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花ひらく中国茶

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▲この塊が

▼こうなります。
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 まるで水中花のようですが、工芸茶とか康藝銘茶とか呼ばれる中国中国茶です。黄山毛峰という中国の緑茶を糸でくくるなどして作るそうです。それほど伝統のあるものではなく、1986年に、安徽省黄山の汪芳生さんという人が発明したものだとか。

 残念ながら味はイマイチなんですけど、ガラスの器のなかでこれが開いて行く様子はたまらないものがあります。

 いちおう動画も作ったんですが、ガラス越しに水中のものを撮影するのがけっこう難しくて、あんまり美しくなりませんでした。最初浮いてるお茶の玉が、水を吸うと開きながら沈んで行きます。

 これがきれいに撮れたら面白いんでしょうけどねえ。光の当て方とか、映り込みを防止する方法とか、課題は沢山ありそうです。


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 動画に使ったのはこの写真の左側のやつ(ミスティロンドン)なんですが、なぜかできあがったら右のヴィーナスみたいになってしまいました。原材料を見ると、金蓮花を胡蝶蘭の花びらで包んだものをお茶の玉に仕込んであるようなので、うまく剥けなかっただけかもしれません。

 写真のものは銀座の CROESUS という工芸茶の専門店で買いました。本店は大阪にあるらしいです。お店でお茶の試飲もさせてもらいました。

◎CUOESUS
http://www.mercure.jp/
 通販もあるみたい。

楽天だったら


タグ:お茶

パンダ色のインゲンマメを煮てみました

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▲先日、福島県の三春町で買ってきたこの豆。現地では「ささぎ」「パンダ豆」などと呼ばれていました。正確な品種名はよくわかりませんが、インゲンマメの一品種のようです。Yin-yang(陰陽)という品種に似てます。同じものかどうかはわかりません。

 これを煮てみました。煮方は(いろいろあるでしょうが)、

1. 鍋に豆を入れ、3倍くらいの熱湯を注ぎ、数時間放置する。
2. 豆が膨らんだのを確認したらそのまま火にかけ、沸騰させる。
3. ↑白い泡のようなアクが出てきたらザルにあけてお湯を捨てる。
4. 豆を鍋にもどし、2倍程度の水を加えてやわらかくなるまで弱火で煮る(あれば落とし蓋などしておくと良い)。加熱時間は1時間くらいかな。
5. 指で潰せるくらいになったらできあがり。

という感じでしょうか。

 うちでは圧力鍋を使っているので工程の3までやったら豆を圧力鍋に移し、2倍の水を注いで蓋をして火にかけ、シューシューと蒸気が出てきたところで火を弱めて、10分くらい加熱して火をとめ、圧力が抜けるまで待つ、という感じです。

 味をつけていないのでこのままサラダにしたり、煮物に加えたり、いろいろと使い回せます。

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 というわけでサラダにしてみました。茹でたら色が薄くなって、黒ではなく茶っぽい紫になってしまいました。でもやっぱり面白い色分けです。スープでも煮物でも良さそう。

タグ:食材

銀座のカフェーパウリスタでブラジル珈琲を飲むのが銀ブラのはじまり?

 一般に銀ぶらといえば銀座をぶらぶら散歩をすることですが、一説によれば銀座のパウリスタというカフェーでブラジル珈琲を喫することを学生たちが銀ブラと略したのが始まりともいわれているそうです。

 その、銀ブラ発祥のカフェーというのがここ。明治43年(1910年)創業の老舗カフェーパウリスタです。最初はコーヒー豆の輸入販売を目的とする会社だったそうですが、大正2年(1913年)には直営のカフェーを銀座、浅草、丸ノ内ほか全国に展開するようになったそうです。参考サイト>銀座カフェーパウリスタの歴史(公式サイト) #お店で配っている冊子には直営カフェーの開業は明治44年と書かれています。

