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和名 スゲドクガ(菅毒蛾)
別名  
中国名 芦毒蛾
科名 ドクガ科
学名 Laelia coenosa
出現期  
食草 スゲ類、ガマ、ヒメガマ、アシなど
採集地 東京都葛飾区

葦原の金毛虫
2004年6月3日撮影

 上の写真はスゲドクガという蛾の幼虫です。葦原の目にも鮮やかな緑の中に、まばゆいばかりの金色に輝く毛虫です。全身に金色の毛をまとい、背中にはきちんと切りそろえられた金の房毛をならべ、頭と尻にはまっすぐで長い房を、角のようにはやしています。体長は 30mm くらいですが、長い毛のせいでもっと大きく見えます。

角のような房毛と背中のブラシがチャームポイント
2004年6月3日撮影

 スゲドクガの幼虫は、名前のとおりスゲ類(カヤツリグサ科)を食草にすることで知られています。ガマ(ガマ科)やアシ(イネ科)の葉も食べます。下の写真はアシの葉を食べているところです。
 

アシを食べるスゲドクガ
2004年6月3日撮影
(クリックで顔の拡大)
 
 スゲドクガは地上で繭になります。アシの葉の上で、自分の毛をたっぷり織り込んだ金色の繭を作ります。こういう繭をたくさんみつけたので一個だけ持って帰ることにしました。
金色の繭
2004年6月3日撮影
 
 持ち帰る間に繭が葉っぱからとれてしまったので、厚紙に両面テープで固定しました。それから一週間後…
王者のようにマントを羽織り…
2004年6月11日撮影
(クリックで前向きの写真)

 クリーム色のマントを羽織った美しい蛾が出てきました。櫛のような立派な触角があるのでオスです。メスの触角は形良くととのえた女の人の眉毛のように細い触角を持っています。

前足を投げ出して座るスゲドクガ
2004年6月3日撮影

 この虫によく似たものに、スゲオオドクガ(菅大毒蛾)というのがいます。図鑑によればスゲオオドクガは「顔が黄色っぽく前翅に濃い部分がない」というのですが、残念ながら実物を見たことがないので比べようがありません。スゲオオドクガは関西に多いそうです。

 また、角のような房毛のある毛虫にヒメシロモンドクガがいます。こちらは色が赤と黒でどぎつく、サクラやバラなど、バラ科の樹木の葉を食べます。また、ドクガ科の幼虫には歯ブラシのような房毛のある毛虫が多いです。

やや若い幼虫
2008年8月27日撮影
(クリックで指との比較)

 やや若く、背中の歯ブラシもあまり目立たない若い幼虫です。二齢か三齢でしょうか。

寄生虫に食い破られた繭
2008年8月27日撮影

 これは繭ですが、どてっぱらに穴が開いているので、寄生虫にやられたものだと思います。中の蛹はすでに死んで、寄生虫(おそらく蠅)はすでに出た後でしょう。


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