ぐんま昆虫の森への長い道
主に道順の紹介。
どんな昆虫をみられるかは、行ってみてたしかめて。
ぐんま昆虫の森は、いわゆる昆虫園ではなく、
歩きやすいように整備した山です。
虫はふつうにたくさんいるし、鳥や野草も見られます。
◆アクセス
東京方面からぐんま昆虫の森へ電車で行くには、以下のようなルートがある。
JRを使う方法
上野駅--JR高崎線--前橋駅--徒歩かバス--中央前橋駅--上毛電鉄--新里駅--徒歩かバス--昆虫の森
上野駅--JR高崎線--前橋駅--徒歩かバス--中央前橋駅--上毛電鉄--新川駅--徒歩かバス--昆虫の森
上野駅--JR高崎線--前橋駅--徒歩かバス--中央前橋駅--上毛電鉄--赤城駅--徒歩かタクシー--昆虫の森
東武伊勢崎線を使う方法
浅草駅--東武伊勢崎線--赤城駅--徒歩かタクシー--昆虫の森
浅草駅--東武伊勢崎線--赤城駅--上毛電鉄--新川駅--徒歩かバス--昆虫の森
浅草駅--東武伊勢崎線--赤城駅--上毛電鉄--新里駅--徒歩かバス--昆虫の森
今回は緑の文字で書いたルートで出かけてみることにした。
浅草・赤城間はりょうもう号という特急が走っている。
◆北千住駅 8:15
うちからだと浅草より北千住が最寄り。
群馬方面への時刻表を見ると、
・8:25発の太田行きの区間準急
・9:01発の赤城行きの有料特急りょうもう号
の二種類があった。
駅員さんにどちらがどのくらい早く着くか聞いたところ、
「太田までは準急が先につき、赤城まで行くならりょうもう号が30分ほど早い。
準急で太田まで行き、りょうもう号にのりかえると特急料金が半額ですむ」
とのこと。
遅い特急にわざわざ金払うこともあるまい。
というわけで、まずは区間準急で太田駅まで行くことに。
◆太田駅 10:03
太田駅到着。ここまで1時間48分。遠いような、近いような。
ここから赤城駅まで鈍行でも25〜28分くらい。
りょうもう号だと……えーっ、27分? 鈍行と変わらなーい!
でも、時刻表を見ると次の鈍行は10:48発。
りょうもう号だと10:17発……なるほど、そういうからくりか。
先を急ぐのでりょうもう号に乗ることにした。
太田から赤城までの特急料金は500円。
りょうもう号は全席指定。中はグリーン車的(30年くらい乗ったことがないが)で乗り心地がいい。
特急料金は浅草(北千住)から赤城までは1000円、太田から赤城までなら500円也。
りょうもう号に乗るのは初めて。
太田から先は三つの駅にしか止まらないはず……なんだけど、
なぜか通過駅でピタッと止まって動かなくなる(でもドアはあかない)。
信号待ちかなにからしい。鈍行と走ってる時間が変わらないのはそのせい。
太田からりょうもう号を使うメリットは、
田 舎 な の で 鈍 行 列 車 の 本 数 が 少 な い か ら
以外の何ものでもないらしい。さすがだ、群馬県。いや、むしろ東武鉄道クオリティ?
