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井筒のリーフレットは『花洛名勝図会』だった

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 八ッ橋で有名な京都の井筒で買い物をすると、こんなリーフレットをくれることがあります。表紙が古文書なので読んでみました。

ファイル 1500-2.jpg
 右上の文字の部分を拡大。

祇園町北側
井筒の茶店

    佐竹
     勝義

いろいろの
 花染ころも
  きてそ
    ゆく
春は
 ひかしの
   都大路
      を

…って感じでしょうか。

ファイル 1500-3.jpg
 左上の文字です。

井の
 そばかし
   打水
 清し夕
  すずみ

   祇園
    米菓

ですかね。そばかし=蕎麦菓子。

 井筒は蕎麦ぼうろというお菓子を江戸時代から作ってたらしいです。米菓と書いてあるのは八ッ橋か、八ッ橋のもとになった米粉の煎餅のことでしょうか。

 ちなみにこの古文書は『花洛名勝図会』でした。れいによって早稲田大学のデータベースをさがしたらありました。
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko30/bunko30_e0217/
↑ここの「1」をクリック→「37」をクリックで解像度の高い画像を見られます。

ファイル 1500-4.jpg
 ちなみにこれはお店の看板(たぶん中に灯を入れる行灯看板)ですが、ちゃんと井筒って書いてあります。左面は仮名で「ゐづゝ(為徒゛ゝ)」ですね。

# 写真みなおしたら「これは」って言うほど拡大されてなかったですね。行灯看板は◇紋のついてるのれんの右で、軒下についてます。

タグ:古文書解読

養蚕重宝記をまとめました

http://www.chinjuh.mydns.jp/koten/tyohoki1.htm
ブログで勝手にもりあがっていた『養蚕重宝記』を
ページにして公開しました。
行番号つけたので間違いの指摘などに使ってください。

行番号と註解がうざいと思うので
(特に註解は大まじめにごっこ遊びしてるだけだからねー)
本文だけでいいんだよっていう人は
http://www.chinjuh.mydns.jp/koten/tyohoki2.htm
こっちをどうぞ。

間違いの指摘やら、
その他もろもろはこの記事のコメント欄を使ってください。

現在まったく読めない文字

 あやしげな部分は沢山あるのですが、予想もつかない、まったく読めない、というのは以下のA〜Hです。

ファイル 1499-1.png
▲一丁表:008:其手たで[A]にして…

ファイル 1499-2.png
▲一丁表:009:家内安全にしてしづめはく事秘傳也[常][B]
 次の行に「五常の道を専ら貴き道一つ欠くる時は」みたいな説教くさいフレーズが続いてます(まあ、そこすら解読があやしいわけですが)。

ファイル 1499-3.png
▲三丁表:080:…但し壹駄と申は[C][D]なわ六把也
 一駄=六把であることは間違いないんですが、ナントカ縄で六把だって書いてあるみたいなんですよね。ナントカ(CD)の部分が読めないです。CDで二文字かどうかも不明です。

ファイル 1499-4.png
▲十八丁表:253:右記書[EFG]多年心かけ…

ファイル 1499-5.png
▲十八丁裏:263:多年也是によつて諸國諸人の為に紀む[Hゝ]此

タグ:古文書解読

コメント一覧

Sari (12/28 01:14) 編集・削除

Cは、五ですかね・・・

珍獣ららむ〜 (12/28 09:05) 編集・削除

Sariさんありがとうございます。
Cが五に見えるのは激しく同意です。

でも、「五」ではじまって「なわ」で終わる言葉を思いつかないんですよね。
それで別の読み方があるのかなあと。
「荒なわ」とか「麻あさ」とか「藁なわ」とか…
いや、縄の材質はあんまり関係なさそうかも。
その縄でくくることで量を定義するんだから
長さに関する言葉ですかね。よけいわからない><

