カステラ系伝説サイト

誕生までの道のり

 それは、ちょっとした思いつきからはじまった。以下は掲示板のログであるが、ざっと目を通していただければ、だいたいの事情はわかっていただけると思う(多分)。「カステラ系伝説」とは何かを理解するためにもご一読いただきたい。
【親記事】

カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう投稿日:2002/01/08(Tue) 21:45:24

最近やったらおもしろそーだなと思うことに
「カステラ系伝説サイト」というのがあるのね。
決して、カステラについて語るサイトではなくて、
カステラという名前の由来譚に類する伝説ばっかり集めてきて
「すばらしい、これはまさしくカステラ系伝説だ!」
などと、認定してゆくという、ただそれだけなんですけど。

【レス記事】
Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう - 2002/01/08(Tue) 21:53:39
そもそもカステラの由来譚というのはどういったものかというと……

 時は元禄、かどうかはよくわかりません。日本男児がちょんまげ結ってた時代のおはなしです。
 ポルトガル人(スペイン人かもしれんのですが)が日本にやってきて、殿様に自分の国のお菓子を献上しました。
 日本にない甘くてふわっとしたお菓子が、すっかり気に入った殿様は、お菓子がのっていた皿を指さして
「すばらしい……これはなんというものじゃ?」
と、おたずねになりました。

 ところで、そのお菓子はポルトガル(スペインかもしれんのですが)のお皿にのっていたのですが、殿様が皿をゆびさしていたものだから、ポルトガル人(スペイン人かもしれんのですが)は、てっきり絵のことを聞かれたのだと思って、
「それはカステイラ(城)というものです」
と、答えました。

 こして、そのお菓子は「カステラ」と呼ばれるようになったということです。めでたしめでたし。

Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう - 2002/01/08(Tue) 22:01:02
もちろん、カステラの由来には諸説あるのですが、
ここで問題にしているのは「カステラの由来」ではなくて、
あくまで「カステラ系伝説」なのです。
たとえばどういったものかというと、
 

 かの有名なキャプテン・クックは、オーストラリアで不思議な生物を目撃しました。その生き物は長い尾を持っていて、後ろ足で跳ねてあるきます。そして何より不思議なのは、腹に袋をもっていて、メスは腹の袋で子を育てるということなのです。
 クックは現地人(おそらくアボリジニーであろう)にたずねました。
「あの生き物はなんという名前だね?」
すると現地人は現地語でこう答えました。
「カンガルー(わかりません)」
 こうして、オーストラリアにいる有名な生き物の名前はカンガルーということになりました。なお、現地人がわからないといったのは、生き物の名前についてだったのか、クックの話す言葉の意味についてだったのか、解釈がわかれるところであります。

Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう - 2002/01/08(Tue) 22:05:31
似たような話にインドリの由来譚なんかもありますね。

 ある探検家(または動物学者だったかもしれないが)が、現地ガイドとともにマダガスカルの密林にわけいると、見たこともない不思議なサルが姿を現しました。このサルは現地人でもめったに見ることができない珍しいサルでした。
 現地ガイドは思わず現地語でこう言いました。
「インドリインドリ!(見て見て!)」
 それを聞いた探検家(学者かもしれんのですが)は、てっきりサルの名前をインドリというのだとかんちがいしたのです。こうして、マダガスカルに住む白黒ツートンカラーの珍しいサルの名前はインドリということになりました。

Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう - 2002/01/08(Tue) 22:08:23
ところが
「カステラ」「カンガルー」「インドリ」と、
みっつあげたところで、ネタが切れたことに気づきました。
がーん、こんなのいくらでもありそうなのに、これしか知らない……

ほかに「カステラ系伝説」をご存じの方いらっしゃいます?

Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ひろこ - 2002/01/09(Wed) 08:42:00
イタリアに来てマスカルポーネを食べたスペインの提督が、
そのおいしさに思わず「マスカルポーネ!」
と叫んだのが語源と言うのを聞いた事があるのですが、
スペイン語でそう聞こえる言葉ってどういう意味なんだろ??
と調べた所、
「Mas que bueno!」マス・ケ・ブエノ、
日本語でいうと「めっちゃ、おいしい!」
だそうです。
Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう - 2002/01/09(Wed) 09:35:49
おお、すばらしい!
それこそまさしくカステラ系伝説なのです。
ここに第四のカステラ系伝説として正式に認定したく思います。

こんなネタこそみんなで持ち寄ってまとめると面白そう。
もうちょっと集まるようだったら
ほんとにサイトたちあげてしまおうかな。
(たぶん普段はほったらかしになりそうだけど、
新情報の投稿があるときだけ盛り上がるってのも悪くないかもだし)

Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう - 2002/01/09(Wed) 19:53:40
言い出しっぺが人にたずねるのもなんなのですが、
猫将軍の由来はカステラ系としてどうなのでしょうか?
 

