引っ越したので下のバナーから移動してねん。
この話をどこに書こうか悩んだんだけど、博物誌の虫コーナーは食べる話とは違うし、珍獣の食卓は「ある地方では食べます」みたいな珍しさを追求しているから毛色が違います。結局、日記としてここに書くことにしました。虫を食べる話です。それもイナゴみたいな一般的なやつだけじゃなくて、カマキリやセミの幼虫まで食べちゃう集まりに参加しました。
◎昆虫料理を楽しむ
内山さんという人がやってる昆虫料理研究会のサイトです。こちらの例会に飛び入り参加したというわけなのですね。
場所は高幡不動駅近くの浅川河川敷。集まったのは虫を見るのも食べるのも好きという十一人の面々でした。どんな変わった人が来るのかと思ったけど、みなさんふつーの人でした。女性も(わたしをふくめて)三人いましたよ。
まず、河川敷で網をふりまわして昆虫採集。今回の目標はトノサマバッタです。この時期、大きな河原に行くとトノサマはけっこういるものです。草むらをガサガサやりながら歩くとバタバタバタっと羽音をたてて大きなバッタが飛んでいきます。それを目で追って、どこへおりたか確かめつつ追うわけですが、トノサマは警戒心が強くて難しい!一メートルも近づかないうちに飛んじゃうんです。至近距離まで追いつめながら逃げられること数知れず。そんな中、参加者のみなさんはトノサマばっかりざくざくとってるし… なんかすげーよ、この人たち。わたくしはというと、ショボくセスジツユムシやエンマコオロギを手づかみしてました。トノサマもとりましたよ。片足がなくて飛翔力が落ちてたやつを手づかみで。
とった虫は河原で料理しました。バッタ類は虫カゴにつっこんで、煮え立つ鍋にカゴごとぼちゃん。おお、大胆。これなら跳ねて逃げないから世話がないなー。茹でたら串にさして素揚げにしましょうというので、女性陣で串刺し作業。こんな作業やらされたらひとりくらいキャアキャア言いそうなものだけど誰もひるんでないわよ。ってまあ、たかがバッタですから。イナゴを普通に食べることを考えれば初心者レベルの食材だしね。
虫の串揚げ
河原でとった虫は、茹でてから串に刺して素揚げにしました。トノサマバッタ、オンブバッタ、カワラバッタ(たぶん)、クビキリギス、コオロギ各種、セスジツユムシ、カマキリ、セミの幼虫、シロテンハナムグリ… などなど。エビが茹でると赤くなるように、バッタ類は加熱すると赤くなります。でも同じような色してるカマキリは、それほど赤くならないの。なんか不思議。ちなみに、イナゴは珍獣の食卓・イナゴで紹介してます。こちらもどうぞ。
河原でとったもの以外に、内山さんや参加者の方があらかじめ用意してくれた虫もけっこういました。たとえば群馬県産のカイコのさなぎ。これはすでに調理済みのもので、もらって食べたら鰹だしがきいてて上品。後を引く味でした。カイコのさなぎって美味しいと思うんですよ。でも特有の匂いがあるので好き嫌いがハッキリ分かれると思います。ちなみに、カイコのさなぎは珍獣の食卓でも紹介しています。珍獣の食卓・カイコはこちら。珍食で食べたのは韓国産。
それに、カイコの幼虫も。カイコの幼虫は老熟すると絹糸腺が発達して食べにくいです。絹糸を作る部分で、ビニールを噛んだみたいになると内山さんが言ってました。今回用意してもらったのは若い幼虫なので大丈夫。っていうか素っ気ないくらいに普通に食べられてしまう。さなぎはあんなに匂うのに、幼虫にはあの匂いがないです。これまた摩訶不思議な現象。
今回、カイコ系のものが多くて、サクサン(柞蚕)のさなぎもありました。カイコはカイコガ科、サクサンはヤママユガ科で、別科の別種ですが、どちらも糸を取るために飼われています。味も似てますね。サクサンのさなぎにはカイコのさなぎと同じような匂いがあります。違いは大きさ。サクサンのさなぎはでっかい! カイコのさなぎは皮ごと食べられるけど、サクサンの皮は固くてかめません。中の肉だけ食べます。味は、昆虫一般に言えることですが、味そのものは淡泊で上品な旨味です。エビやカニに似てると思います。
サクサン(柞蚕)とブドウ虫
サクサンは中国にいるカイコの仲間。写真の大きくて茶色いのはサクサンのさなぎ。食用に売られてたのを内山さんが購入したらしいです(どこで買ったんだろう??)。白い芋虫は通称ブドウ虫と呼ばれる釣り餌です。ブドウスカシバ(もしくはその近縁)の幼虫です。
今回、とにかくいろんな虫が用意されてて書ききれないんですけど、メンダー(タイワンタガメ)には衝撃さえ受けました。メンダーはタイあたりではごく当たり前に食べるそうです。メンダーの香りがついた醤油まであります。話だけは耳にしてましたが実際に食べたことがないので、なぜわざわざメンダー醤油まで作らなきゃならないのか首をひねっていました。実際にメンダーの香りをかいでみてビックリ。果物みたいな香りがするんですよ。参加者の方々は洋梨みたいだっておっしゃるんですけど、わたしは柑橘系の香りも連想しました。タイ料理に使うゴブミカンの葉に似ているというか、コリアンダーの実を噛みつぶした感じというか、とにかくいい香りです。これ大好き。
メンダー(タイワンタガメ)
メンダーは普通の食材だから、そのうち珍獣の食卓行きかな(どっかで手に入らないかなー)。内山さんが用意してくれたもので、タイ料理の食材屋さんで買ったそうです。あらかじめ塩茹でされているようでした。メンダーは烏龍茶で煮だしてメンダー茶に。フルーティーな香りがして意外に上品な味です。
なお、このような虫を食べる会に参加してみたい方は、昆虫料理研究会に問い合わせてみてください。年に数回、虫をとって食べる例会を開いているそうです。なかなか楽しいですよ。虫って想像以上に美味しいし。
バッタ採りならお任せ!の鉢巻男です。
その際はお世話になりました。
互いに初参加ということでしたが、これまた、互いに遠慮なく食べていましたね^^;;
ブログ楽しく見させていただきました。(まだ、全部は見ていませんが・・・。)
画像きれいですね。デジカメでしたっけ?
あまり、お話できませんでしたが、もし、次の機会があればよろしくお願いいたします。
よもぎたさん、いらっしゃいませ。みんなで虫を取るなんてすごく久しぶり(あんなに大勢でやったのは生まれて初めてかも)なので楽しかったです。是非是非また参加したいです。写真はデジカメです。実は、虫の写真を取りたくて接写できるデジカメをわざわざ選んで買ったんですよー。今年はあんまり虫写真を撮れなかったけど、来年はまたやるぞー、えいえいおー。
◎珍獣様の博物誌
http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/index.html
◎虫ばっかり
http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/index2.html