つねづね「戦時中でもあるまいし食べるために行列するなんてアホか」とか言ってるわたくしですが、このほど二時間待って蕎麦を食べるという自分自身にアホかと突っ込みたくなるようなことをやってしまいました。
それというのも、ゆえあって良く通る場所に、金・土・日・祝日しかやってない、蕎麦が終わったら閉まっちゃうという、気になるような気にしないで通り過ぎたいような手打ちそばがありまして、たまたま営業日の開店直後に店の前をともだちと通ったので入ってみようってことになったのです。
その店は私道の奥にあって、公道からは看板くらいしか見えません。庭まで入ってみると看板やのれんが出てなかったら普通の農家みたいな作りの家です。
到着したのは開店のきっかり五分後。中では何組かが蕎麦が出てくるのを今か今かと待ってるようですが、そんなに数は多くありません。庭にも椅子が置いてあり、何組か待っていますが、それもそうめちゃくちゃすごい人数というわけじゃないです。
玄関で「順番待ちはどうなってますか」と聞いたら、「外に椅子がありますから座って待っててください」と言うんですが、待ってる人は何組もいるのに、指定された椅子に座ってるのは親子連れ一家族のみ。もはやどこが最後尾かなんてさっぱりわかりません。
どうやら親子連れの次ってことで良さそうだと判断、ものが蕎麦だし回転はいいんじゃないかとたかをくくり待つことに。この判断が良かったんだか悪かったんだか、というところですけど、まあタイトルのとおり、そのまま二時間待つはめにおちいるわけです。
正確に言うと店に入るまでに一時間半くらい、そこから蕎麦が出てくるまでにさらに十分かそこらかかったってことですね。
その間に何組かがやってきては「これは無理ね」と並ばずに出て行きました。並んでしまうとこれまでに費やした時間が無駄になるので脱落しにくいですから賢明な判断といったところでしょう。
後から来たお客さんが、最後尾がどこだかわからないと強く主張したらしく、店の人が出てきて「この椅子のここに座ってらっしゃる方からお呼びする決まりですから」という意味のことを言うので一同騒然。
「そうなの?」「聞いてない」「どこでもいいんじゃなかったの?」「でもうち犬がいるから(家族と代わりばんこに食べて犬を見てたらしい)」などと口々にいいつつも、そこは日本人なのでなんとなく秩序が出来て順番通りに椅子が埋まりました(笑)
そうして待ちはじめてから一時間半くらいたって、やっと店の中に入れました。中も古い農家といった感じです。かなりリフォームしてあるらしく、見た目はそれほど古く感じないのですが、検索してみたら大正時代の建物だそうです。お店の雰囲気は悪くなかったです。
メニューは二八蕎麦の蒸籠が1000円、天蒸籠が1600円だったでしょうか(たぶん外税)。ほかに温かい蕎麦もあるようでしたが、みんなだいたい蒸籠か天蒸籠を頼んでるようでした。
一日に十食くらい十割蕎麦があるそうですが、開店前に並んでた人たちだけではけてしまうらしく、この日はもう売り切れだと言ってました。というわけで二八の蒸籠を一枚ずつ注文。
▲そして最初に出てきたのはこれ。蕎麦豆腐だそうです。お通し?それとも料金内?この日はともだちのおごりだったのでちょとわかんないです。とにかく、この蕎麦豆腐はすごくすごーーく美味しかったです。
▲そんでもって蕎麦はこれです。右手前にある蕎麦色のゼリーのようなものは蕎麦羊羹でした。蕎麦豆腐の美味しさにくらべると、羊羹はどっちでもいい感じでしたけど、まあそれなりに美味しかったです。
肝心の蕎麦の味なんですけど、ここで不味かったら爆笑なんですが、まあなんていうかその、不味くないです。並ばずに食べに来られるんなら手放しで美味しいって言うと思います。ただその、言いにくいんですけど、二時間待って食べたいかって聞かれたら遠慮したいかな(笑)
きっとこのお店は限定品の十割蕎麦を食べないといけないんだと思います。もしチャンスがあったら今度は開店前から並んで十割に挑戦したいと思っています。
手打蕎麦・宮前 松戸の里
場所は松戸市の旧有料橋(上葛飾橋)の下あたり。鵜森神社の近くです。
挽きたて、打ちたて、茹でたてにこだわる店とのことでした。