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繭かきをしました

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 繭になってから一週間ほどたちました。

 蚕に限ったことじゃありませんが、芋虫は蛹になる前に、体をぎゅーっと縮めてしわくちゃになり、動かなくなります。そういうのを前蛹(ぜんよう)と言って、前蛹の状態で一日~二日くらい過ごしてから脱皮して蛹になります。

 蚕の場合は、繭の中で前蛹になります。だから、繭ができたからといってすぐに蔟からはずしてしまわず、一週間から十日ほど待ってから繭かきをします。

 蔟から繭をはずすことを、繭かきといいます。わたしのように趣味で少量飼うなら手ではずせばいいのですが、養蚕農家には繭かき専用の道具もあります。

 櫛(くし)の歯を、太くしたような形状のもので、区画蔟(厚紙を格子に組んだもの)の区画のサイズにあわせて木で作ってあります。

 その巨大な櫛で、蔟から繭を押し出すのです。サクッという音とともに繭が抜けるのは、見ていてとても楽しい作業でした。

 充分に厚みがあり、よく乾燥した繭は、ぶつかりあうとコーンといい音がします。

# げっ、今これを書いてる最中に、すごい稲妻が走りましたよ。近くに落雷したと思う。音と光がほぼ同時なので、真上に雷さんがいますね。一度セーブしたほうがいいかな。

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 数を数えたら七十個ほどありました。わたしのお蚕さんは二百頭いたので、歩止まり二割八分ですか。お姑さんにいびられそうな数字ですね。趣味でよかった!

 繭を覆っている毳(けば、毛羽)は、蚕が足場にした糸です。この部分はきれいに引けないので糸繰りをする前にとってしまいます。けばとり機という専用の道具もあるようです。でも、けばを取ってる作業は見たことがありません。もしかすると、祖母の家ではとらずに出荷していたのかもしれません。

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 繭にも出来不出来というのがあって、上の写真は、左手前が薄すぎて使い物にならない繭。指で押すとペコっとへこんでしまう。営繭中に蚕が発病して死んでしまったようです。光で透かしてみると、蛹ではなく蚕のすがたのまま黒くなって固まってるようでした。あとで開けてみましょう、ちょっとグロいけど。

 右と奥の二個は、糞尿で汚れたものです。汚れたのが毳だけなら剥けばいいのですが、中まで染みてるとダメでしょうね。これもあとで開けてみようと思います。蛹になるとオスメスの区別がつくはずなので。

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 大きさも不揃いです。成長にばらつきがあったせいです。趣味ならこんなのも楽しいですけどね。

 先日書いたとおり、繭かきをしたあとに蛹を殺す(もしくは羽化をとめる)処理をしなければなりません。糸をとるためには、中に蛹がいる状態で釜ゆでにしなければならないのです。

 繭から糸をとるにはお釜でぐらぐら茹でるんだよと、初めて教えられた時は少しショックでした。わたしは子供の頃からわりと冷めてたので、ペットと家畜の間には深い溝かあることをなんとなく理解してました。でも、繭から糸をとるのに中の虫まで殺さなきゃいけない理由がよくわかりませんでした。

 虫が外に出てからでもいいんじゃないかと祖母に聞きましたが、それではうまく糸にならないんだよと言われて、なぜなんだろうと首をひねったのを覚えてます。

 繭を作る虫は、羽化するときに口から酸の強い液を出し、繭を破って這い出します。たぶんそこで糸が寸断されてしまうのだと思います。

# 訂正。羽化する時に口から出す液は、酸だと前に聞いたんだけれど、正しくはアルカリ性の液だそうです。人間が繭をほぐして真綿にする時も、お湯に重曹や草木灰をまぜてアルカリ性の液を作るので、アルカリが正解なのでしょうね。
http://www.kodomo-silkroad.net/kaiko/about/glossary.html

 赤ん坊のように手間をかけて育てるのに、大人になる前に殺してしまうのです。

 これまでもコメント欄などで昔話の「瓜子姫」が養蚕と関係のあるお話だと書きましたが、お話を整理してみると、養蚕にまつわるエピソードがちりばめられているからです。

-姫が瓜から生まれること。
-その瓜はどこか遠いところから川を流れて来ること。
-姫が機織り上手だということ。
-天邪鬼に騙されて木に登らされること。
-天邪鬼に皮をはがれること。
-大人になる前(結婚する前)に殺されてしまうこと。

 川から流れてくるというのは、養蚕が外国からもたらされた技術だからだと思います。そして、瓜子姫が瓜から生まれるのは、繭が瓜の形に似ているからです。姫自身が蚕なのです。

 機織りが上手というのは、繭からとった糸が最終的に布になることを意味しています。また、蚕が糸を吐いて繭を作るのを機織りに見立てているのだと思います。

 天邪鬼に皮をはがれるのは、蚕が脱皮することと関係があります。また木に登らされるのは、上蔟と関係があるように思えてなりません。異説はあるでしょうが、瓜子姫は天邪鬼に騙されて木の上から落ちて死にます。かわいがって育てた蚕も、育てた人の手で蔟にあげられ、きれいな繭を作ったかと思うとかきとられて釜ゆでにされてしまうのです。小さな白い蛾になる前に。まるで晴れ着を着てお嫁入りする前に殺される瓜子姫そっくりではありませんか。