 中国に猫将軍という神様がいるらしいんですけど、もとは安南(ベトナム)を征服した将軍で毛尚書という人を祀っていたそうです。ところが、毛と猫は発音が同じだったため、いつのまにか毛将軍→猫将軍となり、猫の姿をした神になってしまいました。
 

「カステラ系伝説」は、ちょっとしたかんちがいから
別のなまえをつけられてしまったモノの伝説ですが、
猫将軍は中国四千年のダジャレのせいで
モノそのものの形がかわってしまった例なので、
純粋なカステラ系とは言えないのです。
でも、微妙に近い路線を感じるので
準カステラ系とするのはどうでしょうか。

ちなみに、中国には猫鉄将軍という神様もいるそうです。
こちらは古い錨(いかり)を祀ったものだったらしいのですが、
錨と猫は発音が同じだったため……(以下同文)

Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ともいけい - 2002/01/13(Sun) 00:16:17
詳細は忘れてしまったのですが、チューリップも
勘違いから付けられた名前だったと聞いた覚えがあります。
Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう - 2002/01/13(Sun) 01:13:22
そういえば、チューリップの語源になった言葉は
ターバンだったって話も聞いたことあるのですが、
なんでターバンが花の名前になったのでしょうか?
Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:TAP(^^)/ - 2002/01/13(Sun) 01:36:30
ども。
チューリップの話をちょっと調べてみましたのね。
で、面倒だから以下に引用
>チューリップは、16世紀の半ばにトルコからヨーロッパに伝わり、その
>語源はトルコのターバン=「チュリパ」だといわれています。これは、チュ
>ーリップの花がチュリパに似ている事に由来しますが、最初にトルコ人の持
>っているチューリップを見た人が、「何の花か?」と聞いたところ、自分の
>頭の上のターバンを指しながら、「チュリパ」と答えたという話です。果た
>して、その時のトルコ人が、質問の内容を間違えたのか否かは定かではあり
>ませんが、トルコ語でもチューリップは「ターバンに似た」という意味の言
>葉だそうです。
>
だそうです(^^;
原文は http://www.shinnikkei.co.jp/exterior/zukan/add.html 此処ね。
多分、きっと、他にも諸説有るかと思いますがとりあえずってことで。
これを読むところでは、これは「カステラ系」ですな。
Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう - 2002/01/13(Sun) 11:03:42
おお、こうして見ると、たしかにチューリップ伝説は
カステラ系と言えそうですわ。

あらためて「カステラ系」の基本構造を整理すると、

・ある人が、初めて見たもの(A)の名前をたずねる
・たずねられた人は、何か勘違いして、別のもの(B)の名前を答えてしまう
・それからAはBと呼ばれるようになる。

構造を整理して、冷静に考えてみると、
ひろこ様のマスカルポーネ伝説は、
少しばかりカステラ系からはずれているようです。
 

・スペインから来た総督が、自国にないチーズを食べて「マスケブエノ」と言った
・その言葉がなまって「マスカルポーネ」となった。

カステラ系伝説の醍醐味のひとつは
「誰かに名前をたずねる」「たずねられた人が勘違いして別のことを答える」ところにあるわけで、
マスカルポーネ伝説には、残念ながらその部分か欠けています。

そこで、マスカルポーネ伝説は
第四のカステラ系あらため「カステラ系予備軍」とし、
チューリップ伝説を第四のカステラ系としたく思います。

Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう - 2002/01/14(Mon) 02:46:15
作りかけのページをここらへんにアップしました。

◎カステラ系伝説サイト
 http://chinjuh-hp.hp.infoseek.co.jp/castela/index.html

 マスカルポーネ伝説のように、かなり似ているけど微妙に基本構造がちがうものを「疑カステラ系」、猫将軍のように、まるっきり別の構造を持つもので、似たようなテイストのものを「偽カステラ系」としてみました。
 解説を追加して、できれば挿し絵なんかもあったりすると、もっと体裁がととのう気もするけど、それはまたいずれということで。

 なお「正統カステラ系」に分類されたものでも、その後の検証で「これはちがう」と認定されると、疑や偽につっこまれる可能性があります。

Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:アヤコ - 2002/01/14(Mon) 12:48:39
 はじめまして!
カステラ系にはまり、ついついしゃしゃり出てきてしまいました。
定義を踏まえていないので「偽」扱いになるかとは思うのですが、「ブッポウソウ」なんて如何でしょうか?
 山地の森林で繁殖する鳥なのですが、平安時代頃、山を切り開いた寺院等で見られる様になり、しかも「仏法僧」と鳴き声が聞こえる為、霊鳥として崇められていたとか。
ところが昭和に入ってから、実は「仏法僧」と鳴くのは、同じ環境の所に住まうコノハズクであって、ブッポウソウ自身の声はぜんぜん違った事が確認されたという話なのです。
 勘違いから違う名前がついてしまった、ってところは、なんとなく似ていると思ったのですが?
 まあ認定されなくても、参照までにって事で!
Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう - 2002/01/14(Mon) 13:52:15
アヤコさん、いらっsじゃい。
しゃしゃり出は歓迎です。どんどんしゃしゃり出てください。
でも、次回は疑や偽じゃなく正統ねらいでよろしくなのです。
というのも、疑カステラや偽カステラは
この世に大量に存在していることが予想できるため、
疑・偽ねらいの投稿を歓迎してしまうと、
すそのがはげしく広がってしまい、
カステラ系の本質をぼやけさせてしまいかねないからです。

