▲しばらく前に中華街で買ったパンダの杏仁豆腐。あんまりいい顔してるので買ってしまった。こういうの何パックっていうんですかね。森永のロングライフ牛乳のパックみたいなやつに入ってる。
▲パックのはしっこが耳になってる。よく見ると、この耳を切り落としてパックを開けなさいって書いてあるのよ。なんだかいやーん。
中から出したところを写真にとりそびれたけれど、出してもかろうじて四角を保っているような絶妙の固さ(柔らかさ)で、ねっとりしたいい感じの食感。パッケージのインパクトだけで売ってるのかと思ったらけっこう美味しい。
ところで「あんにんどうふ」は何語だと思います?
北京語? 広東語?
そのどちらでもなく日本語で、しかもつい最近できた新しい日本語っぽいのよ。
「杏仁」は、アンズの仁(タネの中にある白いとこ)のことで、生薬として売られてるものは「きょうにん」と読むのが正解です。杏仁豆腐は杏仁で作るお菓子なので、正しく日本語で音読みしようとしたら「きょうにんどうふ」です。
だったらやっぱり中国語なんじゃないの?
いえいえ、とんでもない。杏仁を北京語読みすると「シンレン」で、広東語だったら「ハンヤン」だそうで(広東語は知らないので本当かどうかわかんないけど)、どこにも「あんにん」なんて発音はなさそうです。
たぶん杏仁豆腐が日本に紹介される時に、「杏仁(きょうにん)」という専門用語を知らない人が、杏子(あんず)の杏だから「あんにん」だろうと変な音をあてて、そのまま定着してしまったというのが真相じゃないかと思われます。古い料理の本には北京語読みで「シンレンドウフ」または正しく日本語の音読みで「きょうにんどうふ」とかで紹介されていることがあるらしいです(見たことはないけど)。
とりあえず「あんにんどうふ」は日本語なので、中国では通じそうもありません。いや、観光客が連呼するので観光地では通じるかもね。
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