記事一覧

また壁にぶちあたりました

 交尾や産卵も観察したことなので、次は糸取りを模索したいと思います。夏の蚕は冷凍庫に入れたばかりに繭の中で羽化してしまったので、今回は早いうちに冷凍庫に入れました。

 虫は氷点下の真冬でも蛹で越冬するので、もしかすると冷凍庫でも死なないかもしれません。なるべく早く糸にしたいと思います。

 週末に頑張って、50粒の繭を引いてみました。手順は以下ような感じでやってみました。あちこちで読みかじったことを試しているだけなので、これが最良というわけではありません。例によって一杯一杯なので作業中の写真など写せませんでした。

*煮繭(しゃけん)から糸取りまでの手順
1. 60度のお湯に繭を1〜2分つけてなじませる。
 お湯の温度を測れるような温度計がなかったので適当です。熱湯に水をさして、お風呂よりも熱く、かといって触れないほどの温度にならないように調節。繭はプカプカ浮いてしまうので、落とし蓋で上からおさえます。じぶじぶと細かい泡をあげて繭がお湯をすいこみます。

2. 別の鍋にお湯をわかし、ぐらぐら煮えているところに1の水をきって投入します。そのまま 2分ほど煮ます。

3. コップに水を用意して、2に水を加え、温度を下げる。
 水はまわしいれるように全体にさし、水温のむらがでないようにします。温度差をつけると繭にお湯がしみこんで透けてみえるようになりますが、ビビってはいけない。

4. さらに加熱して、ぐらっときそうなところでやめる。
 加熱すると繭の表面がほぐれてきて、しっちゃかめっちゃかな感じになったので恐くなってやめました。煮繭をどこでやめるかの見極めが付かなくて困ってます。煮たりなければほぐれないだろうし、煮すぎればほぐれすぎて綿になってしまうと思う。

5. 別の容器にぬるま湯を用意して、4の繭を移す。

6. ひょうめんのほぐれたところを手で引いて、1粒の繭から1本の糸が出るようにする。
 これが難しい。プロがやってる動画などを見ているととても簡単そうなのに。ほぐれた部分は大胆に引いてしまったほうがいいです。そうとう大胆に引いても健康な繭ならば痩せてしまうことはありません。

 1粒から1本の糸が出るようになったら、洗濯ばさみかなにかに挟んで糸端がなくならないようにします。助手がいるなら持っててもらうと確実。50本の糸端がそろったら、本格的に引きます。

7. 座繰りに結んで引く
 専用の座繰りがないので今回も毛糸用の「まきまき」を使いました。

編み機用具ロイヤル玉巻き器マキマキ
かせ繰り機にはめた毛糸をこれで巻き取って玉にする。糸巻きが首を振るようにできていて、自然にスパイラルに巻ける。

 以前これを使って20粒分の糸を引いてみたところ、糸同士がくっついて糸巻きからはずれなくなってしまいました。また、糸が細すぎてブチブチ切れてしまうのにも悩まされました。

 今回は糸巻き部分にボール紙の筒をはめて、筒ごと抜けるように工夫しました。また、50粒に増やしたので途中で切れることもなく、どうにか成功したようです。

ファイル 493-1.jpg
▲手前の黄色いのはずりだし法でとった糸をタマネギで染めたもの。これについては長くなるので後日また書きます。今回の主役は奥のタコ型の物体です。

 とても丈夫でつやのある糸です。でも、ちょっと固いんです。この状態の糸を生糸(きいと)と言って、絹糸(けんし、きぬいと)にするには精錬(せいれん)という作業をしなければならないそうです。

 これを、大枠にまき直してかせにして、草木灰で作った灰汁か、重曹を加えたお湯で煮ると、よぶんなセリシンが溶け出して柔らかさが出るらしいです。# 毎度のことですが、まったく未知の作業なのです!

8. 大枠のかわりに「くりくり」でかせにしてみた←今ココ!


編み機用具ロイヤルかせくり器くりくり
傘の骨みたいなのを広げると毛糸のかせをはめられる。よく、昔のおかあさんが子供の両手に毛糸の輪をはめて玉に巻いてたけれど、あの子供の役をさせることのできる器具。ハンドルもついているので玉からかせにまき直すこともやろうと思えば可能。

 そもそも「くりくり」は毛糸のかせを、玉にするための道具です。玉をかせにするための道具ではありません。作業の方向が違います。が、これしかないのでやってみるしかありません。

 そして、今回も見事に失敗しました。

ファイル 493-2.jpg
ファイル 493-3.jpg

 くりくりは毛糸用なので、やわらかくしなる素材でできています。ここに糸を巻き取ると、どんどん巻きが強くなるのでたわんでしまうのです。

 たわむと円周が小さくなり、最初に巻いた部分がどんどんゆるんでしまい、きれいなかせになりません。この状態でくりくりからはずすと、口では説明しにくいとんでもない状況になります。仕方ないので玉にまきなおしました。