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▲現在のカフェーパウリスタは銀座の長崎センタービルの一階にあります。大正・昭和の文豪や政治家、芸能人、海外から来たアーティストなど、多くの有名人がこの店で珈琲を飲んだそうですよ。

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▲カフェーパウリスタのマークはサンパウロ市の市章を模したと言われています。パウリスタはサンパウロっ子という意味だそうです。

 オリジナルはどんなのか調べてみたんですが、現在のサンパウロ市章には星も女王も使われていないのであまり似ていませんでした。どちらかっていうと今のブラジル国章に似てますね。

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▲パウリスタオールド(珈琲)とチェリークラフティーのセット。

 パウリスタオールドは創業当時の味を伝えるこの店の味だそうです。深煎りで苦みもコクも濃厚です。これは明治の人たちにとってはクラクラくるような刺激だったのでは。

 このめくるめく珈琲はケーキとの相性が最高です。ミルクは入れないほうが美味しいと思いました。


 実は、銀座に良く行くわりにこの店に入るのは初めてです。先日群馬に行った時、中之条の歴史と民俗の博物館で、女性向けの雑誌に関する特別展があって、少女のあこがれだった有名人も通った店としてこの店が紹介されていました。

 場所は銀座8丁目。このあたりはコインパークに車を置くと30分で700円とかかかるような一等地です。でも珈琲の値段は1杯500円程度で意外に庶民的です。店内も老舗の雰囲気はありますが、特別気取ったところもなくて居心地が良かったです。

◎銀座カフェーパウリスタ(公式)
http://www.paulista.co.jp/index.html

逓信総合博物館に行ってきました

逓信総合博物館
▲逓信総合博物館のビルです。郵便と電信電話の資料が展示されてます。丸の内の再開発でとうとう建て直しの順番が回って来ちゃったらしですよ。

 博物館は8月いっぱいで閉館して、郵便関係の博物館はスカイツリーに移転するそうです。電信電話関係は今後どうなるかわからないとのこと。

逓信総合博物館
▲博物館のビルは高さがあまりないですが、まわりの建て直されたビルは後ろに見えてるような超高層ビルばっかり。

 丸の内は皇居が丸見えになっちゃうので昔はあまり高いビルを建ててはいけなかったそうです。今は規制がなくなりました。

 土地を有効利用するには上にのびるしかないんでしょうが、なんとなく皇居のまわりくらいは規制をを残してよかったんじゃないのって思います。

 陛下を見下ろしたらダメとかいうんじゃなくて、日本の表玄関に青空を守るのが江戸っ子の心意気ってもんだぜ、って感じ。

 技術的にはなんだって出来ちゃうんだから、ここらでセーブして「やらないのがお洒落なんだぜ」みたいなことを言うとすっごくカッコイイような気がするんだけど、そういう余裕は日本にはもうないのかな。

逓信総合博物館
逓信総合博物館
▲博物館の看板。「ていぱーく」は逓信総合博物館の愛称です。いつごろついた愛称なんでしょうね。平仮名でやらわかくするのが流行った時代がありました。今はかえって漢字で書いたほうがカッコイイような気がする(笑)時代は変わるものなんです。人が思い描く未来の姿も変わって行くものなのよ。

逓信総合博物館
▲三角形に抜けた壁。この部分は最初からこうだったんでしょうか? 竣工記念の切手(たぶんイラスト)を見ると、柱が立ってるだけで三角形の構造物はないんですよ。耐震強度を増すために、どっかのタイミングで取り付けることにしたんだと思うんですが。

