記事一覧

仏様になった人たち:葛飾のわらべうたと伝説

 久しぶりに更新しました。いつも通り、動画やらストリートビューやら沢山あるのでページをわけます。重たいかもしれませんが気長に表示をお待ちください。

続き



*入場塚

大きな地図で見る

 中川は、南へまっすぐ下る新中川と、くねくね蛇行しながら荒川へそそぐ旧中川に分かれます。入場塚は、旧中川の堤防したにあります。場所でいうと、奥戸二丁目の、森永乳業の近くです。

 入定というのは、生きたまま仏になることです。即身成仏のことですね。自ら穴に入り、お経を読み続けてミイラになるのです。窒息しないように空気穴はあけておきますから、何日も孤独に読経を続けなければなりません。

 村人の情けにすがって暮らしていた森市という男が、村のために身を捧げたいと願い、ここで入定したと伝えられています。大水が出やすい場所ですから、もしかすると川を鎮める人柱のつもりだったかもしれません。
>>

<<

 中川土手と森永の工場の間に桜が植えられてたと思います。わたしが見に行ったのは去年の秋でしたが、春になったらさぞ見事だろうなと思いながら歩きました。そろそろ花の時期です。ぶらっと見に行くには良いチャンスだと思います。
ファイル 648-1.jpg

*於玉稲荷

大きな地図で見る

 新小岩4-21-6 駅からちょっと離れてわかりにくいところにありますが、かなり立派な稲荷神社があります。昔は松枝町というところにあったそうですが(正確な場所は、ちょっとわかりません)、明治の頃に今の場所に移りました。

 昔、松枝町のあたりにおおきな池があり、近くの茶屋にお玉という娘がいました。ふたりの武士がお玉をめぐって決闘することになりましたが、お玉は自分の身が争いのもとになることを悲しんで、池に身を投げて死んでしまいました。

 お玉は池のほとりに葬られ、その目印として柳の木が植えられました。明暦三年の大火事で柳の木は燃えてしまいましたが、そのあとに稲荷神社を建てました。それが於玉稲荷のはじまりだそうです。

 その縁起は「新選東京名所図会」神田之部所引の於玉稲荷大神の由来に記されていると、神社の由来書にありました。明治に出たものだそうです(どなたか持ってる方、何が書いてあるのか教えていただけると嬉しいです)。
 
 神社の近くに、小松川・境川親水公園というのがありまして、もしかすると桜が植えられていたかなあと思うんですが、なんせ見に行ったのが去年の秋だもので、そこまで頭が回りませんでした。桜の名所で揃えられたかもしれないのに残念です。


*一本銀杏(ひともといちょう)

大きな地図で見る

 西水元三丁目の中川土手の上にある大きな銀杏の木です。下に小さな祠があり、丸い顔のお不動様が祀られています。とても立派な銀杏の木で、遠くからもよく目立ちます。たまに、祠のまわりを手入れしている人がいるので、近隣の旧家で管理しているのかもしれません。

 葛飾あたりは川に囲まれており、水害の難が本当に多かったと聞きます。大水でこのあたりの堤防が切れそうになった時、荒れ狂う水に名主が自ら飛び込んで人柱となり、村を救ったそうです。その場所が水元三丁目の一本銀杏のあたりだそうです。

ファイル 648-2.jpg
▲一本銀杏の気根:銀杏は枝から気根というものを垂らします。それが乳房のように見えることから、子供ができてもお乳の出ない人が気根にふれると御利益があると言われています。


 川沿いを北へ少し歩くと水門があります。そこで、中川と大場川に別れるのですが、大場川沿いの道は桜並木になってて、満開になるとかなり見事です。お花見ついでにぶらつくには良いところだと思います。>場所詳細こちら

◎関連記事:身近な歴史
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=627
八潮市古新田にある昭和の石碑で、政府の方針で堤防を農地にかえたら台風で大水が出て浸水したことが記録されている。

*参考文献
 葛飾文化の会『葛飾百話 葛飾区の民話と伝説』
 角川書店『東京の伝説』
 葛飾わらべ歌研究会『葛飾のわらべ歌』


# 『葛飾百話……』は、図書館で借りて、内容をメモしまくり、あとで買おうと思ってつい先日博物館の売店へ行ったら、もう売り切れでありませんって(笑) とても古い本なので仕方がないです。でも、なんらかの形で再販してほしいような気がします。住所が何カ所か間違っていたので(載ってるとこほとんど全部まわってみたんだよー)、そういうのを見直して、今時だからカラーグラビアとか追加して、新しく装丁されたらわたし真っ先に買っちゃう。ついでに、最近のボランティアさんが聞き書きなんかしてないんでしょうかね。そういうのを追加するか、続編としで出したら良いですね。


*今回のうたは
 「向こう横町の」
 「一でランラン」
 「ぞうり近所」

葛飾のわらべ歌(私家版)Podcast用RSS
葛飾のわらべ歌(私家版)Podcast用RSS
▲バナーをつかんでiTunesにおっことしてください。曲一覧がとれますから、一曲ずつ、あるいは全部いっぺんにダウンロードして聞くことができます。

 ただの mp3 ファイルなので iTunesがなくても聞けると思いますが、iTunes を使ったほうが扱いやすいです。

◎iTunesのダウンロードはこちら(無料)
http://www.apple.com/jp/itunes/
mp3や動画を整理するツールですよ。

タグ:地元(葛飾周辺) わらべうた

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/count/diary-tb.cgi/648

トラックバック一覧