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和名 オレガノ
別名 シソハッカ(紫蘇薄荷)
ハナハッカ(花薄荷)←マヨラナを指すことも多い
ワイルドマジョラム
学名 Origanum sp.
 オレガノ属は一種ではないので、買ってきたものがなんなのかよくわからない。 一般的なのは O. vulgare のようだが、写真をみる限りでは、O. vulgare の葉は無毛だが、うちにあるのは全体に産毛が生えている。
科名 シソ科
中国名  
英名 Oregano
原産地 地中海沿岸 

苗を買ってきた
4月10日(木)
 今日も晴れ。全国的に高気圧に覆われて、これで晴れないはずがないって、天気予報の森田さんが言っていた。でも風が強くて昨日ほど暖かくはない。
オレガノ
 園芸ショップで買ってきたオレガノの苗を植える。籐の籠に不織布を敷いたのに土をいれたのをプランターにしてみた。これで充分に鉢の代わりになる。もし かすると土の栄養が流れ出しやすいかもしれないか ら、ヨーロッパ産のハーブみたいに荒れ地に生えるものを植えたほうがいいかもしれない。
オレガノ


 生のオレガノなんて使ったことがない。いつもはスパイス売り場にある葉を乾燥したのをドレッシングに混ぜて使っている。
 マヨネーズとケチャップを混ぜたのに乾燥したオレガノを加え、酢をちょっと足して酸味をつける。粗挽きの黒胡椒をまぜてもいい。野菜はなんでもいいけれ ど、チコリやレタスが似合う。大きなボールでざっくりと和えて食べると本当に美味しい。
 生葉は味が違うだろうか。もうちょっと大きくなったら使ってみよう。

オレガノ・マヨラナ・プラテーロとわたし
4月28日(月)
紫蘇薄荷(オレガノ)
 しばらく前に植えたオレガノは、あっという間に大きくなって今はこんな具合。オレガノの和名は紫蘇薄荷。漢字で書く と堅苦しい。でもシソハッカと片仮名で書くと軽薄で座りが悪い。

 同じオレガノ属で、マージョラムというやつは、和名を花薄荷といって、こちらはだいぶやわらかい名前だ。けれど、片仮名でハナハッカと書くと、たちまち 安っぽくなるから不思議。

 スペインの詩人フアン・ラモン・ヒメネスの散文詩『プラテ−ロとわたしicon』 を初めて読んだのはいつだったかもう忘れてしまったけれど、ノーベル文学賞作家の作品ばかり集めた何冊にもわたる分厚い本を図書館で借りて読んだのだ。訳 者は長南実という人だった。

「プラテーロは小さくて、むくむく毛が生え、見たところあまりやわらかいので体全体が綿でできている、骨なんかないとさえ言えそうだ。黒玉いろの瞳のきら めきだけが、まるで黒水晶の甲虫みたいにこちこちしている」
 そんなふうに始まる文章がやけに気に入って、バカみたいに全文を書き写した記憶がある。「こちこちしている」なんて、出てきそうで絶対に出てこないフ レーズだ。 スペインのアンダルシア地方。その片田舎にあるモゲールという田舎町を舞台にした何気ない日常をつづった文章。でもエッセイじゃないし、小説でもなくて、 読めばあきらかに詩だとわかる文章だった。もし詩であることに気づかずに読む人がいたら、退屈で大きなあくびをするかもしれない。

 その本にハーブの名前がいくつか出てくる。どんな場面に出てきたかは思い出せないのだが、花薄荷という言葉だけはよく覚えてる。訳者の長 南実さんは花薄荷にマヨラナと片仮名をふっていた。堅い漢字表記にやわらかい響きの仮名がとても似合って夢のような心持ちがした。

 マヨラナがどんな植物なのか知らなかったので、ハーブの本を何冊か読んだ。小さな花をさかせる草花だった。マヨラナというのがマージョラムと同語源らし いこともなんとなくわかった。そして 同属のオレガノのことをワイルドマージョラムと呼ぶことも。
 どちらも見た目はよく似てる。スペインに生えているのはどちらだろう。両方とも生えているかも しれない。どちらでもいいことだけれど、ヒメネスが mayorana という言葉でどんな花のイメージを呼び出そうとしたのか気になった。

 プラテーロというのは作者のヒメネスが実際に飼っていた灰色のロバの名前だそうだ。日本語なら白銀号(しろがねごう)とでも言うのだと思う。ラプラタ川 (la Plata)のプラタと同語源の言葉だから。
 英語のプラチナとも一緒だけれど、英語を持ち出すと急にイメージが陳腐になる。紳士気取りの店員がぴかぴかのショーケースで守っているゼロが五つぐらい ついたブランドものの指輪なんて、この場合あまり想像したくない。

 モゲールはウェルバという街から大きな河を越えたところにある。何もない小さな村だった。どこかにヒメネスの記念館があるはずだったけれど、なんの準備 もせずにふらりとでかけたのでみつからなかった。だだっぴろい麦畑。まっすぐな畝を見れば巨大なトラクターで大規模に耕して作っているのがわかる。こんな のはヒメネスの時代にはなかったかもしれない。けれど、白い馬が荷車を引いていたし、村はずれの空き地で小一時間ぼーっとしていたのに、車一台通らなかっ た。バルセロナでオリンピックが開催される一年か二年くらい前のことだ。

