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説明がつかない不思議なものの話

 マツドドンの記事(注:マスクラットの死体写真があるので勇気のある人だけクリックして)で、あきちゃんさんと話していて思い出したんですが、わたしはどう疑っても合理的な説明をできない変なものを一度だけ見たことがあります。

 それは今から17、8年前のことで、当時わたしは金町の駅前公団に住んでいて、最上階の焼却炉にゴミをつっこみに行きました。ついでに外の空気を吸おうと、洗濯干し場になっている屋上に出ました。

 昼間でした。屋上には人はいませんでした。うっすら曇った日で、風があったと思います。その建物は東と西の二棟がエレベーターホールでつながっているような構造になっていて、わたしがいたのは西棟の屋上です。

 ふと東の空を見ると、三角形で茶色くて平たい何かが東棟の向こうに飛んでるのが見えました。わたしは「あんなところにゲイラカイト(洋凧)? 広場で凧揚げなんかできるのかな」とのんきに考えました。東棟のむこうに広場があるので、そこで揚げているのかと思ったんです。

 でも、冷静に考えると、その建物は12階くらいありますし、あんな広場でそんなに高くまて凧を揚げられるものなのかな、といぶかしく思いました。

 しばらく見ていると、その物体が南の方へ(つまり右側へ)ゆっくり移動しているのに気づきました。残念ながら風がどっち方向に吹いていたかは思い出せませんが、風にとばされるような動きではなく、すーっと飛行船のように動いているんです。

 あら、凧じゃなくてトンビだったのねと、これまたのんきに見ていたのですが、その物体はわたしの見ている前でゆっくりと旋回しました。トンビだとすれば回ってもおかしくはないんですが、どうも何か違うんです。正直わたしは目がかなり悪いんですが、群馬に住んでいたときにトンビはよく見て知っているので、トンビの動きとは何か違うような気がする。

 これは後で知ったことですが、そもそも東京にはトビ(トンビの正式名称)はいないらしいんです。オオタカはたまに飛んでくるそうですが、とにかくそういう鳥の動きとは違って、もっと飛行船みたいなんです。まったく羽ばたかないし。いくら滑空のうまいトビやオオタカだって、たまには羽ばたくはずです。それにやけに動きが遅い。

 さすがに変だと思い、その物体が進む方向に歩いて行ったのですが、ゆっくり歩いてついて行けるような動きでした。途中にあるエレベーターホールに物体が隠れてしまったので、屋上の一番南のはしっこまで小走りで移動して出てくるのを待っていましたが、しばらく待ってやっと出てくるようなスピードでした。

 その物体は、三角形の頂点を前にして、すーっと南の方へ、滑るように飛んで行き、小さな点になって見えなくなりました。わたしが見ていた限りでは羽ばたいていなかったと思います。

 その物体までの距離がどのくらいあるのかはわからないんですが、そんなに遠くなく、しかも高くもなかったと思うんです。遠くて高かったら飛行機の可能性もありそうですが、それはちがいます(いや、いくら目が悪くても飛行機とゲイラカイトを見間違えるほど悪くないんですけど)。東の方角を見ていた時と、南へ飛び去るのを見送った時で、見る角度が変わってますから、下に見える町並みとの位置関係などで、大きさと距離をある程度立体的にとらえらえてると思うんです。だから、飛行機じゃない。鳥やゲイラカイトくらいか、それより少し大きいくらいかな、と思います。

 もし鳥だとしたら何かも疑ってみようと思うんですが、たとえばカラスは羽ばたくので違います。一番近いのはトビかオオタカあたりですが、わたしは違うと思うんです。先に書いたとおり、トビだったら群馬でよく見て知っていますし、それとは違うと思ったので変だと思ったのです。また、ずっと見てたのに一度も羽ばたいていませんでした。結局なんだかよくわからないまま今日に至っています。

