カステラ系伝説
ブッポウソウ(投稿者:アヤコ)
 ブッポウソウは山地の森林で繁殖する鳥なのですが、平安時代頃、山を切り開いた寺院等で見られる様になり、しかも「仏法僧」と鳴き声が聞こえる為、霊鳥として崇められていました。
 ところが昭和に入ってから、実は「仏法僧」と鳴くのは、同じ環境の所に住まうコノハズクであって、ブッポウソウ自身の声はぜんぜん違った事が確認されました。
 鳴き声からその名がついた鳥ブッポウソウ。しかし、その声はブッポウソウ自身のものではなく、まったく別の鳥のものだと判明する……
 劇的などんでん返しを含み、物語自体はお話自体はおもしろいが、カステラ系伝説の基本構造をまったくそなえていないため、正統派とはみとめられない。
 

 なお、名前の由来にはなっていないが、同様の話はいくつか存在する。

その1
 平安時代の日本ではミノムシがチチヨと鳴くと信じられていた。ところが、その声はミノムシのものではなく、カネタタキというコオロギの仲間のものだった。
 

その2
 近年まで日本ではミミズがビーっと鳴くと信じられてきたが、あの声はミミズのものではなく、オケラが鳴いているのである。
 

その3
 夜中にあやしく鳴く声をきき、昔の人は「体が虎、顔がサル、尾が蛇」という化け物を想像してヌエと呼んでいたが、実際にはトラツグミという鳥の声である。

これはこれで、面白いかんちがいの例であり、カステラ系とはまったく別のジャンルとして収集すべきである。

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