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帝釈天で豆まきを見た

 節分なので帝釈天の豆まきを見に行った。出かけてからカメラを持っていないことに気づいたけど、もういいや、なんか今ものすごくやる気失せてるところ。

 家を出て、もよりのバス停から京成バスに乗った。このへんからだと戸ヶ崎操車場〜金町駅、金町駅〜小岩駅、というバスが走っていて、一日に何度か戸ヶ崎から小岩まで直通のバスが走ってる。柴又は金町の向こうにあるので、通常ならばバスを乗り継がなきゃいけない。往復で840円になる計算。区内のちょっとそこまで行くのに馬鹿こくでねぇって感じの金額だ。

 有り難いことに東京にはバスの一日乗車券というものがあって、同じ会社のバスならば、乗り降り自由で500円也。三回のったらペイ計算。当然これを買うよね。

 家の近くでバスを待っていたら、ラッキーなことに小岩駅まで直通のバスがやってきた。帰りもこれに乗れたらいいのになあと思いながら、それほど本数が多くないことも知っているので「一日乗車券ください」って500円きっちり、おつりの出ないように差し出した。

 過去に何度か千円札を出して「おつりがない」って不満げに言われたことがあり、その状況にもかなり頭にきているんだけれど極力おつりが出ないように気をつけて、つねに500円くらい持ってることにしてるわけだよ、誰か褒めてください。

 にもかかわらず売れないって言われた。切符がないんですと。なんと、日に四枚しか持ち歩いておらず、今日は四枚ともさっきいっぺんに売れたっていうのよ。

 売れた理由はよーーーーくわかる。だって帝釈天で豆まきやるんだもん。観光客から地元民までみんな行くよね、帝釈天。そんな稼ぎ時に一日乗車券を四枚しか持ってないって……もうその時点で個人的には「おいちゃん、そろそろ引退したほうがいいんじゃない?」って感じ。

 とにかく、ここで下ろされては困るし、500円で済むはずなのに余計にお金を要求されるのも困る。「困ります」を三回くらい言ったら、乗り継ぐところで買えばいいよと言って乗せてくれた(あたりまえだ)。

 さて、帝釈天はすごい人出と言いたいところだけれど、平日なのでそれほどでもなかった。かといって空いているわけでもない。いい具合の賑わいだ。町内会だか商店街だかの人たちが、赤や青の全身タイツに虎のふんどしと鬼の面をつけて参拝者に向かってポーズしている。

 二時になると、御幣猿の扮装をした人と、裃姿で手に福豆の升を持った地元名士たちが入場。たぶんほとんどが議員さんとかだと思う。顔がわかるのは平沢勝栄だけだった。猿が芝居がかった口上をのべて鬼をあやまらせ、盛大に豆をまいた。豆は小袋に入っている。

 参拝者は遠くからとんでくる豆を、我も我もとつかみ取る。わたしなど思い切り顔にあたったが、後ろへ落ちてしまい、よその人に取られてしまった。まあ、仕方がない。

 豆まきは三時にもやると言っていた。もう一回がんばろうかなとも思ったけれど、一人で何袋もかきあつめて持っているオッサンやオバハンを見ていたら、突然冷めて帰ろうって気持ちになった。やだやだ、ああいうの見てると福落ちる。

 帰りのバスを待っていたら、初めて来たという観光客が「団子を食べてたら、お店の人が豆まきがありますよって教えてくれて、偶然参加したらとれたのよ」って嬉しそうに言ってるのを見て、こういう人にわたってよかった。今日はこの人の笑顔を見て満足しようという気持ちになった。

 ちなみに、福豆の小袋には当たりがついている。当たったという人の話だと、草団子の引換券とか、そういうものらしい。

 ここで終われば気持ちがいいんだけれど終わらない。柴又からうちまで、バスをのりついでも420円。もはや一日乗車券は不要だけれど、最初に乗ってきた分を払っていないので、わたしは買うつもりで500円用意してバスに乗った。

 が、お金を出して運ちゃんの顔をみて驚いたよ。同じ人だった。当然切符は持ってない。もう、うんざりして「わかったよ、もうけっこうだよ」とバスを下りた。

 こうなったらムカつきついでにもうひとつダメだししておこうと思い、すぐ近くにある「京成」柴又駅へ行き、駅員に「バスの一日乗車券はありますか」と聞いた。ないって言われた。想定通りの答えだ。金町まで行けばバスの営業所があるよと言われたけれど、そこまで移動するんならバスなんか乗らんで歩くよ、馬鹿馬鹿しい。

 というわけで、歩いて帰りましたとさ。


 これがもし、JRだとして、都区内フリー切符は売り切れました、なんて死んでも言わないだろうし、仮に券売機の不調で発券できなくなってもどうにかすると思うんだよ。売れないなんて言ったらみんな怒ると思う。

 なぜかバスだと平気で「おつりがない」「売りきれた」なんてことを言う。そして、なぜかお客が泣き寝入りするんだよ。あり得ないと思いません?

タグ:地元(葛飾周辺)

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