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蟹退治>待たされたあげくに

 蟹退治、前回までのあらすじ…

 とりあえず駅前の病院へいき、レントゲンとCTを取ることになった。すげー混んでて検査の前の検査だけで待たされた。とにかく待たされたなんかすごく待たされた。

*CTスキャンってどんな検査?
 生理食塩水の点滴が半分くらい終わったところでCT室に呼ばれた。CT室にはドーナツ型の巨大な機械がある。わたしはCT撮影は初めてじゃない。造影剤ナシとアリの両方でやったことがある。やったことのない人のために説明すると、CTスキャンっていうのはレントゲンのえらいやつで体の輪切り写真を撮れるやつ。よく健康番組でメタボリックシンドロームの説明をするのに、おなかの輪切りみたいなX線写真を紹介してる、あれがCTスキャンで撮影したものです。

ファイル 80-1.jpg
▲こんなドーナツ型の機械に可動式のベッドに横たわって入る……それにしてもどうでもいいイラストである。

 CT撮影には痛みはない。レントゲン写真が痛くないのと同じ。ベッドに横たわって巨大ドーナツの中に入るだけ。ドーナツ部分は奥行きが大してないので閉所恐怖症の人でも大丈夫と思う。ただし造影剤を使う場合は点滴で入れるので、注射が苦手な人はちょっと恐いかも。

 そうそう、わたしが初めて造影剤アリのCTを撮った時、ものすごく疑問だったことがある。一体どこから造影剤を入れるのかってこと。だって、撮影する場所は病気によって違うでしょう? 頭の撮影、おなかの撮影、明後日ほども場所が違う。腕からの注射か点滴なら恐くはないけど、首や足の血管に刺されるんだったらイヤだなと思った。でも心配ご無用。首から上の写真も腹部の写真も腕からの点滴だったよ。

 電動式のベッドに横たわってドーナツに入り、撮影する場所を確認すると、生理食塩水の管に造影剤の管をつないで薬を入れる。痛みは注射の時だけと書いたけど、実は薬が入ると体が熱くなるという謎体験が待っている。最初は喉のあたりがボワッ。たちまち浸透して肛門のあたりがボワッ。うほっ、なんだこのめくるめく感覚は!! 残念ながら快感ではない。でも面白い。腕から入った薬が、ほんの一瞬で全身に回っていく様子がありありとわかるんだから。なるほど、これなら全身どこの撮影でも腕からの点滴で済むわけだ。

 造影剤が入ると撮影本番。ドーナツの中でなんらかの機械がクルクル回ってる。
「息を吸って……止めてください」
という録音音声の指示があって、20秒くらい我慢していると
「楽にしてください」
と言われる。これで撮影終了。待ち時間さえなければ楽な検査だと思う。生理食塩水が終わってから点滴針を抜いてもらった。

*待たされたあげくに太りすぎ?
 CT撮影が終わってまたしばらく待つ。空腹でふらふらしてるのでどのくらい待ったか記憶なし。内科の診察室に呼ばれ、女医さんとやっとまともな会話。先生が言うにはレントゲン、CTともに、ガスがたまっているということもなく、特別に異常もないとのこと。
「でもこれはあなた、ひどいわよ。メタボリックよ!」

 メタボリックって、内臓脂肪がたまるアレのこと? CTは輪切りの状態で何枚も撮影するんだけれど、どの写真も黒い隙間だらけ。外側に白くくっきり写っているのが皮膚だの皮下脂肪だのとして、中の黒いところが内臓脂肪だということ??

ファイル 80-2.jpg
▲こんな感じの画像だった。自分の写真は手元にないのでネットにあった内蔵肥満の人の写真を参考にしたよ。追記:自分は皮下脂肪がそうとう厚いはずだと思ったんだけど、最近の検査画像を見たら実際にはここまでひどくなかった。腹側にはついてるけど、背中側はもっと脂肪が薄いみたい。

 太りすぎなのは自覚しているから笑ってごまかしたけれど、そんなんで急に息苦しくなったり疲れやすくなったりするものなのかな。

 釈然としない顔をしていたら、女医さんがまたこう言いました。
「でも、腹水という可能性もあるから、肝臓の検査もしたほうがいいかな。来週の水曜日に来られる?」
「はあ、来られますけど」
「じゃあ水曜日の午後ね……ええと、ちょっと待って。念のために外科の先生にも見てもらうから、もうちょっと廊下で待ってて」
「は、はあ?」

 で、また待たされるの。もうイヤだー!!!


 ……というところで次回につづく。

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