いちばん左端の写真だけは、わたくしが自らシャッターを押したものなのです。
どうも、新しく買ったデジカメは接写するのがむずかしくて、ちゃんとマクロに設定しても
60センチくらい離れないと、いちばん写したいものにピントがあわないようなのです。上の写真も一見きれいに撮れているように見えますが、背景のほうにピントがあっていてテーマのはっきりしない写真になってしまっているのが珍獣的にはかなりムカツクのでございます。でも、動植物ってこのくらい寄ってとらないと迫力が出ないのよね。
それはともかく、ビッグサイトで出会った蛾の正体ですが、大きさや翅の形からスズメガ科だということはすぐわかりましたが、さて何者でしょう。生きたスズメガは、上の写真のように翅をとじてしまうので、図鑑に載っている写真とは印象がちがいすぎて正体当てに手間取るのですが、今回はわりとすぐにわかりました。
前翅(写真に写ってる翅のこと。後翅は前翅の下にたたまれている)の先と、体に近い部分が黒っぽくなっていること、前翅に黒い小さな点がひときわ目立つところを見ると、おそらくこれはモモスズメというやつでしょう。名前のとおり、幼虫はモモなどのバラ科の樹木の葉を食べるそうです。
なお、いちばん左の写真だけ他の写真と色がちがって見えるのはフラッシュをたいたせいだと思います。蛾の翅のもような光のかげんで色が濃くみえたりするので、これも図鑑の写真とみくらべたときに戸惑う原因になりそうなのです。まだ生きてるもの観察をすることが大事なのだとあらためて感じる瞬間でございました。
ところで、モモスズメのことを中国語では「桃六點天蛾」と呼ぶそうです。天蛾はスズメガのことで、モモの木につくから桃もわかります。六點(六点)とはなんのことでしょう?
実は、写真では撮せなかった後翅には、左右に 2個ずつ黒い点がありまして、前翅の点と一緒にすれば
6個の点、六點というわけなのです。
自然観察のつわものになると、つかまえた蛾の翅をそぉっとめくって見たりするようなのですが、そんなことをしてあのビロードのような翅が傷つかないかと思うと、安易にやってみようという気になれません。そんなときこそ図鑑の出番なのです。図鑑に載ってる写真は標本になったものを撮影しているので、翅の模様を見やすいようにきれいに開いてあるのです。図鑑に載っている死んだ生き物の写真にも、ちゃんと利用価値があるというわけなのです。
ちなみに、珍獣様がビッグサイトで何やってたかっていうと、べつにコミケを見に行ったわけじゃなくて、ペンギングッズ目当てで
Linux の祭りを見に行っただけでございます。でも不景気でどこのブースでもペンギングッズをくれないんですの。まったく、メーカーさんたちも青いわねぇ。コンパニオンのおねぇさんのナイスバディーに目をちばしらせるのはウブなゲイツユーザーだけなのよ。人を呼びたいならおねぇさんをひとりヘラしてもペンギン人形を配るべき。去年もらったソフビのペンギンを
Yahoo のオークションに出したら数千円の値段がついたほどなのよ。たしかにあれは可愛かったし、手触りがなごみ系で快感だったのよ。って何書いてるんだわたくしわ。
ペンギン狩りに失敗して落胆しているところでモモスズメと出会ってモデルさんになってもらったというわけなのです。今回は大人の魅力満載でしたが、次はお子様に出会いたいわたくしです。
写真のモモスズメは植え込みにとまらせておきました。
今回は江東区での出会いでしたが、地理的にそんなに遠い場所ではないので江戸川区・葛飾区でも見られるような気がします。