記事一覧

畑のお肉(という名前の大豆の加工品)

ファイル 1505-1.jpg
ファイル 1505-2.jpg
 つかいかけの写真なのであまりきれいじゃないですが、畑のお肉という商品名の大豆製品です。たしか行きつけのスーパー(東京都内)で購入したもので、うろ覚えですが300g入って400円くらいだったと思います。加工者:信州物産(長野県長野市篠ノ井)

 写真のものはひき肉タイプですが、姉妹品に薄切り肉みたいな形のものもあるらしいです。高速のサービスエリアで何回か見た事があります。

 袋には「水またはぬるま湯でもどしてお使いください。唐揚、ハンバーグ、煮物、等、いろいろな料理にお使いください」と書いてあるんですが、本物の肉のように粘ったりはしないので、肉の代わりだと思うとややウンザリする代物でした。

 ただ、こういうのも使い方次第だと思います。
ファイル 1505-3.jpg
▲畑のお肉のそぼろスープ

 和風の出汁にブロッコリーなどの野菜と畑のお肉を入れて加熱、やわらかくなったら味付けして、片栗粉でとろみをつければできあがり。スープに入れる場合はもどさずにそのまま入れても大丈夫だし、ひき肉を使うより手軽で便利でした。食感も悪くないです。


 ほかに、フードプロセッサーで軽く粉にして粉豆腐(この記事をご参照ください)のように野菜と炒め煮にしてよく食べました。

 粉豆腐だとオカラみたいな感じになるんですけど、畑のお肉を粗めの粉にしたやつだといい具合のそぼろ感が出てまたちょっと雰囲気が変わります。ぱっと見はこんな感じ↓です。この写真は粉豆腐ですけど。
ファイル 1505-4.jpg
 この場合も事前に戻す必要はなくて、野菜を炒めたあとに粉にした畑のお肉を加え、調味料とだし汁を足して水気を吸わせて、炒り煮にしながら水を飛ばせばできあがり。ひき肉やオカラを使うより手軽でした。

 フードプロセッサーがないなら粉にせずそのまま使ってもいいかもしれません。炒り煮にする時、汁気を多めにしたらたぶん大丈夫。


 使い方がわかると重宝するのでまた買いたいんですが、なかなか普通のお店には出回らないですね。


楽天市場だと似たような商品がいくつかあるみたいですが、ラベルからしてこれが同じメーカーのやつみたい。値段はこんなもんかなと思うんですが、残念なことに送料がかかっちゃうんですよねー。

タグ:食材

辛味大根をあえてすり下ろさずに漬け物にする

ファイル 1504-1.jpg
 年末に皮の赤い大根をみつけました。千葉県八街産だそうです。赤いというか、赤紫ですね。

ファイル 1504-2.jpg
 大きさはこんな感じ。1個139円でした。「すごーく辛い!でも美味しい大根です」とラベルに書いてありました。

ファイル 1504-3.jpg
 切ってみると、赤いのは皮だけです。ひとかけ食べてみると、たしかに強烈な辛さです。

 皮をむいてすり下ろして使うのでしょうけど、せっかく皮が赤いので甘酢につけちゃうことにしました。

ファイル 1504-4.jpg
 これが完成品です。皮ごと銀杏切りにして、塩をふって一晩おいたものを、ざっと洗ってよく水を切り、リンゴ酢とみりん(うちでは煮切らずに混ぜるだけで使ってます)に漬けるだけ。全体が赤くなったころが食べごろです。厚めに切ると漬かるのに時間がかかります。早く食べたいならスライサーで薄く切るといいですよ。

 皮の赤い大根は酢で漬けると全体が赤く染まります。もとは赤紫なのに、酢に反応して鮮やかな赤になるのも楽しいです。

# 辛さは漬けたらやわらいで、あまり残りませんでした。

タグ:食材

粉豆腐ってなんだ?

 みなさん、豆腐は粉になると思いますか?
 やわらかくて、ほとんどが水分みたいな、あの豆腐が粉になるところを想像できるでしょうか?

