの缶詰め。150円でした。ライフで! 150円は安いなあと思って買ってしまいました。

 このココナツミルクと苦瓜を使って、スリランカ料理のカラウィラ・テルダーラというものを作ってみたいと思います。完成品はこんな感じ。

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▲カラウィラ・テルダーラ(苦瓜の油炒め)

作り方

【材料】2人分
苦瓜 1/2本
塩 小さじ1杯(塩もみ用)
ココナツミルク 大さじ2〜3杯

タマネギ 小1/2個
シシトウ 4本(ピーマン1個でも可)
トマト缶詰め 大さじ3杯(生のトマトでも可)
赤唐辛子(生) 1本(鷹の爪でもいいかもしれない)

ごま油 大さじ1杯くらい
塩 小さじ1杯(味付け用)
かつお節 粉状にして大さじ1杯くらい


【手順】
1. 苦瓜はワタをとらない。種も一緒に輪切りにして、塩小さじ1杯をふって軽くまぜ、30分おいとく。
2. 1の苦瓜から水が出てしんなりしたらしぼっておく。
3. 2にココナツミルク大さじ2〜3杯を加え、もみ込んでおく。
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▲苦瓜に塩をして30分以上おいたところ(上)、ココナツミルクをもみこんだところ(下)


3. タマネギ、シシトウを適当に切る。好きな形でよい。
4. 赤唐辛子(生)を粗みじんに切る。ちなみにわたしは種も一緒に刻んじゃってます。
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▲材料一覧。これ以外に調味料として塩とかつお節、炒め用のごま油を使います。


5. フライパンを熱し、ごま油大さじ1程度をひく。3の苦瓜を投入して、軽く焦げ目がつくくらいまで炒める。
6. タマネギ、シシトウを加え、2〜3分炒める。
7. トマト缶、赤唐辛子(生)、塩小さじ1杯、かつお節を加え、ざっと混ぜれば完成。
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▲炒めてるところ。スリランカでは油を沢山使うみたいですが、ここはぐっとこらえて少なめにしましたよ。

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▲カラウィラ・テルダーラ(苦瓜の油炒め)


 インド・スリランカ・ネパールあたりの料理というと、どうしてもカレーのようにスパイシーなものばっかりなんですが、このレシピには唐辛子以外の香辛料が入っていません。うま味と香りはココナツミルクとかつお節からきています。こういうのもあるんだって自分で作ってて感心してしまいました。

 味は、赤唐辛子が入っているのでかなり辛いです。ココナツミルクが入るので、辛いけれどまるくととのった感じになります。辛いのがどうしても苦手な人は唐辛子を減らしてください。

 そもそもココナツの香りがイヤなのよ!という人もいるでしょうが、このレシピだと、それほど強烈なココナツ臭はしません。食べる時にふわっと甘い香りがする程度です。

 参考にした本には「ココナツファイン」という、ココナツの果肉を粉にしたものが入っているのですが、それは手に入らなかったので省略しました。香りがものたりないと感じる人は、ココナツファインを手に入れて、ミルクとともに苦瓜にもみこんでみるといいかもしれません。

材料の解説

 かつお節というと日本固有のもののように思いがちですが、実はインド洋でカツオが沢山とれるので、モルディブにかつお節と極めて似た干物があるそうです。先日の「世界ふしぎ発見」でもとりあげられたし、漫画「美味しんぼ」の何巻かにもカレーの出汁としてモルディブフィッシュを使う話が出てきます。ここでは日本のかつお節を使います。冷ややっこにのせる細かい削り節ならば粉にせずそのまま使っていいと思います。

 苦瓜の種やワタは、あちらでは普通に食べるそうです。インドでも食べます。特別苦くはないです。どうしてもイヤなら種はとってもいいですが、噛むとカリッと砕けて固くはないです。ぜひそのままどうぞ。

食後のシンハラ語

 スリランカの公用語はシンハラ語とタミル語だそうです。今回の料理名、カラウィラ・テルダーラはたぶんシンハラ語なんですが、シンハラ語はガチガチに固くてネット情報では歯が立たなかったでございます >_<

 MacOSにシンハラ語フォントを入れるところまでは行けたのですが、入力となると Windows 用のものしかみつからず鼻血吹いて倒れそう。

 シンハラ語入門を書いてくれてるサイトへ行って、文字を個別にコピペして検索欄に書くことは可能ですが、きっとこんな綴りだろうと、頑張ってやってみてもネット上でヒットせず、あってるかどうかサッパリわかりません xдx あたしゃデーヴァナーガリーは読めるんですけどね。シンハラ文字とかもうサッパリですよ。

 というわけで、ローマ字の綴りを書いておきます。そのうち金欠がなおったら、図書館行ってシンハラ語の辞書とか引いてみますわ……orz

kalavira カラウィラ 苦瓜(にがうり、ごーや)のこと。
thel dara テルダーラ 油炒めのこと。

参考図書

『家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理』

画像は楽天ブックスへのリンクになっています。送料無料ですよ。写真がきれいでおいしそう。日本でおなじみのカレーはもちろん、日本で知られていないスリランカの家庭料理がいろいろ掲載されています。

材料を通販で(画像のリンク先は楽天市場内のショップです)


▲わたしが買ったのはこのメーカーのやつです。あまり使い慣れないものなんですが、メーカーによって味が違ったりするのでしょうか?