 天邪鬼は、蚕を娘のようにいつくしみ、かわいがって育てた老夫婦そのものです。養蚕は虫に対する慈愛がなければつとまらない作業です。そして、鬼になれなければ続けられない作業でもあるのです。

 とりあえず、わたしのお蚕さんは冷蔵庫に入れます。冷蔵しても死にませんが、冬の状態になるので羽化がとまるのです。汚れて使い物にならない蚕は、成虫の写真が欲しいのでこのまま羽化させます。

# 書いてる間に雷が遠ざかりました。火事になった様子がないので落雷したとしても避雷針に落ちたのでしょう。しっかし、ものすごい雷だったなあ。

タグ: カイコ 伝説

【珍食用】そうめんかぼちゃ

ソウメンカボチャ

◎珍獣の食卓「ソウメンカボチャ」
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/chinwiki/uniwiki.cgi?%E7%8F%8D%E7%8D%A3%E3%81%AE%E9%A3%9Fwiki%E3%80%8C%E3%82%AB%E3%83%9C%E3%83%81%E3%83%A3%EF%BC%88%E3%82%BD%E3%82%A6%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%9C%E3%83%81%E3%83%A3%EF%BC%89%E3%80%8D%E5%86%99%E7%9C%9F

 茹でると身が糸のようにほぐれる不思議な瓜です。分類学的に言うとペポカボチャの変種にあたるようです。ズッキーニの仲間ですね。


 以下は通販用のリンク(すべて楽天市場内)ですが、リンク先に写真もありますので参考資料としてご覧下さい。ひとくちに「ソウメンカボチャ」と言っても色や形が様々です。おそらく様々な品種が存在しています。甘さなどの味にも違いがあるかもしれません。

そうめん、サラダ、炒め物、スープ、パリパリお漬物に、そうめんかぼちゃ 金糸瓜1.8~2.1kg...
岡山県産他 そうめん南瓜(糸うり)
石川県産 金糸瓜

※2008年8月現在のリンクです。季節のものですから時間がたつと売り切れてしまいます。お求めはお早めに。


ソウメンカボチャ、素麺南瓜、索麺南瓜、そうめん南瓜、そうめんかぼちゃ、キンシウリ、金糸瓜、ペポパボチャの一変種(一品種?)

週末~月曜の日記

 いやはや、この暑さは異常ですよ。風呂場にいるみたいな湿度と気温で汗がだらだら。普通に歩いているだけで額の汗が目に入って痛いくらい。今朝(月曜)など雲が多くて太陽はたまにしか顔を出さないのにエアコンの温度計で屋外が36度。アメダスでも10時の時点で31.1度だそうです。これは普通に死人が出ますね。

*土曜日は38でランチを食べてから平和島でセミの会

 土曜日はセミの幼虫を採集する会で、午後から平和島の某所に集まりました。お昼は少し早めにJAZZ38のランチメニューで済ませることに。

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▲JAZZ38のランチは、カレーライス(ポーク・チキン・ビーフ)か日替わりパスタに、こんなサラダとドリンクバーがついて900円です。ファミレスより安いと思う。平日はもちろん、土日もやってます。

 お店の人が先日の穐吉敏子さんのライブの写真をみせてくれました。この日だけは特別で、テーブルを片付けて椅子を並べて、小さなコンサートホールみたいにしてやったそうです。コンサートのあとにみんなでお金を出し合ってちょっとしたパーティーも開かれて、穐吉さんとワインの話などをしたんですよと言ってました。普段こんな小さな店でコンサートなどしない方だそうですから、ファンにはたまらないでしょうね。

◎イタリア料理とジャズの店 JAZZ38
http://www.yydotto.com/jazz38/
 亀有駅南口のすぐ目の前。駅前にあるリリオ弐番館の地下にあります。金曜と土曜の夜はジャズライブをやってますが、それ以外の日とランチタイムは普通のレストランですよ。イタリアンだけでなくカレーも美味しいです。


*平和島の虫の会
 平和島は、本を出版して人気急上昇中のbugeaterさん主催のセミの会です。セミの幼虫をつかまえて美味しく食べちゃおうという集まりでした。

 去年が異常なほどの豊作だったので、今年はどのくらいとれるか心配だったんですが、なんだかんだとみんなで200頭くらいとってたので大差ないと思います(去年は250頭くらい)。平和島だと主に鳴いてるのはアブラゼミとミンミンゼミ。たまーにニイニイゼミもいますが数は少ないです。水元あたりとはセミの種類が違いますね。

 虫好きが集まる楽しい会なんですが、さすがに今年は過酷でした。参加者が多くてそれだけでもすごい熱気で、気温と湿度が殺人的に高いんです。この状況で公園で数時間の昆虫最中、狭い調理室での作業と、なんだかんだと七時間もかかるイベントです。よく誰も倒れないもんだと感心するやら呆れるやら。とにかく盛り上がる会です。興味のある方は毎年やってるみたいなので来年ぜひご参加ください。わたしゃそろそろ体力的に脱落しそうです(笑)