豆知識(電車に乗ってると知りたくなるはずなので)三枚橋 駅名
治良右衛門がかけた三つの石橋に由来している。
りょうもう号の通過駅だけど、
止まってるみたいな徐行で通り抜ける。
ならいっそ止めてくれ。治良門橋(じろえんばし) 駅名
洪水で橋が流されて困っている村人のために、
天竺治良右衛門(てんじくじろえもん)が
石の橋をかけたという話に由来している。
りょうもう号の通過駅だけどなぜか止まる(降りられない)。
◆赤城駅 10:44
赤城駅に到着。赤城山の登山口があるから赤城駅。
ちなみに、北千住からここまでの電車賃は
普通運賃 940円
特急券(太田から) 500円 ←北千住からなら1000円ね
目的地のぐんま昆虫の森へは、上毛電鉄の新川駅・新里駅からバスがあるらしいんだけど、
事前に調べたところ一日に五往復くらいしかなく、次のバスは11時半くらい。
赤城駅からは距離的には3kmほどで、歩いても30分程度であるとのこと。
なら、徒歩。徒歩決定。
◆ひたすら歩く
道順も事前に地図を見てきたんだけれど、
県道78号を北上、途中から国道122号になって、国道353号を左に、
あとはひたすらずんずん歩く……という感じらしい。
まず駅を背にする。
右手にロータリーを見る感じで前を見ると、信号がある。
ここが県道78号らしい。うんうん、地図の通り。
北へむかって、てくてく歩いて行くと、道標が見えてくる。
ここでは73号(伊勢崎方面)じゃなく、国道122号(日光・足尾方面)に向かうこと。
さらに北へ、てくてく歩いていくと、また道標。
今度はぐんま昆虫の森への案内もついてる。
矢印に従って国道353号(渋川方面)へ。
ここまでは誰でも歩ける。
赤城駅から来ると、国道353号への曲がり角はやけに狭くて目立たない。
駅を背にして左手によく見ると写真右上のような案内があるけれど、うっかりすると見逃す。
むしろ車だと「ここじゃない、もっと先」って通り過ぎてしまいそう。
車で来たら駅からの道なんか通らないだろうけどね。
この先、歩道は狭いし車は通るし、かなり歩きにくい。
しかも、土地勘がないと「ほんとにこの道であってる?」と始終不安になる。
普通の人は赤城駅からタクシーに乗った方がいいと思うんだけど、
歩くぜって人のために、また自分がもう一度行く時のために
途中にあるものを写してきた。
1.右手に新井石材店(庭にド○えもんがいる)
←これは何者?
2. 右手にコンビニ(セーブオン)
お弁当を買いたいならここが最後のチャンス。
昆虫の森まで行っちゃったら何も食べられないと思って正解。
正確な場所は忘れたけれど、
353沿いで道の左手に素敵っぽいカフェ(駐車場あり、営業してる)と
道の右手にピザだかパスタだかの店(駐車場あるっぽい、わかりにくいけど営業してる)があった。
3. 左手に酒屋(地酒赤城山の看板)
このあたりで道が左へカーブしてる。
ここまでそうとう歩いてる。そろそろ不安になってくる。
正面に土手っぽいものが見えるのはその向こうにダム湖があるかららしい。
寄り道してるとたどり着かないので見に行ったりしないように。
4. 左手に桐生市の道標
5. 左手に新里村お角サクラの案内(車だと見えないかも)
立派なサクラの古木がこの道しるべの先にあるらしいんだけど、
どこにあるのかはわかんない。
寄り道してるとたどり着かないので見に行っちゃダメ。
この先は少し坂道になっていたと思う。
坂を上り詰めたあたりに……
6. ぐんま昆虫の森の道標
やっと道しるべがあったー。
ぐんま昆虫の森の道しるべを見たら、矢印に従って左へ。
ここも細いので車で行くと見落としやすいかもしれない。
曲がってしまうとその先は道が広くなっているけど。
↓これは曲がってから少し進んだあたり。道が下ってる。
途中に左へ曲がる道なんかもあるけど無視してまっすぐ。
このあたりに駐車場こっちなどの看板がたっているので
「もうすぐそこ!」と思いがちだけれど、ダマされてはいけない。
ここらの看板は車用で、歩いてる人のことは考えてない。
写真をとりそびれたけど、
坂道を下ったところあたり右手に小さな池がある。
左手は開けていて田んぼになってる。
そこから先は、また道が登りはじめる。
目的地はまだ先。さらに進む。
7. え、ここが?
あたりに民家はないし、いよいよ山奥っぽくなってくる。
ほんとにこの道でいいのかと不安になる頃、右手に「県立ぐんま昆虫の森」の看板。
でも、看板があるだけで矢印がついてない。
え、もしかして、ここが昆虫の森?
……この山全部か!!