 ところで、わたしは一度だけ、UFOコンタクティーの秋山眞人さんと会ったことがありまして、その時この話をしたら、秋山さんは集合無意識の話をしてました。生まれも育ちも年齢も違う見知らぬ人たちが、同時期に同じことを考えたり、同じようなありえないものを見てしまうことがあるっていうんです。ちょうどその頃、世の中では三角形のUFOが頻繁に目撃されているとか。そして、そういう目撃例が増えた頃に、ステルス戦闘機が華々しく現れたというのですよね。

 あ、そこ、居眠りしない。だんだん飽きてきたでしょう。しかも話がいかがわしい(笑) なんで金町の屋上で見たものがステルスに結びつくのか、アホかこいつは、なにトンデモなこと言ってるんだと。まあ、その通りなんですが、とりあえず先を読んでくださいな。

 ええと、ステルス戦闘機というのは、レーダーに映らない戦闘機として有名なんですが、黒くて三角で、平べったくて、航空力学の専門家でも「なんであれが飛んでるのか不思議だ」なんてことを言うそうです。まあ、それでも飛んでる理由はちゃんと説明できるんだと思います。UFOの原理で飛んでるなんてことは申しません。

 ただ、レーダーに映らないとか、飛行機らしからぬ平べったい三角形のフォルムなどが、ニュース映像で見てさえも「なんじゃありゃっ?!」と思うような衝撃的な印象を受けるものなんです。

 そのステルスが開発されたことと、世の中で三角形の平たい未確認飛行物体が目撃されたことは、決して無関係じゃないと、秋山さんは言うわけですよ。ステルスの飛行実験を目撃したんだとかいう落ちではなくて、人類の集合無意識の中に「三角形で平たい空を飛ぶ物体」が芽生えて、いろんな人が「見た見た」と言ってるうちにステルスが本当に発明されちゃった……いや、逆かも。地球のどこかでステルスみたいなセンセーショナルなものが開発されていたことが集合無意識を通じて人々に伝わって、三角形の空飛ぶ物体を人々に見せているのかもしれないと。

 何が言いたいかというとですね、30年前にだれかが見たマツドドンは、ひょっとしたらマスクラットだったかもしれないんだけれど、その騒ぎのおかげで大勢の人たちが謎の生物を期待して江戸川沿いに集まったわけです。この期待感は、マスクラットよりも大きい謎の生物を実体化させるに充分なエネルギーを持っているんじゃないか……あ、またそこ、寝てるでしょう。

 ちなみに、秋山さんに「集合無意識」と言われた時、「ひらたく言うと、あんたは幻を見たんだよ、って言われてるんだね」と心の中で軽くガッカリしましたよ。よりによってUFOコンタクティーなんかに幻扱いされてしまうとは……orz 宇宙人の偵察機とかだったらちょー嬉しいと思ったのになー(そっちのほうがよっぽどイっちゃってることは確かなんだが)。


 あきちゃんのマツドドンに関しては、集合無意識に見せられた幻なんかより、普通に何かがそこにいた可能性のほうが高いと思うんですけど、マスクラットより大きくて、自由に潜水したりする生き物……と考えて、ふと思いついたのはカワウソ。さすがに牛ほどは大きくないけれど、マスクラットよりはずっと大きいですからネズミには見えないです。もちろん当時だって江戸川にカワウソなんかいやしないと思うけれど、ひょっとして誰かが逃がしたのかなって。カワウソにかぎらず、何かの理由で誰かが逃がした生き物が、その時期にだけ江戸川にいた可能性はあると思うんです。


# わたしの三角形の目撃談は、かなり頑張って状況を説明してるつもりなんですが、それでも信じない人は「鳥なじゃん?」とか言うと思います。写りの良い写真もない状態で、見慣れないものの存在を人に信じさせるのは不可能なんです。
# それでもこういう話をしようとしたら、可能な限り状況を詳しく、しかも客観的な書き方をする必要があります。未確認生物・未確認物体の目撃情報は、思いこみの産物としか思えないようなものが多く、常識派から相手にされにくいのです。
# ま、どんな書き方をしても、バカにする人はしますけどね。実際わたしも自分で見てないものは信じないですから。

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  • 2007年12月06日(木)16時43分
  • 日記

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