蟹退治、前回までのあらすじ…
近所の病院へ行き、さんざん待たされたあげくの果てに太りすぎだと言われた。はあそーですかーって返事をして帰ろうと思ったら「念のために外科の先生にみてもらうから」と言われてまた待たされた。
*下腹に何かあるよ
待たされて、待たされて、やっと外科の先生にお目にかかったのはお昼過ぎだったんじゃないかなあ。男の先生で、レントゲンとCTの画像を見て一言、
「これは婦人科の病気だと思うよ」
「え?」
これには正直面食らった。そうだ、わたしゃ女だったんだね。腹水がたまってるんじゃないかと思った時に、女性特有の病気をほとんど思いつかなかった。すると、子宮か卵巣に腫瘍があるってことなのかな。
「お腹はおそらく腹水だし、ここのところに何かあるでしょ」
レントゲンの画像にうっすら黒いものが写ってる。レントゲン画像の左右がどっちなのかよくわからないんだけど、たしか向かって左側の下の方。ぼやけた感じの影だったけど、ここだよって言われれば素人でもわかる。
「ちょっと触診させてもらっていい?」
「はい」
仰向けになって、影が写っていたあたりを指で押してさぐってもらう。痛みはありますかと聞かれたけれど、それはぜんぜんなかった。
「ほら、ここのところに何かあるでしょ」
自分でも触ってみる。お腹のでっぱりの下、左足の付け根より上のあたりを指先でまさぐると、指先に固いものがあたる。ほほー、これが腫瘍というものなのか。素人が触ってこんなにちゃんと分かっちゃうってことは、癌だとすると初期じゃなさそうだとあっさり納得。その可能性は最初から考えていたし、 もうね、待たされすぎて、病気がどうだかなんてことよりも疲れてウンザリしちゃっているのね。
と言うかですね、あの内科の女医さんは一体なんなのかと。そりゃまあ、内科と外科とでは見る部分も違うので、同じ画像を見ても言うことが違う可能性はあるんだろうけど、この影の写ってる写真を見て「異常はない。きれいな画像」と言ったんですよ。しかも、腹水をメタボリックだと。もしかしてY・A・B・U? それでも外科にまわしてくれただけマシだったけれども。