 で、わたしゃこの後、どうすればいいでしょう……orz


*ご褒美は蛹さん
ファイル 493-4.jpg
 50粒分の蛹と、交尾・産卵後の成虫を佃煮っぽくしてみました。醤油1、みりん1 の割合で煮立たせたところに下ゆでにした成虫と蛹をほうりこんで焦げない程度に煮詰めただけです。佃煮というより味を絡ませただけですな。

 鮮度のいいうちに冷凍した蛹だからでしょうが、蚕特有の臭みがすくなく、皮がいくらか固い感じになりました。ご飯のおかずに最適です。おいしゅうございました。

タグ:カイコ 手芸 昆虫食

ムクドリの就塒

 塒(ねぐら)に就く(つく)と書いて、「しゅうじ」と読みます。先週くらいから、椋鳥の就塒前集合が目立つようになりました。平たく言うとねぐらへ帰る前に電線やら街路樹やらに大集合することです。

 東京あたりだと、ムクドリは年がら年中います。でも、常に群れをなしてるかっていうとそうでもなさそうです。ひとたび集まり始めるとヒッチコックの映画みたいにものすごいことになり、「ムクドリ大量発生、山が開発されて住み家を追われたのか」なんて話題にもなるんですが、人間が慣れて忘れかけた頃には群れを見なくなったりします。でも、ムクドリそのものは年中いたりするので謎の現象です。

$FILE1
▲夕暮れ時に電線に集まってくる。

$FILE2
▲ジュルルル……とエコーがかかったみたいな変な声で騒がしく鳴き交わす。

 そういえば、ムクドリは、国内を季節ごとに渡っている鳥で、寒くなると山から平地に下りてきたりするはずです。秋に群れをなすのは、山から飛んできたグループと合流するからかなあ、なんてことを思うのですが、野鳥のことはさっぱりわからないのであくまで想像ですけどね。

タグ:地元(葛飾周辺)

浅草に観音様のご開帳を見に行った(エロではありません!)

 浅草寺の本堂落慶五十周年ということで、ご本尊さまがご開帳されたと聞いて9日(日)に見に行きました。天気が悪かったせいもあるのでしょうが、思ったより人がいませんでした(注:観光地なので参拝者は大勢いますが、いつもどおりという感じです)。

 雷門をくぐったところに柱がたっていて、五色の帯がたれさがっています。その帯は、本堂のご本尊様につながっているので、帯に手をふれて拝むと、ご本尊様に直接ふれているのと同じだという趣向だそうです。

 それほどありがたいイベントならば、もっと長蛇の列があってもよさそうですが、それほどでもありませんでした(注:観光地なので参拝者は沢山います)。並んでいる人が「色に意味はあるのですか」と警備の人にたずねていましたが、「すべてご本尊様とつながっています。自分の前にあるものを選んでください。独り占めしようとしないでください。観音様はみなさんと繋がりたいと思ってらっしゃいます」との説明でした。模範的な説明だと言えるでしょう。

 帯にふれて拝んだあと、おたのしみ(?)のご開帳を拝みに本堂へ行きました。浅草のご本尊様は、絶対秘仏で誰も見たことがなく、それがこのほどはじめてご開帳されたというので期待がふくらみます。しかし、やはり思ったほど人がいません。もちろんいつも通り大勢の参拝者がいるのですが。一体どうなっちゃっているんでしょうか。

 中に入ってみると、本堂はまったくいつもどおりに見えました。大きな賽銭箱があり、ご本尊さまがいらっしゃるところは金網の向こうです。さきほどの帯は、途中で細い紐になりますが、参道の上をとおってちゃんと本堂まで続いており、金網の隙間を通ってご本尊様の手に……あ、ほんとだ、結んである。

 金網の向こうに、板状の木に彫った感じの仏像がありました。

 あれがご本尊さま?

 なんかイメージとまるで違う。浅草の観音様はとても小さいと聞きました。でも、今見えてるやつは、特別小さくはないと思います。大きくもありませんが。しかも、金網の向こうにあってろくに見えません。

 今ひとつ釈然としないまま、いつもどおりよろしくお願いしますと拝んで浅草寺をあとにしました。

 帰宅してから調べてわかったのですが、このほどご開帳になったのは、お前立ちのご本尊様なのだそうです。お前立ちというのは、大事な人の前にたってお守りする人のことです。

 つまり、漁師が海からひきあげて、子供達がアカザのお堂をたてて拝んだ絶対秘仏のご本尊様じゃなくて、そのご本尊様をお守りするために作られたご本尊様その二だったのです。