育ってます
5月16日(金)
オレガノ
 オレガノがどんどん成長して写真のような状態。

 オレガノも虫に食われてる。食われた痕だけで虫のほうはみつからない。蛾の幼虫のような気がする。虫に食われた葉を切って捨てる。

 葉裏をめくってみると 卵がついていた。小さな白い卵。黒い点がひとつずつ。葉裏を埋め尽くすようにビッシリとならんでいる。

 小さくて形のそろったものがビッシリと並んでいる様子は脳内の嫌悪感をつかさどる部分をくすぐるような気がする。じっ と見つめていたらゾワゾワしてきた。そしてこれを人に見せたいと思った。日記にも掲示板にも VGA(640*480) くらいの大きな写真を貼って嫌がらせたい。けれども珍 獣様のカメラは大迫力虫卵写真が撮れるほど接写がきかないのだ。こうして世界の平和は守られる。ああ、つまらない。
 卵は孵化するとやっかいなので葉っぱごと捨てた(注:後日この卵はヨトウムシのものらしいことがわかる)。

 虫に食われるまえに食べてしまうべきだ。オレガノはすでに何度か摘み取って使ってみた。ドレッシングに入れるのもいいけれど、ラタトゥイユのようなトマ ト料理に入れると美味しい。
 ナス、ピーマン、タマネギ、ニンニクなどを油で炒めてトマトを加えて煮こむだけ。トマトは缶詰を使ってもいい。味付けは塩胡椒と砂糖をひとつまみ。トマ トを加えたあとにオレガノのみじん切りを加える。これだけでぐんと南欧風になる。炒める野菜はなんでもいい。ズッキーニなんかも合うし、セロリの葉っぱの ところなんかザクザク切って入れてもいいかもしれない。鶏肉を入れて煮こんでも美味しい。

 でも、こんな使い方じゃ沢山は消費できない。何かいい利用法はないものだろうか。ありがちなところで天麩羅にでもしてみようかな。

大雨で曲がってしまった
5月21日(水)
 昨日は夕方からものすごい雨で、場所によっては雷も鳴っていたようだ。ラベンダーを屋根のある場所に…と思ったら、横なぐりの雨だったようで 屋根のある場所の鉢も湿っていた。

 特にひどいのはオレガノ。全体に毛があるので毛の間に水をふくんでお辞儀をしてしまう。そのまま一夜を過ごして、まっす ぐに育っていたものがすっかり卑屈になり、土下座したまま頭だけ上げて空を見ているような状態だった。まあ、これが自然の姿なのかもしれないが。

 ついでだから、そろそろ収穫してしまおうか。このまま放っておけば確実に虫に食われるだけだから上半分くらい刈り取ってしまったらどうだろう。茎の途中 から新しい枝も出てきているし、そういうのを残しておけばまたのびるだろうから。

 問題は収穫したものをうまく乾燥させられるかということ。自宅で乾かすと、なぜか香りがとんでしまったりする。普通に陰干しする方法の他に電子レンジで チーンとやる方法もあるらしい。試してみよう。

垂れたオレガノ収穫しました
 

5月22日(木)
 収穫したオレガノを電子レンジで乾かしてみた。加熱した直後はオレガノの強い香りがしていたが、熱がとれると残りカスみたいな草の香りになってしまっ た。熱を加えすぎたのだろう。あとで料理に使ってみたところ、それなりに香りが残っていた。市販のもののようにはいかないが使える範囲だ。

 とはいえ長期間保存するのでなければ、乾かそうなどと考えないほうが無難かもしれない。冷蔵庫でも一週間くらいはもつし、いっそ小分けにして冷凍してし まうのも手かも しれない。この次は冷凍かな。いろいろ試してみなければ。

ヨトウムシ
7月25日(火)
 大阪府病害虫防除所 で、ヨトウムシ類の見分け方(PDF)をダウンロードしてみた。ヨトウムシというのはヨトウガの幼虫のこと。

 以前、オレガノの葉の裏にビッシリ生み付けられた卵を見たと書いたが、ヨトウガの卵にソックリだった。蛾の産卵にもいろいろあって、卵をひとつずつあちこちに生み付けるのと、ビッシリ並べてうみつけるのといるそうだ。ヨトウガはビッシリ派。

花が咲いた
6月30日(月)
 オレガノにつぼみがついた。
 
オレガノのつぼみと花
 

7月15日(火)
 

オレガノの花
オレガノの花
 
 ハーブの本に出ているオレガノの花は薄いピンク色だが、うちのは真っ白だ。なんという種だろう。グリーンオレガノ(Origanum virens)というのが、毛があって、花が白く、特徴が一致しそうなのだが、この手のものには品種違いも多くて、やはり見分けがつかない。

 オレガノはギリシア語で山の喜びを意味する言葉で、美の女神アフロディーテが愛した薬草だという。


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