ニンジンの皮は乞食にむかせ、瓜の皮は殿様にむかせよ
ニンジンの皮は薄くむけという意味。ニンジンは土の中で育つので農薬をかぶることもない。また外側から養分を蓄えるので皮の部分に栄養があって美味しい。不器用で大ざっぱな殿様仕事でむいたのではもったいない。
同じような言葉に「柿とリンゴはケチむかせて、瓜とスイカは殿様にむかせろ」というのがある。これは柿やリンゴは皮に近いところが甘いのに対してウリ科の果物は中心が甘いということを言っている。
この手の諺は枚挙にいとまがない。リンゴについては「金持ちにむかせろ」という逆の諺もある。これは皮に近いところは農薬がしみているので厚くむけということだ。似たようなものに「ジャガイモの皮は金持ちにむかせろ」というのもある。芽に毒があるので皮とともにむきとってしまえということだ。
人参のんで首くくる
この言葉をニンジンにまつわる諺としてとりあげるのは間違いである。この場合の人参とはチョウセンニンジンのこと。
チョウセンニンジンは滋養強壮効果がすばらしいことからあらゆる難病に効くと言われていた。しかし江戸時代のチョウセンニンジンはほとんど輸入に頼っていたため非常に高価で、人参を飲んで病気は治ったが借金がふくれあがって首をくくって死なねばならぬという風刺のきいた言葉なのだ。
ピーターラビット
イギリスの女流作家ビアトリクス・ポターによる絵本。1893年に友人にあてた絵手紙をもとに、1901年絵本として自費出版。翌年フレデリック・ウォーン社からメジャーデビュー(っていうのか?)して有名になる。主人公のピーターラビットは作者が小さい頃に飼っていたウサギをモデルだという(参考>World
of Peter Rabbit)。
このウサギが丸かじりしているニンジンのうまそうなこと。真似して生かじりしたことのある人は多いのではないかと思う。なお、ピーター御用達のニンジンは、現在よく見る先まで太いものではなく、先が細いニンジンであることも見逃せない。