珍獣ららむ〜 (12/28 13:07) 編集・削除

Bはどうやら「躰」のようです。
「鉢」に似てると思い
旁が「本」になる字を思い浮かべていって
「常躰」という言葉をみつけました。

それだけじゃ意味がわかんないので
「常体 五常」で検索してみたら、
江戸時代に活躍した常盤潭北の『百姓分量記』に
「所謂天の道とは、仁義礼智信の五常也。五常といふ名を聞ては夥しく思はれ、聖人,賢人のみ務、常体の者は及ぬ事のやうに心得らる、方も多らんが、左様にてはなし」
という言葉があるそうなんですよ。

どうも『養蚕重宝記』の序文は潭北の言葉を受けて
「常躰(普通)の百姓であっても五常の道を守らなければならない。専ら貴き道が一つでも欠けたら(蚕のあたりは)あやういであろう」と言ってるっぽいです。

一円 (12/28 22:31) 編集・削除

 昨夜に引き続き参上。
 1番は「疎」。おろそか、でしょう。

 一つ飛ばして、3番目。これは読みが判って面白かったです。そうなんだ。ちゃんと縄の長さには決まりがあって、それで六把を作るというわけか。ふむ。
「壹駄と申は『五尺』なわ六把也」。
 そういえば今年だったか、図書館からもらってきたストーブの本を読んでいます。これの中に「薪一荷(確か荷という単位だったと思う)」という言葉が出てきます。1間(けん)だか半間の平地に棒を打ち込んで、その間に所定の長さの薪を所定の高さまで積む。これを一荷と呼び、燃料業者の通常の取り扱い単位となっていた。
 ところが時代が下るに連れてこれの高さが徐々に減じて、更には業者の中には積み方も雑で隙間がやたらに多いといった者もいた。ということで、この単位はやがて廃れたようです(昭和の話です)。
 さて、その本にも或いは一駄の定義が載っていたかも。

 続きはまたあるかもということで、今回ここまで。

珍獣ららむ〜 (12/29 07:12) 編集・削除

一円さん、すばらしい!!!
疎、確かにそうです。
缺とか難しい文字まであたったのに、疎を思いつかないなんて、くやしい(笑)

尺もビンゴですね。
長さまで思いついててなんで尺に至らなかったのやら。
五がほとんどくずれてないのに尺がなぐり書きなのが罠でした。

一荷の話も面白いです。
そんなことが昭和にまだ残ってたんですね。
薪だといちいち目方をあらためるより「この場所にいっぱいにしてくれ」とかのほうが
双方わかりやすかったんでしょうね。
(そしてごまかしもおこりやすいw)

そういえば野菜は今でも一袋や一把いくらですね。
そもそも時価なので袋や把の量もまちまちで、単位としては機能してませんけど。


というわけで、ありがとうございます。
さっそく直します!

一円 (12/29 11:47) 編集・削除

 ららむ~さんがEFとしているのは、これで一文字の「予」なんですが、次のアラビア数字の3みたいのが判りません。かなの、ら、とか、ろ、にも読めなくはないです。が、これに限らず江戸時代の本は大抵送り仮名は付けませんよね。
 とするとなんらかの漢字ですが、さて?

 Hの左側は弓偏よりも複雑なので「残」の偏(おおがつ、と言ったかな?)にも見えます。でも右側はさっぱりです。書き下しの文章の前後からは「ゆくゆく」とか「なおなお」とか、そのような畳語の決まり言葉に違いないのだけど、確定するにはかなり悩まないと駄目そうですね。
 > # 263:紀む=おさむ
へえ、そういう訓があるのか。
 さっと見て、「しるさむ」と読んでいました。「古事記」、「日本書紀」の二書を記紀と言いますが、この文字は共に「しるす」の意味。それからの連想です。 

 話戻って、五尺の件。これもまだ解釈の余地があって困りますね。
 両腕を広げて(一尋)輪にしたくらいですが、これを束にしたら、持ち上がりませんよ(笑)。もちろん結び目として五分なりを引くとしても、相当な大きさです。
 となると、縄を二重にしたとか、もしかしたら三重にしたとかになるでしょう。常識的なところでは二重ですが、こういうものの縛り方にも規範が確実に存在していたと思われます。
 実は初め自分は、五尺の縄を六つに切って縛る、これで一駄、なんて思っていました(←んなわけが無い)。あとから考えると爆笑ものです。
 昔はごく当然のことだったのが、いつの間にかどんどんと失われて、訳が判らなくなる。少し常民の暮らしの本でも読む方がいいかもしれません。

珍獣ららむ〜 (12/29 18:19) 編集・削除

 またまた興味深いご指摘ありがとうございます!

