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和名 マンネンロウ(ローズマリー)
別名 マンネンコウ(万年香)
学名 Rosmarinus officinalis
科名 シソ科
中国名 迷迭香
英名 Rosemary
冬〜翌年の春(品種によっても違う)
原産地 地中海沿岸

4月13日(日)

マンネンロウ(ローズマリー)  三年くらい前に苗で買ったローズマリーが花をつけた。今年の一月くらいからチラホラ咲きつづけ、このところの暖かさで花の数をましたようだ。三年そだてていて花をつけたのは今年がはじめて。

 ローズマリーはシソ科植物だそうで、花の形はシソに似て青く、蜜があるのか散った花にアリが集まってくる。まだつぼみが沢山ついているので、これから花盛りになると思う。

 同じ株から挿し木で増やした鉢もあるのだが、こちらには花が付かなかった。ある程度大きくならないと花がつかないのだろうか?
 

  ローズマリーのことを漢字で迷迭香と書く。これは中国の呼び名で香りの強いことからついたらしい。和名でも同じ漢字を書いてマンネンロウと読むが、こちらは語源がよくわかっていない。意味も通らないし、漢字の音読みでさえない。一説によれば、万年香と書いて、マンネンコウと読むべきところを、誰かがまち がえてマンネンロウと書いたのが最初ではないかと言われている。

 書きまちがいから生まれた名前だとしても、この植物にはマンネンロウという響きがよく似合う。英名の片仮名表記は薔薇の聖母(rose = 薔薇 mary = マリア)という意味だが、この植物の花はバラには少しも似ていない。

 そうかといって万年香だなんて直接的な名前も似つかわしくはない。もっと流動的で、形のないものがいい。それでいて、うんと存在感がなくてはいけない。たとえば大地にあたためられた春の空気のように濃くわき上がるような。

 もっとも、ローズマリーという英名は、ラテン語の rosmarinus から来たもので、本来の意味は海の露なのだという。この植物が海に面した崖にはえることから、くだけちる波のしずくから生まれた植物と思われていたからだ。
 そう言われてみれば、ローズマリーの香りはどこか海の匂いを連想させる。色にたとえれば緑色と青の中間。反射光ではなく透過光の色。海の底から見る空の色に似ている。少なくとも薔薇にたとえられるよりはずっといい。

4月15日(火)
ローズマリーの花
 ローズマリーの花。どうもうまく写らない。被写界深度というものを設定できないカメラで植物なんか写してはいけないのかも。じゃあ、何を写すためにカメラがあるんだよとわたくしは言いたい(家族のスナップとかコンパニオンのお姉ちゃんの写真なんてものは最初から眼中にないわたくし)。
 

4月28日(月)
 ローズマリーがだいたい咲き終わった。入れ替わりにタイムが花盛り。
 

5月11日(日)
 ローズマリーに種ができそう。花の咲いたあとに何かできてる。挿し木で増やしたほうが早そうなので種をとることまで考えていなかったけれど来年は種をまいてみようかな。
 

5月20日(火)
 ものすごい雨だ。夕方から土砂降り。やっぱりラベンダーを屋根の下に入れるんだったかも。
 ローズマリーに種ができてた。花の咲いたあとに、小さな黒い種が数個ずつ。とっておこうかと思ったけれど、今からとって来年まくんじゃどこかにしまい忘れてなくしてしまうだろう。散らばるにまかせることに決めた。運が良ければ勝手に芽がでてくるかもしれない。

 ふと思うのだが、外国産のハーブが日本在来の植物をおびやかすことはないのだろうか。タンポポなどは西洋から入ってきた種の元気がよすぎて日本在来のものよりもはびこってしまったという。

 在来のタンポポは一種類ではないし、すべての種にあてはまるかどうかわからないが、自家受粉では種ができないのだそうだ。同種の、けれど別の株から花粉をもらってはじめて種ができる。ところが外来のタンポポは、自分の花粉で種をつけるので、在来のものより増えやすいのだ。

 ほかにも、交雑によって在来の植物が消えて行く例もありそうだ。別の種どうしで受粉してできた種育ったものは、もとの植物とは別なものになってしまう。

 今のところ外国産のハーブが在来の何かをおびやかしている例は目立っていないようだが、こういうものは長い年月がたってから結果が出るものだ。外国のものばかり愛好することに、すこしばかりの後ろめたさと不安を感じる(と、いいつつ育ててしまうんだけど)。

剪定と植えかえ
5月下旬
 ずぼらな育て方をしているのでこの時期に剪定や植えかえをしていいのかどうかよくわからないが、いつもやっているし枯れる気配はないのでいいんじゃないかと思う。花が終わったら収穫をかねて枝を半分くらいに切ってしまう。葉はざっと洗って乾燥させておけば、料理にも使えるし、ハーブティーにもなる。塩と一緒にガーゼの袋に入れてお風呂に入れるのもいい。

 鉢を裏返してみて、穴から根が出ているようなら、土の中に根がまわっているはずだから、大きめの鉢に植え替える。鉢から引っ張り出してみると、土が鉢の形に固まってガチンガチンになっているはずだから、下半分くらいをほぐして(手でほぐしにくかったらハサミで根っこを切ってしまってもいい)、それから新しい土に植えてやる。

 ただ、聞いた話によると、ローズマリーは植えかえを嫌う植物だということだ。品種によっては上記のような乱暴な植えかえをすると枯れるかもしれないので、これを読んで信じ込まずに各自もっとちゃんとした園芸サイトで育て方を調べてほしい。

 珍獣様の場合、いちおうは育て方を調べるが、神経質になって過保護にするのもどうかと思うので、わりと行き当たりばったりにやっている。初めの年はうまくいかなくとも、翌年、翌々年とやっているうちに手加減がわかるようになるから不思議なものだ。

二度目の花?!
7月15日(火)

ローズマリー二度目の花

 七月に入った頃からローズマリーに花が咲き始めた。季節はずれの花なのですぐに咲き終わるだろうと思っていたら、いつまでも咲き続け、春先に負けないくらいの花盛りになっている。

ローズマリーのつぼみ

 接写に強いデジカメを買ったので、ローズマリーのような小さな花でもきちんと写る。やったね。これでもう文句いいながら写りの悪い写真を掲載しなくてもすむぞ!

ローズマリー二度目の花

 年に何度も花をつける植物もあるが、ローズマリーの場合どうなんだろう。ハーブの本を読むと、花期は 11〜5 月とある。もっともローズマリーにもさまざまな品種があるし、品種によって花の時期も少しずつ違うということだ。残念ながらうちにあるのが何という品種かはわからない。薄い青で、枝は半匍匐生といって、くねくね曲がりながら横へのびるタイプ。なんせ花が咲いたのは初めてなので、異常なことかどうかよくわからない 


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