 普通はできませんね。

 ところが、長野へ行くと、そこいらのスーパーに「粉豆腐」というものがあるのでビックリです。

 下の写真が伊那市のスーパーで購入した粉豆腐です。

ファイル 1503-1.jpg

 えーと、今なーんだっていう声が聞こえたような気がします。そうなんですよね。見ちゃうとなーんだって感じなんです。

 粉豆腐は高野豆腐(凍り豆腐)を粉にしたものなんです。メーカーも高野豆腐で有名な旭松です。

 どうやって食べるかっていうと、こんな感じ。
ファイル 1503-2.jpg
 おからにしか見えないでしょうが粉豆腐です。余った野菜などを炒めて出汁と調味料で味付けしたところへ粉豆腐を入れて、炒り煮にして水分を飛ばせばできあがり。

 この粉豆腐、関東では見かけないので、今では高野豆腐を下ろし金で粉にして使っています。おからと違って食べる分だけ調理できてとても便利です。

 長野を旅行するまで高野豆腐にこんな使い方があるなんて思いもしませんでした。日本はまだまだ広い、っていうか長野県おもしろすぎるんですけど。


おまけ:コレステロールを下げねばならぬのです

 コレステロールを下げたいなどと書くと、普段からよほど暴食してるんじゃないかと思われそうですが、そうでもないと思うのです。たしかに美味しいものは好きですが、おやつを食べるわけでなし、甘い飲み物を常飲しているわけでなし。

 子供の頃から正常の範囲内で高めだったので、ある程度までは体質だと思います。大人になって病気で卵巣を取ったりして、ホルモンバランス的にコレステロールが上がりやすくなっているかもしれませんが、どのタイミングで検査しても正常値を超えるなんてことはありませんでした。

 ところが、これまた子供の頃からの持病っぽい甲状腺機能亢進症が再発して、その治療で薬を飲み始めたら正常値を超えてしまいました。

 甲状腺機能は、亢進してる間は代謝が高まるのでコレステロールが下がるのです。それを薬でむりやり正常値で安定させているので、コレステロールは上がって当然です。

 問題は、正常の範囲よりも上がっちゃっている件です。素人考えでは、甲状腺の薬の効き目が出始めて二、三カ月しかたっていないので、コレステロール値が不安定なだけじゃないのかと思うのですが、医者に下げたほうがいいと言われてしまいました。

 食べる量を減らすとイライラしてつまらなくなるだけなので「おいしい野菜を沢山たべる」「魚や豆類のすばらしさを攻略する」「お麩最高、お麩マンセー(注:お麩は野菜タンパクです)」と食欲を別の方向にふることで、肉を食ってる暇なんかないぜ、という錯覚に自らを陥らせる戦法に出ているわけです。

 ベジタリアンではないので肉も食べてますが、以前にくらべるとぐっと量が減りました。ストレスになるかと思っていましたけど、想像するほどでもなかったです。

 そうして節制を続け、今日は今年最初の血液検査だと意気込んで医者に行ったら、
「今日は検査なし。正月は普段の生活を反映しないから、今検査すると不利だよ。次回やってコレステロールが高かったら下げる薬出すからね」
だそうです。

 ええええ、年末に採血した時は「一月に検査して高かったら薬」って言ってたのに、もしやあれは、そう言わないと正月に油断するからという策略だったのか……

 というわけで、なんとなく悔しいので記事にしてみました。ま、コレステロールを下げる薬が嫌なんじゃないので別に飲むのは構わないんですけどね。

タグ:食材 長野

結局、十駄とかってどのくらいなのよ(結論出ず、メモのみ)

 新年そうそう小難しい話で申し訳ないんですが、先日から解読を続けている『養蚕重宝記(重寶記)』について。「駄」「把」「斗」などの単位が出てきます。

 特に気になるのが「桑十駄」とかの、餌の量についての記述です。「駄」は薪や草などを馬一頭に背負わせるくらいの分量らしいのですが。養蚕重宝記には一駄は五尺縄で六把であると書かれています。

 種壹枚と申は目方十八・九匁より廿匁なり。まづ下種のかひ方、種壹枚はき桑十駄也(但し壹駄と申は五尺なわ六把也)。是をあたへまゆ八斗程取(但京ます也)。

http://www.chinjuh.mydns.jp/koten/tyohoki1.htm
↑ここの、行番号でいうと 三丁表:079 あたり。読みやすいように句読点を入れました。

 種はお蚕の卵のことです。一枚(壹枚)と数えているのは、卵を紙に産み付けさせて保管するからです。目方十八・九匁と言ってるのは紙ごと計った場合だと思いますのでここでは無視します。



http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1499
 この記事のコメント欄で、十駄の桑というのがどのくらいの分量か思い浮かべようと必死で計算したんですが、いろいろ間違ってて我ながらひどいことになってしまいました。正直言うとなかったことにしたいくらいなんですが、一度書いたものは極力消さないことにしているので計算をやりなおすことにしました。