 「紀む=おさむ」は、くずし字解読辞典に載ってたので送り仮名から考えてそれだろうってことにしました。でも「しるさむ」でも良さそうですね。註に加えときます。

 「五尺なわ」は、150cmくらいでしょうか。案外そんなもんじゃないのかと思うんです。薪と違って葉をつけた状態の枝をくくるのでスカスカでしょうし。さすがに二重に巻くとは思いますが。

http://f.hatena.ne.jp/chinjuh/20121113084506
↑これは、去年やったお蚕(一蛾分なので四百頭くらい)のためにとってきた桑です。45Lのゴミ袋にゆるく詰めた状態で、一駄には少ないけど、半駄くらいあるかしらって思うんですよね。五齢蚕一蛾分で、このゴミ袋いっぱいの桑を朝夕とりに行ってもまだ足りないくらいでした。

 お蚕が爆発的に餌を食べるのは、四齢の終わりから五齢までなので、せいぜい十日です。一日に一駄ずつ食べるとして、十日分だと十駄ですね。

 あれ??

 「種一枚はき桑十駄」と書いてあるので、種一枚は一蛾分かもしれませんね。どちらかっていうと「種一枚」の説明が怪しくなってきました。江戸時代の蚕種紙は一蛾で一枚だったのかも??

 これも註を追加しときます。次にお蚕をやる時は「駄」の単位を思い浮かべながら餌とりますよ。


# 訂正:五尺縄でくくるのは駄ではなく把でしょうね。となると、このコメントで「半駄」だの「一駄」だの言ってるのは、「半把」「一把」のまちがいです。お蚕一蛾分を育てるには、十把くらい(二駄弱くらい)の桑が必要かな、という話でした。

…たぶん。だんだん頭がこんがらがってきましたー!

珍獣ららむ〜 (12/29 18:48) 編集・削除

>EFとしているのは、これで一文字の「予」なんですが、

 そういえば普通に「予」に見えますね。
 それを言われてかえって別のことを思い出したんですが、可をマみたいにくずしますね。

 二文字目(F)は申をくずすとこうなります。
「可申」と来たら三文字目(G)は「候」なんじゃあるまいか。
http://clioz39.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/ZClient/W34/z_list.php?title=%E5%80%99&resourcetype=0
 こことか見ると3みたいにくずしてる例がなくもないです。

 でも、右記書可申候…と続けて読むと何が言いたいんだかさっぱりわかりませんね。うーん…

珍獣ららむ〜 (12/29 19:15) 編集・削除

 いや、でも「可申候(まおすべくさうらふ)」は直前の言葉を丁寧にするだけなので、「右記書可申候」で「右のように書を記しました」になって、超要約すると「えっと後書きです by 新井素子」みたいな感じなのかな。

一円 (12/29 20:50) 編集・削除

 自説に固執するわけじゃないんですが、ほかの部分を見ると送り仮名が付いているところもありますね。とすると、これは「予て」、かねてと読む方が文章としても通じるのではないでしょうか。
 「て」の元の字は天です。草書体はこちら。
http://clioz39.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/ZClient/W34/z_list.php?title=%E5%A4%A9&resourcetype=0
似ているのもあります。

珍獣ららむ〜 (12/30 06:25) 編集・削除

 まず駄について自分の考えに間違いがあったので訂正。

 五尺縄は一駄ではなく一把のほうですよね。となると、一駄はけっこうな量になります。辞書によれば馬一頭で運ぶのが一駄だそうですから、すごい量になるのはいい。

 間違っていたのは種一枚分の桑の量十駄の考察です。わたしが計算してたのはお蚕400頭分で十"把"だろう、ということなので、一駄(=六把)だと2400頭分くらい。

 一頭が何個の卵を産むかは品種にもよるし、その卵の孵化率は親蚕の健康状態や卵の管理法によって変わるから、下種の説明であることを考慮して、一蛾200個と換算すれば十二蛾分くらいか。

