和名 | シロオビアワフキ |
別名 | 泡吹虫(幼虫) |
中国名 | |
科名 | アワフキムシ科 |
学名 | Aphrophora intermedia |
出現期 | 初夏 |
食草 | 幼虫はマサキ、クワなど様々な草木の汁を吸う |
採集地 | 東京都葛飾区 |
2004年5月11日撮影 初夏の野山で上の写真のようなものを見たことがありませんか?これは泡吹虫といって、この泡の中に小さな虫がいるのです。泡をどけてみると…?
こんな虫がでてきます。上半身が黒く、下半身は赤くてぶよぶよしています。これはシロオビアワフキという虫の幼虫です。幼虫は木や草の汁を吸って、ねばっこいおしっこをします。そこに息を吹きかけて泡を作ります。そうやって作った泡にもぐって身を守っているのです。 |
幼虫同士かたまって暮らしているので、下の写真のように複数の虫がひとつの泡の中にいることもあります。
色や形が違って見えるのは、成長度合いの違いです。若い幼虫は腹が赤く、成熟してくると黒っぽくなるようです。羽化寸前になると、腹に白いまだらが現れます。 あちこちで泡をかきわけて中の虫を見ているうちに、下の写真のような真っ黒なやつもみつけました。たぶん同じ種類の虫だと思います。 2004年5月25日撮影
本当に同じ種類なのか確かめたくて飼ってみようと思いました。泡吹虫をたかっている草ごと持って帰って活け花用の吸水性スポンジに刺し水を与えることにしました。羽化に失敗する虫がいることを考えて、成長度合いの違う虫を何匹も連れて帰りました。 持って帰った草はギシギシという丈夫な草です。家に帰るまでにかなりしおれてしまいましたが、水を吸わせると復活して新しい根っこさえのばし始めました。 ところが肝心の泡吹虫はこの環境をちっとも気に入ってくれません。最初は草にとりついて汁を吸っていたようですが、どういうわけかうまく泡を作れなかったようです。次第に乾いていき、あちこち歩き回って新しい草を探しているようでしたが、そのうちみんな死んでしまいました。 切り取られた草が吸い上げる程度の水分量では足りないのかもしれません。それとも水道水が体に悪かったのかもしれません。草を固定するのに使った吸水性スポンジの成分にも関係しているかもしれません。原因は無数に思いつくのですが、どれが致命的だったのかは今もまだわかりません。 |
飼育には失敗しましたが、幼虫のいるクワの木を見に行くと、ちょうどオトナになったばかりのシロオビアワフキをみつけました。
これが成虫です。写真ではちょっと見にくいかもしれませんが、翅の一部に白い帯があるでしょう。だからシロオビアワフキです。 成虫の左上に写っているのは抜け殻です。セミの抜け殻に似てますね。シロオビアワフキは 10mm 程度の小さな虫ですが、セミとは遠縁にあたる仲間です。 |
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