 まず、八斗が繭何個分か調べようと思います。

 養蚕重宝記には京桝で計って八斗だと書いてあるので、京桝を自作することにしました。

 江戸時代の京桝がどのくらいのサイズだったかよくわかんないので、ここでは太閤検地時代の三寸x三寸x二寸五分を採用します。計るのが液体じゃないので多少大ざっぱでも大丈夫……たぶん…うーん。
ファイル 1502-1.jpg
 これがボール紙で自作した京桝です。大きさ感が出るように文庫本を入れてみました。岩波文庫の日本書紀 4冊分でした。

ファイル 1502-2.jpg
 そしてこっちが繭を入れてみたところ。去年やったぐんま黄金の繭なのですが、京枡に200個入りました。

 一斗=十升ですから一斗分なら2000個。繭を一斗缶(但京枡也))に詰めると四蛾〜五蛾分入りそうですね。コメント欄では三蛾とかフザケタこと書いてしまいましたが完全に読みが甘うございました。

 それが八斗ですから、1万6千個になります。「種一枚はき一万六千個取」ってな感じです。

 この数字が合ってるかどうかを確認する手段として、蚕種紙にも注目します。

http://www.okaya-museum.jp/exhibit/details/index.html
ここに岡谷の蚕糸博物館の展示物が紹介されているのですが、右上の蚕種紙は七段五列の三十五蛾分うみつけられるようになってます(ほかの二点は三十蛾バージョンのようです)。

 1万6千個を 35で割ってみると約 450個。つまり、この計算でいくと、一頭の蚕が 450個くらいの繭を生産することになります。

 さらに「下種」だと書いてあるので、生まれた卵のすべてが育ってないでしょう。病気になったりして途中で死ぬのを -50 くらいしたとして、一頭の蚕が 500個くらいの卵を産んでる計算でしょうか。

 まあ、ここまではだいたい想定の範囲内です。ひとまずこの数字を採用したいと思います。種一枚で三十五蛾分、1万6千頭のお蚕が誕生して繭を作ります。

 で、1万6千頭のお蚕が食べる「十駄」の桑っていうのがどのくらいの分量かが問題なんですよね。

 種一枚につき桑十駄、つまり三十五蛾が桑十駄を食べるわけですから、駄で計算すると小数点以下がめんどくさいので一駄=六把で六十把で計算します。

 60把 ÷ 35蛾 ≒ 1.7把 です。極めておおざっぱに計算して一蛾(種450個くらい)が二把分の桑を食べて育つ言ってるんですよね。

 う?

 ええと、一把は五尺縄でくくった桑の量だったはず。五尺って 30cm x 5 = 150cm くらいですよね。一重巻きにしたとして、人が両手でかかえるくらい?二把だからその二倍?

 んー、んー、んー、わからない。わからないよ。

 どうも桑の量が頭に思い浮かばない。一蛾の蚕を育てるのに枝ごとくくって二把分じゃ少ないような気がするんだけれどどうなの?それとも枝ごとくくるだろうというのが思い込み??

 ごめん、やっぱわかんないや。
 わかんないけどせっかく書いたから公開しときます。バカでごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい……うっ、うっ……

現代の資料、そして巳年なので蛇足

 現代の資料では、1頭の蚕が一生のうちに食べる餌の量というのは 100g くらいなんですと。一蛾(450頭と換算)分なら 45000g = 45kg ってところです。

 しかしそれは、あくまで可食部分である葉っぱのみ計って 45kg であって、食べ残す枝の分は含まれてないと思うんです。

 45kg の葉を取るために枝ごと刈り取ってきたら、何把くらいになるでしょう。二把じゃ足りなくない? という話。

 やっぱり枝ごと刈り取ってくるのは思い込みなのかなあ。しかし葉っぱだけ取るなら一袋とかになって、五尺縄でくくったりできないですよね。

 あるいは、十駄というのが蚕の一生分ではなく、最終齢時の一日分とかっていう可能性もありますけど…


 あああ、普通の人にはどんどん意味不明の計算になっている。

 うわーん、ごめんなさいごめんなさい。

タグ: カイコ 古文書解読

コメント一覧

Sari (01/07 00:40) 編集・削除

一駄=1頭の馬が運べる重量は約150kgだそうですから、
十駄だと1,500kg=1,500,000g お蚕様1,600頭(?)で割ると
1頭あたり約93g

・・・・という計算ではダメですかね(^^;)