すると、さっき右手に見えた小さな池も施設の一部なんだな。
入り口はどこなんだよー。
8. 坂道のてっぺん、左手に民家
写真じゃわかりにくいけど、左手に民家らしき建物。
ここまで来たら目的地はもうすぐ。
9. 左手に大きなガラスのドームが見える
坂道をのぼりつめると急に視界がひらける。
少し歩くと左手に大きなガラスのドームが見えるので、
それが、県立ぐんま昆虫の森。
やっとついたー。でも、入り口は駐車場を迂回してずーっと向こうの方。
あたしゃ迷わずガードレールをまたいだね。
ここまでだいたい30分くらい。
でも、知らない道なのでもっと長く歩いたような感覚になる。
悪いこと言わないからタクシーを使うべき。
赤城駅からならタクシーに乗れる。
新川駅・新里駅にはタクシーはいないので注意。
◆ぐんま昆虫の森着 11:15ごろ
とりあえずバスを使うより早くついたので苦労したかいはあった。
入り口で地図を見る……うーむ、広い。ちょっとなめてた。
もう少し小さな施設だと思っていた。
赤城駅方面から来ると、この地図の右下あたりに着くんだけれど、
ここにも入り口があったら楽なのにね。
税金の無駄ともっぱら大評判の箱物。
道から見えてたガラスのドームはこれ。
人との比較でどんだけでかいかわかると思う。
左手に巨大な温室があって南洋の昆虫をたくさん飼ってる。
でも、この温室は施設のごくごくごく一部で、
ぐんま昆虫の森は屋外がメイン。
あたりの山全体が昆虫の森。
広くて立派な図書室とかもある。
昆虫や、昆虫の餌になる植物のことならなんでもわかりそうな品揃え。
司書さんも昆虫にくわしい。
家が近かったらまちがいなく入り浸るね。
図書室の入り口に食堂もあるんだけど、
はっきりいって食べるものは何もない。
飲み物と、チュロスみたいなお菓子ならある。
食事はカレーライスのみ。
午前中から来る人はお弁当必須。
屋外エリアはほんとうに広くて、
順路にある道しるべには「○○まで700m」とか
「出口まで1200m」とか、尋常じゃない距離が書いてある。
ゆっくり見ようと思ったら一日がかり。
そういえば屋外エリアの広さがわかるような写真をとってない。
昆虫の写真はいろいろとったんだけどねえ。
赤城山南面にむかしよくあった茅葺きの民家。
屋根の一部が欠いてあるのは、
二回でお蚕さんを飼うための明かり取りらしい。
中には養蚕の道具が展示されてたりする。
これ懐かしい。回転まぶしっていうんだっけ?
糸をはきはじめた蚕をこの器具にはわせると、
それぞれ自分の部屋をみつけて繭をつくりはじめるの。
蚕が上へのぼろうとする性質を利用していて、
蚕が上のほうに集まってくるとパタンと回転するようにできてる。
何度も回転してるうちに、
各部屋に蚕がむらなく入っていく仕組み。
碁盤の目状になってる部分は紙製でコンパクトに潰せるようになってる。
普段は取り外して潰して保管しとくんだよね。
繭をつくらせる時期にたき火であぶってセットするの。
繭は手で押したらころっと出てくるんだけれど、
歯の太い櫛(くし)のような専用の道具があって、
一列分いっぺんに取り出せたりね。
養蚕の道具は実はとても面白い。
30年くらい前まで群馬のあちこちの農家に
こういう道具がふつうにあって、蚕を飼ってたよ。
◆とりあえず帰るか 14:30ごろ
一日いても退屈はしないんだけど、
ちょっと伊勢崎方面に寄り道して帰りたいので引き上げることに。
歩くと時間がかかるのでバスかタクシーを使いたいなあ。
園の人にバスの時刻を聞いたら
「次は15:50とかだけど……もう帰っちゃいます?」
「え、ええ、また来ます。タクシーは呼べますか?」
「呼べるけど……歩いても小1キロくらいですよ?」
「えっ、そんなに近いんですか?(誰がそんなことを信じるかよ)」
「新里駅までなら、そんなもんだと思いますけどねえ」
「えー、じゃあ歩きます。道を教えていただけますか?」
「出口の前の道を右へ、次の十字路を左へ。
ずっとまっすぐいくと突き当たるので右へ、←あやしい
さらにまっすぐいくと、また突き当たるので右…… ←ぜったい変」
「右? 左じゃなくて(なぜかツッコミを入れられるわたくし)」
「あっ、そうそう。左です。左」
「確認すると、園を出て右へ、次の十字路は左。つきあたったら右?」
「違います、左です。全部左」
「最初の十字路だけ右で、あとは全部左?」
「そうですそうです。十字路から最初のT字路まで、小1キロだと思うんですけどねえ。
そのあたりにモニョモニョ(聞き取れず)館というところがあって、
