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もしかして、卒倒病とかいうやつかしら?

 なかなか雨がやまず、夕方になってやっと桑を取りに行けました。雨上がりなのに気温は高くて汗がだらだら。家から近いとはいえ庭先よりは遠いので重労働です。これで痩せればいいんですが、何をどうやっても痩せない体質になりました。

 カイコはおおむね良好に育っています。まるまる太って体長もまた伸びたようです。物差しをあてていないけれど、70mm 近くありそうです。衣装ケース飼いに切り替えて、今朝は少し多めに餌をやってみたわけですが、たまに様子をみながら十二時間。問題なさそうです。

 前の記事のコメント欄にも書きましたが、必ず蓋をずらしておくこと。日の当たる場所もダメです。部屋の奥において、カーテンは閉めて置かなくてはいけません。そうでないと蒸れて全滅してしまうと思います。

*もしかして、卒倒病?

 ところで、脱皮直後に下痢しているみたいだと書いたカイコは今も生きているのですが、それとは別のカイコが病気のようです。

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▲こんな感じで七転八倒しはじめる。なんらかの液体にまみれていたりする。餌を食べなくなる。

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▲体がどんどん縮んで、最終的にはこんなふうになってしまう(この固体はもともと発育不良でずいぶん小さかったけれど)。

 もしや卒倒病というやつでしょうか。あきらかに瀕死が二頭、ほかに三頭くらいおかしなやつがいます。これ以上ひろがらないといいんですが。

-足の力が弱く、転ぶと仰向けになったままクネクネして起き上がれない。
-そうなる前に、なんらかの液体を出すことがある(下痢ではなく吐液だと思う。便は形のある普通のものをしてる)
-餌をあまり食べなくなる。
-急激に体が縮んで前蛹みたいになってしまう。
-最終的には死ぬんじゃないかと思う。


*これが蔟です

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▲蔟

 蔟と書いて、「ぞく」または「まぶし」と読みます。蚕が繭を作るための足場です。これがなくても適当な場所で繭を作ると思いますが、ないと糞で汚れたり、形が悪くなったりするらしいです。

 昔は、藁を粗く編んだものを使っていたようですが、そういうのは博物館でしか見たことがありません。祖母の家では写真のような形状のものを使ってました。紙製で、長方形の部屋が無数に並んで団地のようになっています。四角い部屋に蚕が一頭ずつ入って繭をつくります。

 写真を見ればわかると思いますが、紙製の蔟は折りたたみ可能で、使わないときは縮めた状態でしまっておきます。蚕がずーになると出してきて、庭にたき火をして開きながら炙ってました。湿気を飛ばすためだと思います。

 部屋は蚕の頭数の倍必要だそうです。空きがないとうまくいかないらしいのです。約二百頭いるはずなので、四百部屋作ってやらなければなりません。

 この蔟をまとめて吊す道具があるのですが、それについても後日書こうと思います。

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衣装ケース飼育

*今日やること
-蚕の餌やり(朝の分は終わり)
-花やら野菜やらに水をやる(やった)
-桑をとりにいく(やった)
-厚紙を買う(蔟づくりに使う)やった
-ホッチキスを買う(蔟づくりに使う)やった
-すだれを買う(カエルの日よけ)やった
-蔟をつくる(やったけどまだ足りない)
-カエル水槽の掃除(やった)

 桑をとりにいこうとしたら突然雨がふってきて中止。雨は一瞬であがったみたいだけど雷が鳴っているので様子を見ています。あ、また降ってきた。しばらく出られないなあ。


*衣装ケース飼育はイイ
 蚕の飼育は、小さい頃に見た養蚕をやってみたいという意図があったので、できるだけ昔おぼえたようなやり方でやってみたかったのですが、蚕の食欲に負けて衣装ケースにつっこんだのは昨日のメモに書いたとおり。

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▲こんな衣装ケースに入れた。

 笊にひろげて買う方法だと、桑がしおれたり、乾燥したりして無駄になります。すこしでも長持ちするように、あらかじめ水につけてパリッとさせてから与えたり、たまに霧吹きで保水したりもしましたが(Sariさんありがとう)、それで保たせるのは限界があるので、少ない量をこまめにあげなきゃいけません。

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▲空気が通るように、少しずらして蓋をする。しまった。流れからいってここでは中に桑がどっさり入っていなきゃいけなかったのに(笑)