 十二蛾分の蚕で蚕種紙一枚というのは、ちょっと半端な分量ですね。種から計算するのはやめにして、繭の出来高から計算してみます。
=======

 ここから繭の計算。

 繭が六斗(京桝で)と書かれているので……うーん一斗缶に繭を詰めたことがないけど、一蛾400個換算で二蛾分、いや三蛾分1200個くらいかしら。それが六斗だから 1200個 x 6 = 7200個 くらい?

ttp://www.okaya-museum.jp/exhibit/details/index.html
 ここに宝暦・文久の頃の蚕蛾紙があるんだけれど、一枚につき三十蛾のと三十五蛾のがあって悩ましいですね。ここは三十蛾のだと仮定して、7200 ÷ 30 = 240 ですか。一蛾分の種から繭が 240個なら、下種としてはこんなもんかな。
======
 最初にたちかえって、

 種一枚(三十蛾と仮定)で十駄(六十把)の桑が必要だと言ってるから、一蛾育てるのに二把必要ということ。

 おっと、これは一把がすごい量になりますぞ。五尺縄二重巻きどころか一重巻き計算かもしれない(笑)



 というわけで、計算をとっちらかした揚げ句のはてに結局よくわかりませんでした。

 そもそも、当時どんなやり方で桑をとってたかわかりませんからね。今みたいに枝ごと切ってたんじゃないのかもしれないしね。

=============
2013年1月1日追記
まだ間違ってた。
・養蚕重宝記には下種の種一枚から八斗の繭って書いてある。六斗じゃなかった。
・さらに一斗缶に繭を詰めると三蛾分くらいっていうのも読みが甘かった。
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1502
 こっちで京桝を自作して計算しなおしたけど、やっぱりピンとくる数字にならなかった上に、誰も解読できないような記事になってしまいました。

 書いてるわたしが知恵熱出そうです。雑煮食って寺巡りでもしてきます。

珍獣ららむ〜 (12/30 06:48) 編集・削除

>「予て」、かねてと読む方が文章としても通じる

 わたしの可申候は思いつきで、なんの自信もないことなので、予てのほうが通じると言われると、確かにそんな気もします。

 ひとつ気になることと言えば、わざわざ横ちょに小さく書いてあることでしょうか。「予て」をなんでそんなふうに書いたんでしょうね。

 書きわすれて後から書いたんなら、右記書と多年の間がもっと詰まってても良さそうですが、少し間があるので「予て」を小さく書いてから「多年」を書き始めてる感じがしますよね。

 あと「予て」だとして、「て」はもしかしたら「而」なのかなと、これはまったく根拠ないのでおっしゃる通り「天」かもしれないですけど。

これおいしい!紅まどんな/小原紅みかん

 今年気に入ったみかんを二種類紹介します。

紅まどんな(媛まどんな)

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 これは昔、人力検索で「すごく美味しい、このラベルでわかったらどこで買えるかおしえて!」って言われて探したものです。その時点では時期が終わってたんですが、半年くらい待って注文しました。

 一見するとただのミカンなんですが、これが一味も二味もちがうのでびっくり。

 まず、皮を剥いてるあいだの香りが素敵。普通のミカンよりスパイシーというか、やや苦み走った芳香がふわーっと。夏みかんにも似ているけれど、それよりはずっと甘い香りで、そこにピリッと来るのがいい感じ。

 そして食べてみると果肉が豊かでぷるんぷるんです。ミカンでこの食感はすごい。それに甘いんです。甘くてほんの少しだけ夏みかんみたいな苦味と香りがアクセントになっていて、とにかく一言で言って「こんなのはじめて!」という感じでした。

 種明かしをすると普通のミカンじゃなくて、二代くらい前にオレンジやマンダリン(スペインのミカン)が入っている交配種なんだそうです。なるほど、この香りと苦味のアクセントはオレンジ由来だったのかと妙に納得です。

 ただ、皮が剥きづらいのが難ですね。オレンジのように分厚くはなくて、むしろ皮がとても薄くて身にぴったり貼り付いてます。手で簡単にむけますが、普通のミカンのようにきれいには剥けません。そこだけが欠点かな。

