和名 | シロシタヨトウ 白下夜盗 |
別名 | ヨトウムシ(夜盗虫)…幼虫を指す |
中国名 | |
科名 | ヤガ科 |
学名 | Sarcopolia illoba |
出現期 | 年 2 回、春と夏に発生 |
食草 | さまざまな植物を食べる |
採集地 | 東京都葛飾区 |
2004年6月18日撮影 ベランダで育てているヤブカンゾウにアブラ虫がびっしりついてしまいました。花も終わったことだし、思いきって葉っぱを切ってしまうことにしました。 ばっさりハサミを入れたら、葉と葉の間に何かいます。なんと、体長 45mm はある立派な芋虫でした。ギリギリセーフのところで胴体切りをまぬがれたようです。 写真のものは終齢幼虫といって、もう少したつと蛹になります。もっと若い幼虫は緑色をしています。脇腹に白い線があるのも特徴です。
↑若いうちはこんな感じ 下の黄緑色の子は別の虫かも知れません 飼ってみようと思って近くにキャベツの葉を置いたところ、 「オイラの住みかはヤブカンゾウ。お天道様がまぶしいぜ」 と、わずかに残った葉っぱの隙間に隠れてしまいました。 彼はもうすぐ変身してオトナになるんです。今さら食生活を変えろというのは酷な話かもしれません。でも、ヤブカンゾウは丸裸になってしまったし、これからどうやって暮らして行くつもりでしょうか。 2004年6月18日撮影 次の日、シロシタヨトウ氏の様子を見に行くと、ヤブカンゾウの株にはいませんでした。やっと餌がなくなったことに気づいたのでしょう。どこへ行っちゃったのかなぁと思っていたら、近くのツルニンジンで幸せそうに葉っぱを食べてます。まだ昼間だぞ。お前ほんとうに夜盗虫(ヨトウムシ)か? 夜盗虫というのは、ヤガ科の蛾の幼虫のうち夜行性で昼になると土にもぐってしまう虫の総称です。ヨトウガ、シロシタヨトウ、ハスモンヨトウなど、種類がたくさんあります。 完全に夜しか活動しないわけじゃなくて、たまに真っ昼間から葉を食べてるヤツもいるようです。そういえばシロシタヨトウの幼虫は昼間からよく見るような気がします。 夜盗虫の仲間はとにかく何でも食べるヤツが多いです。中でもシロシタヨトウはネギまで食べるそうですよ。ネギの刺激臭や辛みは気にならないんでしょうか。そういえばラベンダーを食いあらしてるのも見たことがあります。 ツルニンジンに引っ越しできるならキャベツで飼えそうです。タッパーを改造した飼育容器にお引っ越し願いました。 2004年6月19日撮影 もともとヌルい虫好きなので、虫を飼うときも特別な道具はほとんど使わないんです。逃げる心配のないものなら蓋もしないで飼うことさえあるし。 今回は蛹になる時に逃げられそうな予感がするので蓋つきの容器で飼うことにしました。100 円で買ったタッパーに穴をあけて、三角コーナーにかぶせるメッシュの袋を切って貼り付けたものです。 キャベツを入れてやったところ、しばらく居心地が悪そうにじっとしていましたが、夜中にごそごそ動き出して食べ始めました。朝になるとキャベツの葉の隙間で寝ています。 様子を見て土をいれてやらないといけないかもしれません。夜盗虫は土の中で蛹になるんだったと思います。 |
それから 10 日後。
前日までキャベツをムシャムシャ食べていたのに朝見たら体をちぢめて動かなくなっていました。死んでいるわけではないようです。芋虫は脱皮する前、蛹になる前に、じーっと動かなくなることがあります。 あわてて飼育箱に土を入れてみたところ、もごもご動き出して潜っていきました。蛹になる場所を探していたのでしょう。羽化するのは来月末か再来月かな? ○ 8 月になりました。なかなか羽化しないので、蛹を掘り出してみることにしました。蛹をつぶさないようにそーっと掘ってみると、砂を糸でからげて作った繭が出てきました。 2004年8月11日撮影 シロシタヨトウの繭 繭といっても球ではなく、スプーンの先のような形をしたものです。どうやらこれを屋根にして、その下で蛹になっているようです。繭をどけると下から蛹が出てきました。
長さ 2cm くらいでしょうか。なんだかとても小さいです。あの立派な芋虫がこの小さなものになるなんて不思議です。蛹は無事のようですから、そっと繭をかぶせて砂をかけておきました。乾燥しないように霧吹きで水を吹いておきましょう。 ○ |
004年9月8日撮影
|
目次へ |