 戦後たてなおして五十年ぽっちしかたってない本堂の落慶記念に、ご本尊様のご開帳なんて話がうますぎるとは思ったのですが……orz

 ちなみに、お前立ちのご本尊様もこれまでご開帳されたことはなく、慈覚大師円仁が1200年も前に謹刻したものなので、こちらもきわめて貴重なものだそうです。

◎浅草寺 
http://www.senso-ji.jp/about/index.html
http://www.senso-ji.jp/info/this_month_info/h20-daikaityou/h20daikaityou-sp.html

 浅草寺の本堂は戦争で焼けていますが、ご本尊様は天水鉢におさめて地下深く埋めてあったのでご無事であった、というのが通説になっているようです。絶対秘仏とはいえ、おそばでお仕えするお坊さんたちは見たことがある、ということなのでしょうか。少なくとも、戦災から守るために地下に埋めたお坊さんは見てるのですよね?

 それというのも、誰も見たことがない秘仏なのに、小さい観音様なんだよってみんなが知ってるのはなんでだろうって思うので。いや、たしかに海からひっぱりあげた漁師は見ただろうし、放置されてた観音様にお堂をつくってあげた子供達も見てるはずだけど、それって1400年近く前のはふじおkpl@;「:……げほっ、ごほっ、いえ、なんでもありません。

 浅草寺には、意外と深い謎がありそうです。そんなところがちょっと好き。

ファイル 490-1.jpg
▲浅草寺(11月9日)、本堂落慶五十周年、ご本尊様ご開帳に集まった人たち。こうして写真を見返すと大勢いますね。きっと不信心なわたしの目が曇っていて、ものが見えていないのでしょう。

 お参りをしたあとにお寺のまわりを歩いたら、浅草にも地口行燈がたくさんありました。面白いのが多いんですが、残念ながら元ネタが並記されちゃってる。まあ、元句を読んでも意味不明だったりするんですけど、まずは自力で考えてみるのが楽しいんですけどねー。

ファイル 490-2.jpg
左:坊主の手からじゅずがもり|右:おやおやうづばっかり
元句:上手の手から水が漏り|元句:おやおや嘘ばっかり

ファイル 490-3.jpg
左:わらう顔にはふぐきたる|右:あとの号外先にたゝず
元句:わらう顔にはふぐきたる|元句:後の後悔先にたたず

ファイル 490-4.jpg
左:はんぺんもらってたばこにしよ|右:大かめもちだ
元句:三遍回って煙草にしよ|元句:大金持ちだ

ファイル 490-5.jpg
左:たらいに見かわすかおとかお|右:板きりむすめ
元句:互いに見交わす顔と顔|元句:舌切り雀


*江戸文化にしたしんでみよう
『江戸ぢぐち辞典』
本体価格1,500円 (税込 1,575 円)
1500円以上で送料無料!
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
稲荷の初午や天王祭に地口絵を飾ることが江戸後期に流行した。古典や慣用句や端唄や歌舞伎の名科白などを捻った多種多様な地口灯ろう絵から、当時の庶民の豊かな教養と情感が窺われる。地口の魅力満載の事典。

『江戸の動物画』
本体価格6,000円 (税込 6,300 円)
1500円以上で送料無料!
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
描かれた動物は何を語っているのか。象徴、擬人化、地口(ことば遊び)の三つの思考から動物画を分析。失われた江戸文化の深層を探る、著者による花鳥画三部作の完結編。

タグ:伝説 地口行燈

亀有に新しい両津勘吉像ができました

 亀有駅前、ゆうろーど内に新しい両津勘吉像ができました。11月8日が除幕式だったので見に行った……と書きたいところですが、まったく無関係に通りがかったので写してきました。

ファイル 491-1.jpg
▲これが新しい両さん。今度のは子供の頃の姿で、ゆうろーど沿いにできました。駅から歩いてくると右手にあります。11月8日ご開帳、じゃなくて除幕式だったみたいです。

 駅前を歩いていたら、黒服のSPとおぼしき人たち、消防団っぽいかっこをした人たちがヌーの大群みたいな勢いで歩いてくるので何事かと思ったら、ローゼン閣下が除幕式にお出ましだったようです。なるほど、マンガ繋がりねー。

ファイル 491-2.jpg
▲今度の両さんとは握手できます。

 駅前の両さんは、低い柵があるので肩を組んで写真をとったりしにくいんです。簡単にまたげるような柵とはいえ、両さんごときにその距離は寒いと思ったりするのはわたしだけでしょうか。いたずら防止の意味もあるでしょうから仕方ないのかもしれませんが。

 新しい両さんには、今のところ柵もなく、近づいて写真も撮れますよ。


場所はここ

大きな地図で見る

 今日現在、像が出来る前の状態がストリートビューで見られます。小さい公園風の場所で、放置自転車が多いので車止めにがっつり囲まれていたようです。ストリートビューが北を向いてたら、西を向くようにすると現場が見られます。鞄屋の横です。

タグ:地元(葛飾周辺)