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安い眼鏡、小岩の地蔵通り

*メガネを新調した
 三年くらい前に作ったメガネが傷だらけになったので買い換えることにした。傷、というか、コーティングがはげてしまったのである。プラスチックのレンズというのは傷や熱に弱すぎてよろしくない。

 前に作った時は、お店の人にすすめられるままに、軽くて薄くてナントカコーティングがどーのこーので非球面で、あーでこーで、といろいろな良い点を追加され、めちゃくちゃ高かったはずである。でも、高いレンズを使っても、プラスチックレンズだとせいぜい三年もすると寿命でコーティングが禿げてくるそうだ。

 前に買ったのがいくらだったか憶えてないけど二万円は超えてたはずだから、仮に三万円として、三年しか持たないなら一年一万円である。だったら高いものを長く使うより毎年買い換えたほうがいいんじゃないだろうか。フレームだって長く使えばガタがくるわけだし。

 ついでに、プラスチックレンズもやめたい。前のレンズもわりと短期間で小さな傷がついてしまい、扱いが乱暴なわたしにはあまり合わないような気がする。

 ということで、ガラスレンズでなるべく安いもの、という条件で、前に作った店で聞いた。その店ではガラスでもプラスチックでもほぼ値段は変わらないけれど、わたしの度数では安いレンズがないので表示価格にレンズ代を上乗せしなくてはいけない。しかも、ガラスだと大きめのフレームを選ぶ必要があるというので、店内を見回すと安いフレームは小さいのばっかり。

 なんとか大きめで安いのを選び、計算してもらったところ、安くみつもっても二万円からで……と言われたので、思わず「わはは、それはあり得ない。ムリ」と笑ってしまった。そこからさまざまな割引を駆使した上で、出血大サービスで一万六千円ちょっとだそうで……ううむ、前みたいにレンズにこだわらず、最低路線で考えてもそうなってしまうのか。

 ただ、まあ、一万六千円くらいならば納得できる金額なので「結局もどってきそうな気はするけど、よそを一回りしてきていい?」と言ってその場は店を出ることにした。

 その足で、眼鏡屋を何軒かまわってみたところ、アリオの2Fに入っているちょっとオシャレっぽい眼鏡屋で、「プラスチックで、レンズは標準で、厚みにはこだわらない」とう条件で五千円代でできると言われた。ガラスだと追加料金がいるそうで、計算すると最初の店と大差ない金額になってしまう。

 しかし、プラスチックで作ったら六千円しない、というのには驚いた。そんな値段なら半年で使い捨てられる。傷が気になったら新しいのを買えばいいんだから、プラスチックでいいんじゃないだろうか。

 でも、それだけだったら最初の店にもどったかもしれない。家を出る時はガラスにしようと思っていたから。しかし、その店で「検眼してお支払いが住んだら数十分後にできますよ」と言われてびっくり。嘘だー、こんんだけ度の強いレンズに在庫があるわけがない。生まれてこのかたメガネが当日にできたことなんか一度もないんだから。「当日お渡し」と言ってる店だって在庫がないのが普通なんだもの。

 それで「うっそだー、できるわけない」って言ったら、今のメガネを見る限り大丈夫だけど、とりあえず検眼して確認しましょうということになって、計ってもらったらやはり「大丈夫ですよ?」とあたりまえの顔をされてしまう。

 こうしてわたしは六千円でおつりの来るプラスチックの安眼鏡を手に入れた。非球面じゃないのでゆがみますよと言われたわりに「う? このくらいなら別になんともないけど?」というレベルだし、レンズの厚さも大したことないし、なんだこれ、ここ数年の間になにがあったんだよって思うような技術の進歩に、驚くというよりポカーン。

 アリオみたいな一等地でこんな店があったんじゃ、町の眼鏡屋さんは苦しいわなーと思った。

 そうそう、眼鏡屋さんを何件かまわってみて思ったのは、町の眼鏡やさんは、「標準」と言ってるレンズがアリオ店みたいな安い店の標準よりひとつ上のランクのものを言ってるみたいだった。その理屈を知らずに値段だけで判断するとかわいそうだなと思う。それに、町のお店のほうがお客さんが少ないのでまったりと見られ、検眼や調整も時間をかけてゆっくりしてもらえる、という良い点もあるので、そう捨てたもんじゃないと思う。 
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*小岩地蔵通りの謎
 JR小岩駅の南口を出て、左手を見ると「地蔵通り」という細い道があり、飲食店などが並んでいる。ある日突然、具体的に言うと五年くらい前に「そういえば地蔵はどこにあるんだろう」と思いつき、以来ずっと通るたびにきょろきょろ見回すんだけれど、通りに地蔵らしきものは見あたらない。

 通りを抜けたところに寺がある様子もないし、ここを地蔵通りと言うのはなぜなんでしょう。同じことを考える人がけっこういるようで、先日通りがかった時も、老夫婦が不思議そうな顔をして「お地蔵さまがどこかにあるはずですよ。ほら、地蔵通りって書いてある」なんて言ってました。

 どなたか小岩の地蔵通りの由来をご存じの方はいらっしゃいませんか?
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