正統カステラ系伝説
クラヴァット(投稿者:珍獣ららむ〜)
 クラヴァットというのはフランス語でネクタイのことである。

 太陽王ルイ十四世(注1)の時代、クロアチアから来た使節団がヴェルサイユの夜会に招かれました。王様の前に現れた使節団は、首に細長い布を巻いていました。
 クロアチア人たちの不思議なファッションに目を奪われた王様は、近くに控えていた家来に聞きました。
「あれは何かね?」
 すると家来は、てっきり「あれは何者か」と聞かれたと思いこみ、
「クラヴァット(クロアチア人)です」
と、答えてしまいました。
 ルイ十四世はこの細長い布飾りが大変お気に召して、翌日から似たような布飾りを首に巻いて宮廷に現れました。それを見た貴族の紳士たちがまねをしたのが今で言うネクタイのルーツとなりました。

 王様とその家来の勘違いから、フランスでは今でもネクタイのことを「クラヴァット(クロアチア人)」と呼ぶそうです。

桐生操・著 角川文庫
『やんごとなき姫君たちのトイレ』より
ルイ十四世はクロアチア人のネクタイを見て…
【用語解説】
ルイ十四世
 フランス国王。在位 1643-1715 

【関連情報】

ヨーロッパ各国語のネクタイ
 仏: クラヴァット (Cravate)
 伊: クラヴァッタ (Cravatta)
 独: クラヴァッテ (Krawatte)
 西: コルバータ  (Corbata)
 葡: クラヴァータ (Gravata)

◆回到首頁◆