いまのところ、正統カステラ系伝説の基本構造は

・ある人が、初めて見たもの(A)の名前をたずねる。
・たずねられた人は、何か勘違いして、別のもの(B)の名前を答えてしまう。
・それからAはBと呼ばれるようになる。
・この事件は異文化同士の接触によっておこる(ことが多い)。
 

アヤコさんのブッポウソウ由来譚は、
この基本構造から大幅にはずれているため、
残念ながら正統カステラ系伝説にはなりえません。
しいて加えるとすれば「偽」になってしまいます。
「正統」のなんたるかを知るための材料として
「偽カステラ」に分類し、記録しておこうとおもいます。

みなさん
手がかりにすべきは「正統」であって、
疑や偽を参考に伝説を探求してはなりません。
あくまで「正統」をねらいでよろしくおねがいします。

Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう - 2002/01/14(Mon) 14:08:02
ところで、トルコ人のターバンは、どのような形をしているのでしょう?
本当にチューリップに似ているのでしょうか。

正統カステラ系伝説では、
Aの名をとわれて、Bの名を答えるにあたって、
AとBに関連が薄いほどおもしろみが倍増するような気がします。
カンガルーの語源である「わからない」
インドリの語源である「見てごらん」
どちらも、もとの物体の形や性質にはまったくちなんでおらず、
明後日の方向をむいていると言えるでしょう。

ところが、チューリップ伝説はというと、
TAP(^^)/さんがみつけてくれた文章でははっきりしませんが、
いくつかの資料をあたってみると
「トルコ人通訳が『ターバンに似た形の花』と答えたのをかんちがいして……」とあり、
だとすればチューリップの名前は、間違いなくチューリップにちなんだ名前ということになってしまいます。

では、チューリップは「疑」なのでしょうか?
いええい、そうではありません。
もし、チューリップを「疑」としてしまえば
カステラの由来説話すら「疑」となりかねません。
なぜなら、カステラは城には似ていませんが、
カステイラ地方のお菓子がルーツであり、
カステイラ地方の地名もまた、城にちなんでいるため、
カステラと城は、充分にかかわりのある言葉だからです。

Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:アヤコ - 2002/01/14(Mon) 20:52:32
基本構造を踏まえて、再チャレンジさせて頂きます!
確かカクテルも同じ様な由来があった気がしたのですが、うろ覚えだったので、ちょこっと調べてみました。

<雄鶏の尾羽(コックテール)由来説>
昔、メキシコのユカタン半島にイギリス船が到着しました。
船員が酒場に入ると、少年が皮を剥いた木の枝でミックスドリンクを作っていました。
当時、イギリスでは酒はストレートで飲む習慣しかなかったので、珍しく思い「それはなに?」と尋ねたところ、少年は、「コーラ・デ・ガジョ(スペイン語で雄鶏の尻尾)です。」と答えました。
実はそれは、お酒を混ぜるのに使っていた木の枝の形が、雄鶏の尻尾似ているので少年が名づけた愛称で、彼は木の枝について聞かれたものと勘違いして答えてしまっていたのです。
これ以降、英訳で「テール・オブ・コック」と呼ばれるようになり、やがて、コックテール、カクテルと変わっていった・・・とのお話。

カクテルの由来については諸説あるようですが、その中のひとつだそうです。
どうでしょうかね?

Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう - 2002/01/14(Mon) 22:50:18
おお、これならたしかに正統カステラ系といえますね!
第五のカステラ系としたく思います。
それにしても、
「ニワトリの尾」という名前の木の棒とはどんなものでしょう。
アイヌのイナウのような削りかけ付きの棒だったのでしょうか。
Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:涜神犯人 - 2002/01/17(Thu) 12:50:47
明かりのことを「でんき」と呼ぶのは?
……なんかチョット違う……
Re: カステラ系伝説サイト 投稿者:ちんじゅう - 2002/01/17(Thu) 15:13:26
↑それはまったく不可
「陶器を瀬戸物という」とかいうのも
カステラ系ではありません。

あくまで「伝説」をあつめているのであって、
物語になっていないのはダメなのです。
そういう意味では、ブッポウソウや猫将軍もまったく不可なのですが、ダメな例として偽にサンプルしてあるわけです。

「疑」以上ねらいでよろしく。

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