煙草の自販機などがありますが、わかりますか?」
「わかりません。とにかく、そこを左ですね。そして、次のT字路で左」
「そうです。あとはまっすぐ行って信号の向こうが駅ですから。
途中でちゃんと左へ行かないと、○○学校のほうへ行ってしまって遠回りです」
「そ、そうですか。行ってみます」
大丈夫かな、こんなんで(笑)
◆また歩きか
園を出て右、これは大丈夫だった。赤城駅と逆方向ね。
次の十字路を右……って、ううむ、まわり田んぼばっかり。軽く不安。
少し歩いていくと、途中に左へ曲がる道があった。
でもこれは曲がらずにまっすぐでいいんだろうな。突き当たってないし。
とりあえず民家が何軒かあるから迷ってもどうにかなるだろう。
さらに進むといよいよ道が狭くなり、また分かれ道。
突き当たりとも、そうでないとも言えるような微妙な感じ。
左を見ると道が登っていて、うーん、この道は昆虫の森方向に戻ってるように見える。
じゃあ、右だ。右がまっすぐなんだろう。
さらに進むと……
おっ、自販機。
ここならまちがいなくT字路と言えそう。
突き当たりまで出て、左を見ると……おお、ナントカ館(鶴谷館)はここか。
煙草の自販機もあるし。読み方は「つるやかん」であってるのかな。
看板に鶴谷温泉とあるけれど、温泉は廃業してやってないみたい。
で、ここを左ね。ふむふむ、道はあってる。
ここまですでに1kmくらい歩いたと思う。
さらにずんずん歩く。途中で虫の写真なんか撮ったりしたので
どのくらい歩いたかよく覚えてない。
二番目のT字路に到着。
目印があんまりないけどあきらかに突き当たってるので行けばわかる。
ここも左へ。
さらにどんどん歩いて行くと、急に賑やかな十字路に出る。
右手にJA(農協)のなんらかがあって、
向こう側にはデイリーヤマザキらしきものがあるけどやってない。
十字路の名前は「小林」
ここは信号を渡ってまっすぐ。
すぐそこが上毛電鉄の新里駅。
ぐんま昆虫の森からここまで 2km くらい。
道さえわかれば赤城駅から歩くよりこっちのほうが近いなあ。
でも、上毛電鉄もそうとうなローカル線だから、
乗り換えを考えると赤城駅から歩いて正解なんだろうなあ。
◆新里駅 15:10ごろ
上毛電鉄は無人駅がたくさんあるローカル線。
電車の本数は一時間に二本くらいだから、田舎としてはフツー。
ここから東京方面に帰るなら、赤城駅へ戻って東武線に乗りかえるか、
中央前橋駅まで行き、徒歩かバスでJR前橋駅へ行き、両毛線・高崎線で上野へ。
位置関係
西桐生----赤城----新里----中央前橋
今回は伊勢崎に寄って帰りたいんだけれど、桐生でも前橋でも、どっちでも同じなんだよねえ。
時刻表を見たら西桐生行きの電車がまもなく来るというのでそっちにする。
新里駅は人のいる駅なので切符を買える。昔懐かしい厚紙の切符に
ちゃんとハサミを入れてくれる。
電車好きの人は絶対乗ったほうがいいよ。
入り口にバスみたいな整理券箱がついてる。
無人駅ではこれをとって乗る。
先頭車両にはバスみたいな料金箱と料金表がついてる。
無人駅に降りるときは、ここでお金払って降りる。バスと同じ。
運転手さんが出てくるのでキセルはしにくいよ。
むかし乗った時は、こんな料金箱もなかった気がする。
無人駅に降りると、乗る時に買った切符を渡す人もいない。
駅の出口にいろんなとこからの切符が放置されてて面白かった。
25年くらい前の話だけどね。
◆西桐生駅 15:37
西桐生駅は古い建物のまま営業中。
1928年開業で、今は有形文化財に指定されてる。
ここからJR桐生駅までは 300m くらい。歩いてもすぐ。
駅を背にするとセブンイレブンがあるので……
セブンイレブンの前の道をまっすぐ行けばJRの駅につく。
この写真でいうと真ん中の道を入ること。
このあと、両毛線で伊勢崎へ行き、昔住んでた街をぐるぐる歩き回って、
伊勢崎駅から東武伊勢崎線に乗る。
時刻表を見ると、いまどきは太田止まりの電車ばかりなのね。
昔は浅草まで乗り換え無しの電車がけっこう走ってた気がするんだけどな。
まっすぐ北千住まで帰る予定なんだけど、
わざと太田までの切符を買った。
太田駅からりょうもう号に乗りかえた。
りょうもう号は全席指定で特急券がいるんだけれど、
なぜか車掌さんが検札に来たのは北千住に到着する直前。
それまでの駅に降りる人はどうしてるんだろう。
ホームに特急用の改札口でもあるのかなあ。
車掌さんに運賃を精算してもらった。
こういう精算用紙を見るのも久しぶり。