紅まどんな(訳あり)2kg【送料無料】

↑わたしはここで注文しました。品種的に12月の一時期にしか出ないそうですから、もうすぐ売り切れるかもしれません。2kgで2480円 税込・送料込 です。個数でいうと10〜15個くらいみたいです。

 訳あり品なので形が不ぞろいで傷があったりします。最初にはった写真にも皮がやぶれてるのがありますが、そういうのがいくつか入ってます。届いたら一度全部出してみたほうがいいです。うちでは潰れてるのもダメなところを削って食べました。

 あと、熟れ方もちょっと不ぞろいで、若いのは酸味があり、熟してるのは酸味が消えてオレンジのようなスパイシーな香りが強かったです。こういう不ぞろいなのは等級的には低いんでしょうが、かえって面白かったです。

 ツイートで和歌山県産とか書いたような気がするけど正しくは愛媛県産でした。

小原紅早生みかん(金時みかん)

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 これは近所のスーパー(具体的に言うと水元のライフ)で買いました。8個くらい入って489円とか、そんな値段だったと思います。うろ覚えですみません。紅まどんなほどじゃないけど高級品です。

 お店でこれを見た時は「なにこの皮の赤いミカンは」と思って立ち止まり、ラベルに小原早生みかん」って書いてあるので心の中で「見たまんまだ」と爆笑。そのまま買い物カゴへ(笑)

 帰宅してさっそく食べてみると、その甘さにびっくりですね。いやこれは甘い、美味しい!

 どういうものか検索してみると、香川県の宮川早生という温州みかんが突然変異で皮の赤い実をつけたのをもとにして、20年かけて作り出したものだそうです。へーへーへー。

 普通の色のミカンと並べて写真とったらよかったんですけど、あんまり美味しいのであっという間に食べちゃいました。


【1箱から送料無料】奇跡の濃厚、紅色みかん★小原紅みかん★ご家庭用・訳あり・3箱買うと2箱お...

 わたしは近所のスーパーで買いましたが通販だったらこことか面白いかな。訳あり品だけど3箱買うと2箱おまけがつくそうです(それどんなジャパネット商法?)。1箱 990円 税込 送料込だそうです。



 こういうのは季節ものなので、どうせ紹介するならもっと早い時期にすればいいのにと自分でも思うんですが、自分で堪能したものを貼るのでどうしても遅くなってしまってすみません。

 今年だめでも品種名を覚えておいたら来年があるさってことで貼っときます。

タグ:食材

養蚕重宝記10:(後書き)

 23回分くらいあるとかいいながら10回で終わりました。後半まとめてアップしたからです。

 ここからは後書きにあたる部分で、本文より読みにくいところがたくさんありますが、桑の木の皮をはいで、その内側のやわらかい皮を細かくして蚕に与えてみるなどの実験についても書かれており、興味深い内容です。

十八丁表

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko04/bunko04_00660/bunko04_00660_p0023.jpg
↑ここの左側
# ここからは後書き

右記・・・・多年心かけためし見るに飼方の移事宵の晩に
内は勿論外の桑葉にまで蚕はきかけ置見るに夜は露
しもをしのかんゐに葉のうらに迫り昼は・に迫る也風
雨はけしき時もおなしく衷の袖に付是即季かうを
かんごうすへき事也程に四度の休み此清してまゆ作る事
うつくしきもの也然といへども諸色諸虫のかたき多くして
かえがたし實事桑の木の皮肉の間の皮をとり細に

# 「右記・・・・」三文字目は書かも。多年の前の小さな文字も読めない。
# 「宵の晩」 自信なし
#「しもをしのかん"ゐに"葉のうらに」 かんゐに 意味不明
# 「昼は・に迫る也」さっぱりわからない
# 「衷の袖」 内袖のことか?
# 「是即」の即のくずし方も知らないと読めない難読文字
# 「季こうをかんごうすへき」 「季こうをかんがへ」が最初の方に出てくる
# 「也程四度の休み此清して」自信なし。
# 「諸色諸虫の」 ここも自信がない。諸色は物価の事らしいので、値段をとわずあらゆる虫(蚕)の、という意味か。諸國諸人(複数回出てくる)を虫に変えた言葉遊びなのかもしれない。
# 「かえがたし」 かひがたし?
# 「實事桑の木の」 まるで自信なし。
# 「皮肉の間の皮をとり」 樹皮と材の間の薄皮までとったという意味か