逓信総合博物館
逓信総合博物館
逓信総合博物館
▲博物館前にある、ザク的なものが上に乗ってる黄金のポスト。万国郵便連合加盟100年記念で作られたものだそうです。

逓信総合博物館
▲博物館がいったん閉館するので、記念の特別展をやっています。

逓信総合博物館
▲入ってみます。入館料は大人110円。高校生以下は50円(ただし土日祝日は無料)だそうです。安いなあ。

逓信総合博物館
▲3階から吹き抜けを見下ろして撮影。下で展示されてるのが「さよならていぱーく・大逓信資料列品展」です。郵便関係のもので、普段ほとんど展示されない珍しいものが展示されてます。たとえば江戸から長崎までの道のりを描いた巻き物とか、郵便物を積んだ船が世界一周する間に採集された動植物の標本とか… 郵便物に消印を押すための足踏み式の機械なんかもありました。外国から輸入してみたものの、試してみたら熟練した局員より遅かったので実際には使われなかったそうです。

 なお、この吹き抜けには宇宙っぽくて科学技術っぽい謎の巨大なオブジェが天井から下がってた時代があるそうです。ある時ふと考えたら「これすごい重量なんじゃないの、落ちてきたらやばくね?」ってな感じになって撤去されたとか。昔の最先端はわりとへぼいですからねー(笑)

逓信総合博物館
▲電話関係の資料。館内はだいたい撮影可のようです(ダメなところにはダメって書いてある)。

逓信総合博物館
▲さまざまなポスト。

逓信総合博物館
▲郵便関係の制服。「北朝鮮みたい」とか言いながら見てる人がいました。そういえばテイストが似てる(笑)ここにあるのは全部日本のでしたけどね。

逓信総合博物館
▲この日はたまたまバックヤードの見学ツアーがあったので参加しました。博物館は展示されている資料より、保管されてる資料のほうが多いんです。そういうものを管理してるのがバックヤード。

 バックヤードの撮影は禁じられてたので写真はありませんが、普段は職員以外入れない収蔵庫に入れてもらったりして、かなり楽しかったですよ。特別展の開設もついて1時間半くらいのツアーでした。
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◎逓信総合博物館ていぱーく公式
http://www.teipark.jp/

不確かな記憶を確かめるべく群馬県中之条町まで行っちゃった話

 先日、榛名湖に桜を見に行ったついでに中之条にも行ってきました。前にこの町で郷土資料館のような施設で、ある行事に供えるお飾りを見たのがずっと印象に残っていたからです。

 ところがどっこい、メモしてこなかったので何がどう印象に残ったかはしばらくしたら忘れちゃった。ただ「ある行事に特別なお飾りを供えること」「お飾りを売る市が正月の何日だか(日付固定で休日ではない)に開かれる」っていうのだけは覚えてて、いつか確認しにいこうと思ってたわけです。

 そういうわけでやってきました中之条。

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▲これが郷土資料館のような施設。もとは小学校だった建物で、長く町役場として使われてたのを昭和の五十年代に資料館にしたとのこと。

 つい数年前まで「中之条町歴史民俗資料館」だったのが、博物館に昇格して「中之条町歴史と民俗の博物館 ミュゼ 」になったそうです。

◎中之条町歴史と民族の博物館ミュゼ
http://www.town.nakanojo.gunma.jp/musee/

 受け付けでお姉さんに「博物館に"昇格"」という話を聞いてびっくりしました。こういうのって昇格とかあるんですか!

 もしこういうものに格があるんだとしたら、今まで昇格できてなかったのが謎すぎます。世の中には博物館と称する立派な箱物が沢山ありますが、行ってみると派手なだけで大した事なかったり、展示されてるものが全部よそのものばかりで地元の資料がほとんどなかったりで、ガッカリすることがけっこうあるわけです。

 その点、中之条の資料館はこれでもかっていうくらい地元のものを集めて展示してあるし、ものすごく見ごたえがあります。いつも時間がなくてさっさと見てしまうのですが、じっくり時間をかけて見たい場所ですよ。なんでここが長く資料館止まりだったのかさっぱりわかんない。

 それはともかく、「お飾り」ですよね。

 博物館に来る前にもネットでいくらか調べはしました。中之条だと安市と暮市、鳥追い祭りなどが有名で、それについてはあちこちに書いてあるんですが、どうもわたしが見たものと違うような。