▲ココナッツファインは(今回は使いませんでしたが)、たとえばこことかで買えます。エスニック食材店だけでなく、洋菓子の材料を売ってるお店にもありそうですね。

タグ:民族料理

江戸川区の花火大会(動画)

 昨日3日は江戸川区の花火大会でした。

 ここのはとにかく派手で、毎年大勢見に来る人がいるのですが、今年の盛り上がりは半端なかったです。直前の隅田川や葛飾区の花火が雨で中止になったりして、リベンジで駆けつけた人が多かったのかもしれません。対岸の千葉県側も見てる人がわんさかいました。

 19時半くらいから20時半まで、1時間ほどのショーでした。動画ではオープニングと幕間とフィナーレをつなげて5分ちょっとにまとめました。



◎江戸川区花火大会2013(公式)
http://www.city.edogawa.tokyo.jp/hanabi2013/

タグ:地元(葛飾周辺)

お蚕の糸:利用案・悪くない例(ボビンレース)

 クロッシェレース(かぎ針編み)やタティングレースがだめならボビンレースはどうよと思いつきました。

 ボビンレースというのは、日本ではあんまり一般的でないものですが、ヨーロッパでは子供から大人まで愛好されていると聞いています(ホントかどうかは知らないけどね)。

 日本のアニメで名作劇場の『フランダースの犬』でアロアがやってるシーンがあったと思います。『牧場の少女カトリ』でクセラ屋敷の奥様からカトリが習ってたのもこれだったはず。

 ところがですね、こいつは道具に金がかかるのであります。最低でもボビンを10個は用意しなきゃいけない。あと、形をととのえるためのピンと、クッサンと呼ばれる針を刺す台も必要。

 それらを普通に購入すると、ピンは100円で嫌ってほど買えるけど、ボビンは10個セットのやつが2〜3000円してしまう。クッサンに至っては数万とか……誰がそんなものを買えるかっつーの。

 で、仕方ないので自作。クッサンは、以前アジアンノットにハマったときに作ったコルクの台があるので、それを利用。

 ピンも何かの時に買ったのが沢山あるので大丈夫。

 問題はボビン。専用品はこんなヤツ。画像のはちょっとお買い得かもしれない。でもわたしゃ今、これしき買うのも躊躇するほど金欠なのよね。



 要するに棒状のものに糸を巻ければいいんじゃないかと、下のようなものを作りました。
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 パールビーズに竹串を刺しただけ。ビーズの穴が小さかったので竹串は少し削ってあります。材料はダイソーで調達。なんせやったことのないものなので、これが使えるかどうかもよくわかんない。

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 で、織ってみた。案外いける。

 でも竹串のボビンは軽すぎて跳ねちゃう。もっと重さがないときびしい。だから市販のやつは太めなんでしょうね。持ったことないから竹串とどのくらい重さが違うかわかんないけど。

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 何に使うか考えずに作ったのでリボン状の何かができました。

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 最初の方は、どこを引っぱっていいかわからず、こんなぐちゃぐちゃにしかできませんでした。やってるうちに、縦糸も緯糸も、もっと引っぱっていいんだということに気づき、

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 慣れてきたらこのとおり、ずいぶんいい感じに織れるようになりました。

 試作品なので太い糸で作りましたが、これだったら自作の絹糸のような細いものでもいけそう。というか、細い糸を使ったほうが繊細なものができるかもね?


 これはいいんじゃないの? と一瞬にやけそうになりましたが、ここにも落とし穴が!

 図書館から入門書を借りてみたところ、ちょっとしたドイリーなど作るのにもボビンを 11ペア(つまり22本よ)とか使うみたいなんですよ? 多いのだと何十ペアとか書いてあるじゃないの。

 そんな沢山あやつらなきゃいけないのに、自作の竹串ボビンは厳しいんですけど。作るのもめんどくさい。しかし、いちいち買ってたらいくらかかるのよ。

 というわけで、案としては悪くないけど頓挫。



 ホントいろいろ厳しいですわ。もうね、糸を作るのだって道具を自作したり、別の用途のものを利用したり、いろいろアレな状態で、ここまで到達するのに数年かかってまして、かなり疲れました。

 弘法筆を選ばすとかいいますけどね、物事ってほとんど道具の良し悪しだと思うんですよ。ダメなもの使ってうまくやれるのって、弘法大師レベルだからできることなんじゃないの。

タグ:手芸