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和名 ヒメマルカツオブシムシ
別名  
中国名 姫圓鰹節蟲
科名 カツオブシムシ科
学名 Anthrenus verbasci
出現期  
食性 動物の死体や乾物、衣服など
採集地 東京都葛飾区・江戸川区


 
 
毛むくじゃらの虫 2000年4月11日撮影  
 
 去年の秋にひろってきたカマキリの卵から、毛むくじゃらな虫が誕生して春らしい感じです。
 
 よく見ると足が六本ついているので、昆虫らしいのですが、カマキリの卵に寄生する虫なんかいるのでしょうか?
 
 
 
 掲示板で聞いたら、カマキリの卵のようなものから出てくるとしたらヒメマルカツオブシムシではないかと教えてくれた人がいました。ただ、ヒメマルが「毛むくじゃら」ってことはないだろうというのです。
 たしかに図鑑に出てるヒメマルさんの写真は短い産毛のようなものは生えてそうですが毛むくじゃらではありません。けれど上の写真のものは、本当に毛むくじゃらでした。
 そこでもうちょっと調べてみたところ、ヒメマルさんは幼虫の頃に長い毛を持っているんだそうです。上の写真の虫はまだ幼虫なんですね。
 

 ヒメマルカツオブシムシの幼虫は動物の死体やカマキリの卵などを食い荒らして生活しています。箪笥(たんす)の中にまぎれこんで洋服を食い荒らすこともあります。博物館などで小動物の骨格標本を作るときに、人の手では落としにくい肉をカツオブシムシに食べさせると聞いたことがあります。

 ところが成虫になると肉食をやめて花の蜜を吸って暮らしてるらしいです。防虫剤の宣伝でカツオブシムシのことを言ってたこともあるので害虫のイメージが強いですが、悪さをするのはお子さま時代だけなんだそうです。
 
 

[追記]
 カマキリタマゴカツオブシムシ カマキリの卵から出てくるカツオブシムシには、そのものズバリカマキリタマゴカツオブシムシ(学名:Thaumaglossa rufocapillata
というのがいるのだそうです。読者の方からも、そっちではないかとメールでご指摘をいただいたのですが、このとおり写真が古く不鮮明なので見分けがつきません。

 手がかりになりそうなことといえば、このカマキリの卵嚢をみつけたすぐ近くの花壇で大葉春菊の花を咲かせたことがありまして、花に口で説明できないくらい大量のヒメマルカツオブシムシがたかっているのを見ました。こっちは成虫を確認したのでヒメマルだったと思います。

 というわけで、上の写真のものは、たぶんヒメマルカツオブシムシだと思うんだけど、ひょっとするとカマキリタマゴカツオブシムシなのかもしれません。

 

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