珍獣ららむ〜 (01/07 09:08) 編集・削除

こんにちは。
93kgといっても何を93kg運ぶかで量というか体積がかわりませんか?
知りたいのは桑をどういう形状で運ぶのが一駄なのかってことなんです。

[補足]
桑は、葉を摘み取る方法と、枝ごと切る方法があります。
枝ごと切って縄でくくった状態が一把だとすると、
重さには枝の分まで入っていますが、
実際にお蚕が食べるのは葉だけですよね。

雨安居 Eメール (03/09 12:08) 編集・削除

真木1駄の量を調べていて、このページにたどり着きました。
この場合の駄というのは、重さではなく、量を言っているのではないでしょうか。つまり桑の木から葉のついた枝を伐りとって、5尺の長さの縄で結わえる。それを六つで1駄。1頭の馬が一度に運べる量。3把づつ馬の背に振り分ける。桑の枝は重くないからこれ以上運べると思いますが、馬のあゆみを考えると6把が限度かも。真木の場合はまた違うのでしょうが。
種紙一枚の蚕を育てるのに、10駄分の桑が必要で、一枚の種紙の蚕から繭が8斗とれる、と史料は言っている。
このように理解しましたが、どうでしょう。
gabotyan

雨安居 Eメール (03/09 12:10) 編集・削除

真木1駄の量を調べていて、このページにたどり着きました。
この場合の駄というのは、重さではなく、量を言っているのではないでしょうか。つまり桑の木から葉のついた枝を伐りとって、5尺の長さの縄で結わえる。それを六つで1駄。1頭の馬が一度に運べる量。3把づつ馬の背に振り分ける。桑の枝は重くないからこれ以上運べると思いますが、馬が進むことも考えると6把が限度かも知れない。
種紙一枚の蚕を育てるのに、10駄分の桑が必要で、この蚕から繭が8斗とれる、と史料は言っている。
このように理解しましたが、どうでしょう。
gabotyan

珍獣ららむ〜 (03/09 13:50) 編集・削除

雨安居さん、こんにちは!
意味不明な計算を解読してくださってありがとうございます。
おっしゃる通り、重さではなく量のような気がします。

わたしは枝ごとくくって10駄で足りるだろうか、と考えていたのですが、
葉っぱだけ袋に詰めて運んでた可能性もあるので、きっと足りるんだと思います。
馬の背に3把ずつふりわけて6把という計算は、現実的でイメージしやすいですね。
ありがとうございます!

gabotyan

長野で買った鞍掛豆(くらかけまめ)

 みなさん明けましておめでとうございます。新年ですが何事もなかったかのようにブログを更新したいと思います。

 何事もなかったかのようにとか言いながらお節料理の話題なんですけどね。年末に天気が悪かったりして気分がさっぱり盛り上がらず、出来合いのものを重箱に詰めることにしたんです。

 黒豆は煮るだけだから自作しようと思ったら、たまたま買い物しにいったスーパーでは調理前の黒豆が売り切れてて買ませんでした。あらまあ。

 そもそも豆は「マメに(健康で)暮らせますように」「マメ(実直に)に働けますように」という縁起担ぎ。黒くなくてもいいだろうってことで、買い置きの鞍掛豆(くらかけまめ)を煮ることにしました。

ファイル 1501-1.jpg
 これが鞍掛豆です(茹でてあります)。黒い模様が馬の背にかけた鞍みたいだから鞍掛けでしょうか。長野県内の飯田市〜伊那市〜大鹿村あたりを旅行中にみつけて購入したものです。

 関東では見慣れない豆ですが長野方面では昔から作られていたそうです。植物学的な分類でいうと大豆の一品種にあたるみたいですね。

 調理方法は簡単。たっぷりの水に一晩つけて、20分くらい茹でたあとに味をつけて(例えば塩・みりん・酒など)、一煮立ちさせたら火をとめて、冷めるまで鍋のまま放置するだけ。うちでは圧力釜を使って加熱 5分で済ませてます。

 黒豆みたいにほっくり煮えるものじゃなく、野菜みたいな食感です。かすかに海苔みたいな香りがするのも面白いんですよ。

 秋に京都へ行っちゃったので、青春18きっぷも買わなかったし、今年の正月はこれをパクパク食べながら出来合いのお節つついて過ごしますよ。

 2013年もよろしくお願いいたします。
 

タグ:食材 長野