 セミは、ファーブルが昆虫記に不味いと書いてます。でも東南アジアでは食べてる部族がけっこうあるようです。沖縄でも食べるって聞きますよね。実際、セミは美味しいです。成虫より幼虫が美味しいです。食感はエビに似てますが、エビとは違う植物的な香りがします。ナッツにたとえる人も多いです。わたしは森の香りだと思います。

 七年も土の中で森の精気を吸って育つんです。その幼虫が羽化する寸前にとって食べるんだから、こんな贅沢な話はありません。塩茹でか燻製が美味しいです。

◎これは去年、わたしがそこらで捕まえたセミを食べた時の日記
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=138
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=141
↑食べ方も書いてありますのでよろしければどうぞ。

 不思議なことに、森の香りは成虫になると消えちゃいます。成虫は殻がサクッとして食感はいいのですが、味は幼虫に劣ります。ただし、ニイニイは成虫になっても味・香り共に濃くて美味しいですね。

◎セミ会の主催者 bugeaterさんのブログ
http://musikui.exblog.jp/

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*葛飾区の清掃局ってもしかしてバカなの?
 あえて書かせていただくんですが、あきらかにバカだと思う。バカじゃなかったら嫌がらせですよ。わたしゃかなり頑張ってゴミの少量化と分別をしています。最近はスーパーなどでも積極的にエコバッグを使っているし、ペットボトルの飲料も極力買わないようにしてます。買ったら洗ってラベルをはがし、キャップと分けて出してます。プラスチック製品は表示を確かめて分別して出してるし、発泡スチロールトレイも洗ってバキンと割ってみて、トレイとして資源に出すか、プラゴミにするか確かめてから出してます。

 なのに、うちの方にまわってくる清掃局の人は、うちで出したゴミに「回収できないものが入ってます」ってシール貼って置いて行きやがるんですよ? なら燃やすゴミに持っていってくれればよさそうなのに、その日もスルーして置いて行かれてしまいました。一体何が不満だと? こちらとしてはすることは全部してるんです。これ以上どうするとお気に召すのか、うちの町内まで来てわかるように説明していただけませんかね。

 自分でゴミを出す時に、ゴミ捨て場の整理を自主的にしてるんですが、みなさんがとまどってらっしゃるのが手に取るようにわかります。たしかにぞんざいな出し方をする酷い人もいますけど、回収できないとシールを貼られているものも、見るとちゃんと分けてあったり、洗ってあったりと、努力のあとが見えることが多々あるんですよ。そうなっちゃうのは説明が足りないか、わかるように説明してくれてないからなんです。出す側にこれ以上責任を求めても無駄です。普段から興味を持ってやってるわたしですら意味わからんのですもの。

 正直、こういう状態が続くようなら、ここらの清掃局員は働いてないって区役所に訴え出ないといけなくなる。みなさん大変な作業をしてらっしゃるのはよくわかるんですけどね、しかし正しく出しても回収していただけないんじゃ充分なお仕事をしているとは言いにくいです。

 今後、こういうことが続くようだったら、わたしはゴミの分別をやめようとさえ思ってます。瓶と缶は分けるとして、それ以外はすべて燃えるゴミに出すつもりです。ペットボトル? シランガナ。全部燃したらいい。そのために税金かけてダサイ青で塗りたくったでっかい煙突立てたんだから、バカスカも燃しちまえってことですよ。温暖化もダイオキシンもしらんわ。こんな国に生まれてきたことを恨みながら汚染されて死んでやるがな(怒)


*親指は盛大にかさぶたになってた
 親指スライサー事件(皮膚を厚めに削いじゃっただけ)のつづき。今朝も包帯をかえてもらいに行きました。今朝はいつにもまして患者さんが多く、わたし以外に三人も(!)いました。みなさん健康診断かなにかで、特別に病気だから来たというわけじゃなさそうです。

 この診療所は、先生がご高齢なので積極的にはやってなさそうですが、検査設備などはそこそこそろっていて、レントゲン室まであるんです。東部地域病院と提携しているので、異常がみつかると紹介状を書いてくれるだけでなく、看護婦さんが電話して予約までとってくれるようでした。これはある意味穴場といえるでしょう。先生がいつまでもお元気で、この奇跡的なバランスが続きますように。

 わたしの親指はというと、包帯をとったら大きなかさぶたになっていました。かさぶたさえ剥がれなければもう包帯はいらないと先生がおっしゃってましたが、指なのでうっかり使うとはがしてしまいそうなので、また巻いてもらいました。

 ただの切り傷じゃないのでかさぶたは避けられないですね。しばらくは指を風呂にもいれないほうがいいと言われました。ふやけてかさぶたがとれたらまた流血するからだと思います。かさぶたになってなきゃキズパワーパッドの威力を試すのに。ちょっと残念です。

タグ: 地元(葛飾周辺)