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「LOST」第19話にでてくるトレビシュについてはなんとなくわかったんだけど、実はもうひとつ気になってたことがありまして、第25話(第24話だったかも)で韓国人夫婦の搭乗前シーンで、奥さんが旦那さんに飲み物を運んで来るのを見た欧米人が「サユリの世界だわ」と、否定的に言うの。夫に尽くす女になんかなれない、というような意味合いで。
サユリという日本語名がまず気になって、なんでそれを欧米人が口にするんだろうと思ったら、ハリウッド映画に「SAYURI」っていう芸者ガールのでてくるものがあるのね。内容はよくわかんないけど、芸者なので男の客に隷属的に尽くす場面が印象的に描かれてるのかもしんない。
ここで面白いのは、アジア人に対する二重・三重の勘違いがあるってこと。SAYURIは芸者の話なので日本文化だよね。でも、LOSTに出てくるのは韓国人。一緒に飛行機で落ちたデブっちょのハーリー君が「中国人」って何度も言ってるとおり欧米人には韓国人・日本人・中国人の見分けはつかないらしい。言葉が全然違うので、意味がわかんなくたって聞けば何人かくらいわかるだろうと思うんだけど(スペイン語話してるか、フランス語話してるかくらい聞き分けられるもんね、意味わかんないけど)その程度の見分けもつかないのが現状っぽい。そういえばわたしたちだって、コートジボアール人なのかケニア人なのかは見分けられないし。
もうひとつの勘違いは映画「SAYURI」は芸者ガールの話なのに、主演の芸者を演じてる三人の女優は中国人なんだって。そんな映画作ってる監督ですら、中国と日本とで文化がぜんぜん違うってことに思いが至らないらしいんだって、アメリカ国内でも批判が集まる部分らしい。
たぶん、LOST のスタッフは、そこいらへんを全部わかってて、ハーリーに中国人だと言わせ、空港の欧米人にSAYURIだと言わせてるんだよね。それが面白い。しかも、生存者に黒人の親子がまじってて、お父さんが韓国人の旦那とものすごく仲が悪いにもかかわらず、ハーリーの「中国人」に「韓国人だ!」と強く訂正してる。ここらへんも面白い。LOSTを作ってる人たちは、こういうのがすごくうまいよね。
「サユリの世界だわ」っていうのは「第23話」だった(フランス人のルソーが黒い煙が上がったので他のヤツらが来るって言いに来る話)。字幕版を見直したら、英語のセリフでは「小説のSAYURIみたい」と言ってるらしい。それで調べたら、映画のSAYURIは2005年の作で、LOSTのシーズン 1 は2004年から放映されてたテレビドラマなんだけど、第23話は2005年に入ってからの放映っぽいので映画の公開直前か、ほぼ同時くらいなのかもね。