 博物館の入り口にもおかめのお面がついてるお飾りが展示されているのですが、それも記憶にないです。なんか違う。

 見たらわかると思っていたけど、こうなってくると見てもわかんないかもしれないってちょっと不安になってましたが、展示をひととおり見ていたら、

「あー!!これだーーー!!!」

 というものを発見。それは「削りかけ」というものでした。木の枝をしゅるしゅるっと削りかけて作る飾りものなんです。アイヌがイナウと呼んでるやつとほとんど同じものです。

◎アイヌ民族博物館・アイヌの儀礼具
http://www.ainu-museum.or.jp/nyumon/gireigu/inaw.html
 このサイトにあるのは北海道アイヌのイナウです。こういうのを飾る風習が群馬県の中之条町にもあるというので「それは見たい、というかうちにも飾りたい」と思ったわけです。

 中之条町では小正月に削りかけを供えるそうです。削りかけを売るボク市は、1月11日に開かれるそうです。

 たぶん館内は撮影禁止なので(研究の為ならば許可をとってほしいと書いてあった)、掲載すべきじゃないとは思うのですが、遠慮がちに掲載します。中之条の削りかけはこんな感じです。関係者の方からの削除要請には従います。

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▲中之条の削りかけ。小正月のお飾り。

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▲削りかけを売るボク市について報じる古い新聞記事。

 削りかけにもいろいろあって、館内には菊の花みたいな削り花なども展示されてました。

 これでお飾りが削りかけであること、1月11日に開かれるボク市で売られることなどがわかりました。

 あとは、ボク市が何時ごろどこで開かれるのかわかれば買いに来られないこともないです。博物館を出る時に受け付けで質問してみたところ、

 なんと、去年くらいまでは二店舗ほど出ていたものの、今年はもう店を出す人がいなくなって市が立たなかった、というじゃないですか。

 えええええ!最初に見た時にもっと気をつけて覚えていたら、一回くらい買いに来られたかもしれないのに。遅かったか!

 でも、市が立たないってことは、みなさんどこで小正月の飾りを買うんでしょう。小正月にお飾りをすること自体がすたれたということ? 市が立たなくても、別のどこかでお飾り自体は売られていたりしないのかしら。

 そう思って、今度は観光協会のようなところがやっている施設で「このあたりに小正月のお飾りを売るボク市というものが立つと聞いたのですが」と聞いてみました。

 すると、そこのお姉さんはあっさり「はい、毎年1月11日にやってますよ。ただ規模がすごく小さくて、二店舗くらいしか出ないはずです」っていうんです。

 博物館では今年は出てないと行ってたので「今年も市は立ちましたか?」と聞いたら、どこそこの駐車場を借りてひっそりやってたはずだって言うんです。

 もうさっぱりわかりませんよ。いや、人の記憶はふわっとしたものですから、日記にでも書かないかぎり、先週が一昨日になったり、三年前なのに去年みたいな気になってたりするもんですから、こういう情報は普通のことです。

 しかし、この情報で見に来るのは厳しい。来れば市がたってるなら頑張って来ようと思うんですが(しかし11日は厳しいなあ。10日ならギリギリで青春18きっぷが使えるのに!)、やってるかどうかもわからないものだと思うと重い腰があがらない。

 ああ、もう、わたしのバカバカバカ。最初に気づいた時にきちんとメモするんだった。規模が小さくても出てたんなら中之条の削りかけを買えたかもしれないのに。

 で、結局、どうなんでしょう。

 中之条のボク市は今も開かれるんでしょうか?

おまけ:マンホール

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 中之条町の花はヤマユリ、鳥はウグイスだそうです。マンホールの図案もそれにちなんでいるのでしょうか。花のほうはいいとして、鳥は謎ですね。くちばしの付け根から腹にかけてのラインがあまりウグイスっぽくないような気もします。

タグ:群馬 マンホール