 問題は桑の乾燥なので、乾燥を防げればいいはずです。蚕を衣装ケースに入れて、桑を枝ごとのせてやりました。あまり大量に入れると身動きがとれなくなるのではないかと思い、最初は遠慮がちにやっていたのですが、枝ごとだったら良い具合に隙間が出来るので、かなり大量にのせても大丈夫そうでした。

 一メートルほどの桑の枝を六本くらい、衣装ケースに入るサイズに切って入れてみたところ、八時間後に「まだ余裕だけど、そろそろ餌をやらなきゃね」という感じになりました。八時間保つとかなり楽です。可能ならば明日は出かけようと思うので、桑の枝を八本に増やして実験中です。半日くらい保つといいんですが。

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▲一晩(だいたい八時間)たつと、あれだけ入れた桑がすっかりなくなってる。おそるべし、五齢幼虫の食欲。

 衣装ケース飼育は楽です。昔の養蚕に思い入れがないなら、最初からこうやって育てるのが良さそうです。一齢から三齢までは大して餌を食べないので、一日に一度桑を交換すれば済みそうだし、四齢以降もこの方法ならば朝夕の給餌で足りるでしょう。これなら学校や仕事で家を空けても大丈夫。

 蚕の五齢時代がもし一カ月も続いたら、養蚕農家のおばちゃんたちは過労で死んでしまうと思いますが、幸いなことに六日くらいで「ずー」になって餌を食べなくなります。そして上蔟(じょうぞく)して繭を作るのです。うちの蚕は十六日中に脱皮したので、予定通りなら二十三日か二十四日には「ずー」になりそうです。

 群馬では、五齢蚕が繭作りの準備に入り、体の色が飴色になった状態のことを「ずー」と言ってました。「この蚕はハァずーになる」なんてことを言ってたと思いますが、これまたなぜそいう言い方をするのかサッパリわかりません。上蔟の「じょう」か「ぞく」が変化したのか、あるいは熟蚕(じゅくさん)の「じゅ」が変化したのかな、と想像しています。ずーになった蚕を、蔟(ぞく、まぶし)にくっつけてやることを上蔟(じょうぞく)と言います。蔟についてはあとで説明します。

 雷が遠くなってきたので、とりあえず買い物に出てみます。厚紙とホッチキスと簾ね。メモメモ。

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16日中に

忘れないようにメモ的に

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▲16日中にほとんどの蚕が脱皮を済ませてしまった。すべての蚕が眠に入ったなと感じたのは15日の午後だったのにペースが速いんじゃないかと思うけれど、無事に脱皮したからよしとする。四齢蚕の脱皮はすごい。薄くてしなやかな透明な全身スーツを爪先からひっぱって脱がせてるみたい。

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▲乾燥した脱皮殻。脱皮直後はもっとしなやかで、ストッキングを脱ぎ捨てたみたいに見える。天衣無縫というけれど、蚕の脱皮がらはまさに縫い目のない服みたい。

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▲二齢から四齢までの糞、200頭分。とっておこうかと思ったけれど黴始めたので捨てることにした。

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▲これが五齢幼虫の糞。ずいぶん大きな糞をするようになった。孵化したばかりの頃は砂粒より小さいような糞をしていたのに。

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▲五齢幼虫。現在、体長は60mmくらい。

 爆発的に食べ始めた。このままでは四六時中餌やりをしなきゃならないので、半透明な衣装ケースに桑の葉とともに入れることにした。空気がとおるように少しずらして蓋をすれば桑の葉が長持ちするので餌やりの回数を減らせるはず。

 昨日の病気かもしれない蚕(黒くよごれたほう)は元気だ。やっぱりシバケンくんの言うとおり脱皮に失敗しただけなのかもしれない。黒い液体にまみれていたのは下痢ではなくて口から吐き戻した餌のような気がしてきた。

 上蔟の準備もしなければいけない。ありあわせの厚紙で蔟(まぶし)を作ってみたが、これじゃ足りない。200頭いるはずだから400頭分の蔟がいる。明日材料を買ってこよう。

 シジ 竹 舟(ふな) 庭の由来は、「かゐこやしなひ草」で、
又くハをしかじかくハぬことありこれをねむるともいふなり、とあるのが訛って獅子やシジになったのかな、と珍説を唱えてみる。二番目の眠を竹というのは、「かひこくわをくわするにしたがひしだいに大きくなり、ほかのすだれようのものにうつしてくわをあたへるなり」が由来ではないだろうか。でも舟や庭がどこから来るのかまるでわからない。

 というわけで眠いので寝ます。


ほかの竹すだれようのものにうつしてくわをあたへるなり、

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