十八丁裏〜十九丁表

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko04/bunko04_00660/bunko04_00660_p0024.jpg

して四日程是をあたへ死しやうを見るにせいぶんつよくして
さかんなり後に桑にてかえとり上々のまゆ作る也此二つ道
を能く心に掛其外種々の手立にて秘術を覚る事
多年也是によつて諸國諸人のゐに紀む・・此
書を心に掛御飼立・・成候その当り少もうたがへ
なし実にあらましき道といへども猶此文にしたがひ
口傳の有へきものなり

# 「かえとり」 かひとり?
# 「うたがへなし」 うたがひなし と書くべきところが訛っている?
# 「あらまし」=あらまほし=あってほしい
# 「・・成候」激しく崩してあるので決まり文句っぽい。
# 「口傳の有へき」 有は自信がない。


天保十一年庚子正月改板
信州小縣郡上田在マイタ邑
中村彌七郎謹白(印)

信州佐久郡中山道芦田宿峠
小松屋壽惠藏
謹書

# 天保十一年は 1840年。
# 改板とあるので版木を彫り直してる。十一丁にも「改はん」したと書いてある。

タグ:古文書解読

コメント一覧

珍獣ららむ〜 (12/20 18:48) 編集・削除

>しもをしのかん"ゐに"葉のうらに

わかった。
「ゐ」じゃなくて漢字の「為」ですね。
「露しもをしのがん為に」

珍獣ららむ〜 (12/20 19:05) 編集・削除

>實事桑の木の

図書館で借りてきた本(重宝記資料集成)だと潰れて読みにくかったんですが、早稲田大学のを見たら「實に夫桑の木の…」みたい。

ちょっと見直してわかるくらいならアップする前に見直せばいいのに、わたし >_<

珍獣ららむ〜 (12/22 08:08) 編集・削除

最終的にみなおしをかけたらさまざまなことが分かったであります。

>・・成候

この部分、原文を見ていただければわかりますが、ぐちゃぐちゃっと書いてあり普通には読めません。
こういうところはどうやら決まり文句できちんと書かなくてもパッと見ればわかるたぐいのものらしいです。

この部分は最初のマみたいなのが「可」のくずし字で
最後の小さい n か h みたいなやつが「候」
候の上の元気のいいやつはよく見ると「成」
「可・成候」までわかると、あとは決まりなので
二番目は「被」らしいです。
「可被成候」で「なさるべくそうろう」と読むと辞典に書いてありました。

くずし方もいろいろあって、養蚕重宝記の例などまだ読みやすい方でした。
辞典に掲載されてたものはもっと読みにくく、本当に知らないと絶対に無理……おそるべし昔の人。
これを読みこなしていた昔のインテリたちはどれだけ頭がよかったのかと。

養蚕重宝記09:桑くれやう 并桑付かごわりの事〜庭をき桑くれやう 并あがりかごわりの事

 毎日こんなことやってると読者が減りそうですが、そういうのは今に始まったことでもないし、もうちょっとなのでがんばります。

 URLは説明がないかぎり早稲田大学の古典籍データベースへのリンクです。原典が画像で見られます。

 間違い等の指摘は歓迎します。「・」にしてある所はまるで読めなかった部分なので特に見てくださるとうれしいです。

十三丁表

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko04/bunko04_00660/bunko04_00660_p0018.jpg
↑ここの左側2行目から。

『弐番休の事』
# 目次には↑このタイトルが見えるが、この位置に対応する内容がない。

『桑くれやう 并桑付かごわりの事』
一 桑くれやうひる六度夜二度
一 よく日よりしき紙を「取かへ是を日蚕尻といふ
一 四日め頭まては右六枚の紙にひろげてよし
一 はき立てより七日め頭桑「くわづしてやすみに
  おもむくじせつ三尺四方十弐枚にひろげ

