更新をさぼっているとどんどんネタがたまっていき、そのうちだんだんどうでもよくなってくる法則が発動してしまうんだよ。でも糸を引くところまでは頑張りたいなあ。
*繭の中身はどうなっているか
▲繭の中で力尽きて死んだ蚕。
あきらかに巻きが薄く、中で死んでいるのがわかるものを開けてみたら、幼虫の姿のままミイラ化していました。いくらか発酵した干物みたいな臭気があります。ほんとに伝染病はおそろしいです。
▲蛹(5日撮影)。
羽化を見たいので冷蔵庫に入れなかった繭もいくつかあけてみました。良い具合に蛹になっています。ふれると元気よく尻を動かします。クシャクシャっと丸まってるのは脱皮殻です。蚕は繭の中で脱皮をして蛹になるのです。
この蛹は繭にもどしてやればちゃんと羽化するはずです(途中で発病しなければ)。
▲うっ、オスメスの見分けがつかない……orz
蛹は尻の部分をよく見るとオスメスの見分けがつくはずなんですが、わたしゃ修行が足りないのでどれも同じに見えてしまう。いや、ホントに同じなのかもしれないけど。これはオスかなあ。写真がわかりづらくてごめんなさい。
今回は病気が心配なので卵をとるのが目的ではないんだけれど、この段階で見分けられないと、交尾用にオスとメスを用意できないのよね。
▲これは蛹になってるけど死んでる。
繭が充分に厚くなっていても、中で死んじゃってることがあります。なるべくきれいな糸をとろうとしたら、こういう死に方はよろしくないと思うんです。やはり病気を出してしまうとダメですね。
*はじめての糸取り失敗記
▲群馬の土産物屋で買った繭
何度も書きますが、群馬では養蚕農家は育てるところまでです。もちろん、大昔は糸にするところまでやってた家もあると思いますが、わたしが子供の頃は繭になるとどこかに出荷していました。だから、糸を紡ぐ作業は未知の世界です。
最初からうまくいくとは思えないので、まずは買ってきた繭で実験しようと思います。これは一年以上前に群馬の土産店で購入した繭です。特に目的もなく、懐かしいので買って、そのままとっておいたのです。
ええと、繭から糸を取るには、まず煮るんでしたっけね。熱湯からぬるま湯に入れてまた熱湯に、というようなことを繰り返すと繭がほぐれて糸が出てくるんだったはずです。
艶のある良い糸をとるためには、温度管理をきびしくしないといけないんだったと思うんですが、今は実験なので、とりあえず糸が取れればいいと思いました。
そこで、「二分くらい煮る・水をさす・二分くら煮る・みずをさす……全部で五~十分くらい、割り箸で糸はしを探して、十本くらいまとめて引く」という単純な方法で実験したのですが、いやはや、そう簡単にはいかないものです。
以下はその反省点ですが
-十本の糸端をひいてるつもりなのに、気が付くといつの間にか五本くらいになっている!→糸を引き始める前に、一本一本を充分に手繰っておかなかったのが原因と思われます。繭が古いのにも問題があるかもしれません。
-仕方がないので五本でひきつづけてみると、繭が薄くなってきたあたりで切れてしまった。→いつまでも引き続けないで適当なところでやめるのも肝心らしい。そういえば、次の繭とどうやって継げばいいんだろう?
-糸が切れると糸端が束にくっついてみつからなくなってしまう。
-運良く糸端がみつかったとしても、五本どりじゃ細すぎるのでほどけずに切れてしまう。
-糸端がみつからないと、糸巻きからはずせないのでハサミで切るしかない。
……と、こんな具合で、サッパリだめでした。ちなみに、糸取りに使ったのは、いつぞや教えてもらった毛糸用の玉巻き器とかせ繰り機です。
編み機用具ロイヤルかせくり器くりくり
傘の骨みたいなのを広げると毛糸のかせをはめられる。よく、昔のおかあさんが子供の両手に毛糸の輪をはめて玉に巻いてたけれど、あの子供の役をさせることのできる器具。ハンドルもついているので玉からかせにまき直すこともやろうと思えば可能。
編み機用具ロイヤル玉巻き器マキマキ
かせ繰り機にはめた毛糸をこれで巻き取って玉にする。糸巻きが首を振るようにできていて、自然にスパイラルに巻ける。
ダメでも毛糸で使うからいいやと思って、両方とも楽天ポイントで買いました。
どちらを使って糸をひくか、これも重要なポイントです。玉に巻くのは最終形態なので、かせ繰り機を使うといいよと教えてもらったんだけれど、たしか絹糸って、巻き取ったものを、さらに別の枠に巻き取るような作業をするんじゃなかったかなと思うんですよ。
いや、ほんとにやったことがないのであやふやなんだけれど、絹糸は鍋から引いて巻き取ったままだとガチンガチンに固まってしまうので、別の枠にまき直してしなやかさを出すんじゃなかったかしら(はげしく違ってたらごめんなさい。本当にやったことがないのよ)。
というわけで、どっちでもよさそうなので、まずは玉巻き器を使ってみたのですが、うーん、たしかにひけますよ。でも、なんかこの、勝手に首をふってスパイラルに巻く仕組みがビミョー。だってこれ、糸巻きの一部が糸に当たってるような気がするんだけれど。こんなんで糸が痛まないのかなあ……と迷いが生じた瞬間にブチッと切れてしまう。
幸いその時は糸端はみつかったので、かせ繰りに巻き取ればいいかと思ったんですけど、そこで首振りがまた邪魔をするわけですよ。じったかばったか首を振るのであっという間に糸が切れ、今度は糸端がみつからずに終了。すっごく綺麗に巻けているのに、ぴったり貼り付いて抜けません。
次にかせ繰り機も使ってみましたが、結果は似たようなものです。切れて糸端がみつからなくなり、がちがちのかせができました。写真を撮る気にもなれませんよ。
結論、玉巻き器&かせ繰り機は、繭糸の糸取りには向かない(少なくともわたしの技術力では無理)。
そもそも、こんなあやふやな知識で試しているのも悪いのです。やはりどこかで体験させてもらうべきなんだろうなと思います。
横浜のシルクセンターは、わたしも知っているのですが、サイトを見ると次の「手紬糸作り実演」は十月……うっ、ずいぶん先ですね。
コメント欄で話題になっているイカすカナダ人養蚕家に弟子入りしようにもだいたい連絡先もわからないし、相模原は遠いし(カナダほどじゃないとも言えるが)。
どこかに、とりあえず観光用でいいから毎週末にやってるような場所はないものでしょうか。あ、東北とかダメです。関東で!!
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