# 「頭」という文字は知らないと絶対に読めない。

十三丁裏〜十四丁表

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko04/bunko04_00660/bunko04_00660_p0019.jpg

  見るにやすみいるなり

(挿し絵:十二枚の紙に蚕)
一度の休

# ここに「一度の休」が入るので、やはり目次は順序がおかしい。


『休に桑とめの事』
一 やすみにくはとめる事きぬをぬぐ
  蚕見へるならば其せつくは「くれ置てよし

『蚕をき中桑入れる事』
一 蚕三分壹おきるじせつに中桑をくれてよし

# 目次では「をき」本文では「おき」仮名遣いに揺れがある。

『蚕八九分通りをきこしりを取事』
一 蚕八九分どふりおきるとならばやわら
  かなる桑にてくれてよし[事A]より桑
  くれ蚕尻をとりやすみたる蚕にても
  ひろいこむへし

# ここでも目次は「をき」本文は「おき」
# 「おきる"と"ならば」 原文のまま

『桑昼夜くれ方 并二ツ休かごわり桑とめ桑付の事』
一 桑くれやうはひる四度夜弐度くれてよし
一 右籠わりは二つ休廿四枚にひろけてよし
一 やすみまへに桑とめ桑づけ前のことし

十四丁裏〜十五丁表

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko04/bunko04_00660/bunko04_00660_p0020.jpg

【二つやすみ篭わりの事】
(挿し絵「弐度の休み」:二十四枚の紙)

『桑付 并舟休かごわりの事』
一 桑づけ三分壹おき中桑くれ八九分おきるしせつやわらかなる桑にて「くわ付べし
一 二つおきよりふなやすみ迄ひる四度夜壹度くわくれてよし
一 蚕尻まへまへのとふり日々蚕尻取へし
一 是よりふなやすみにかかり桑とめ前の通り
一 あたたかなるゆへに休みの内たりとも桑たやすへからず

『舟休庭やすみかごわりの事』
一 ふなやすみかご四拾八枚にひろげてよし

十五丁裏〜十六丁表

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko04/bunko04_00660/bunko04_00660_p0021.jpg

(挿し絵:四十八枚の籠)
三度の休

# 三度の休のことを舟休という。

一 ふなやすみにても中桑をくれ八九分
  おきるじせつやわらかなる桑にて「くわ付べし
一 蚕尻前々の通り毎日蚕尻を取ひろげてよし

一 舟やすみより庭やすみ迄昼三度
  夜壹度桑くれへし庭やすみの
  せつは大せつなりかくべつあたたか
  なるゆへにやすみに桑たやすべからす

【庭やすみ籠わりの百枚の図】

十六丁裏〜十七丁表

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko04/bunko04_00660/bunko04_00660_p0022.jpg

(挿し絵:百枚の籠)
四度の休

# 四度の休のことを庭休という。

『庭休桑付次第の事』
一 庭やすみ桑つけ大せつなり蚕三分一
  おき中桑をくれ七八分におき「やわらか
  なる桑にてくわ付へし弐度め桑
  くれすぐさま蚕尻取へし

一 庭やすみ大せつと申は蚕きぬぬぎ
  はなはだくろうするゆへにそのせつ
  桑付おそなはりだんきをうけ「違ひ
  ありかるかゆへにくわづけいそぐべし

# 「おそなわり」 直後に急げと書いてあるので「おそくなり」?/国語辞典引いたら「遅なわる」という言葉が普通に載ってた >_<
# 「かるかゆへに」 かるる? かるろ? かかるの間違い?

『庭をき桑くれやう 并あがりかごわりの事』
一 庭おきより桑くれやうあつく三度にてよし
一 あがり籠わり百五十枚にすへし

十七丁裏

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko04/bunko04_00660/bunko04_00660_p0023.jpg
↑ここの右側

一 まゆつくりのせつ打つづきあめふり
  はなはださむき事あり其せつ戸を
  引まどをしめ風をいとひ家内
  にて火をたきあたたかにしてよくよく
  桑くれてあけるなり

タグ:古文書解読