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和名 ベニシジミ
科名 シジミチョウ科 学名 Lycaena phlaeas 中名 紅灰蝶 撮影日 2003/08/18 撮影地 東京都江戸川区 特徴 ・前翅は明るいオレンジ色 ・後翅は灰色でオレンジの縁取り 写真のものは後翅が破けてしまっているようだ。翅が完全なもの>[3]
終齢幼虫を羽化するまで飼育
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2007年5月29日
ギシギシの葉裏にいるのをみつけて飼い始めた。体長は10mm程度だったと思う。 ダンゴムシかワラジムシのような形をしており、緑色で微毛がある。よく見るとうっすら赤紫の斑紋が見える。 ギシギシの葉脈にも同じような色の斑紋があるので(丁度写真にも写っている)保護色になっているのかもしれない。 ベニシジミ自体は珍しい蝶ではないが、幼虫は小さく目に付きにくい。 |
2007年5月30日
芋虫の成長は早く、朝と夜と見くらべても大きさが違うんじゃないかと思えるほど。 ベニシジミの食草はスイバ、ギシギシ、ノダイオウなどタデ科の植物。しかしタデ科ならばなんでもいいわけではなさそうだ。 この頃は新鮮な餌さえあたえておけば移動しようとはしなかったので、花びんにギシギシの葉をさして、テーブルの上に置いたまま観察していた。 |
2007年6月3日
急に餌をたべなくなり、花びんの葉から離れて歩き回るようになった。餌場にいないので慌てて探すとテーブルの裏に貼り付いていた。どうやら蛹になる場所を探しているらしい。 飼育箱に移して足場になるようなボール紙を入れてやる。小さな虫なので100円ショップにあるプラケースで充分だ。 幼虫はさんざん歩き回り、ボール紙にへばりついて蛹になる準備をはじめた。 |
動かなくなったところで取り出して撮影。まだ幼虫の色をしているが、5月30日の写真とくらべると形が少し違うことがわかる。
こういうのを前蛹といって、まだ幼虫だけど体が蛹になりかけている状態。つつけば身をよじって動くけれど、体が変化している途中なので、あまりつつかないほうがいいと思う。もう歩き回ったりはしない。 この写真ではわかりにくいが、どうやら頭は下(右下)らしい。ナミアゲハなどは頭を上にして蛹になるけれど、なぜかコイツは頭を下にして蛹になったようだ。これが正常なんだろうか? |
2007年6月4日
前蛹二日目。前日の写真とくらべると体が縮んでいるのがわかる。だいぶ蛹的な形になってきたが、まだ蛹ではない。頭は右下。 |
真上から撮影。頭は下。
蝶や蛾は蛹になる前に、かならず前蛹という状態になる。 蝶や蛾を飼うのは初めてという人が「うちで飼っている芋虫が動かなくなりました。対処法をおしえてください」というようなメールをくれることがあるが、大抵の場合は前蛹状態だったり、脱皮前だったりすることが多い。あまり心配せずに様子を見てほしいと思う。 |
2007年6月5日
ついに蛹になった。前蛹から蛹になる前に、一度脱皮するのだが、脱皮シーンは目撃できなかった。また、近くに小さくまるまって乾燥した脱皮殻が落ちていたが、これも写真にとりそびれた。 |
2007年6月6日
蛹二日目。色が変わった。しつこいようだが頭は右下。 |
ピントがあっていないけれど、よく見ると細い糸で体が固定されていることがわかる。ちなみに、この写真では頭は右。 |
真上からも写しておこう。クリックで親指との比較写真。
飼育箱が写るように引いた写真を残さなかったのはちょっと失敗だったけれど、6月3日の写真にちらっと写っているように、箱のなかに、ボール紙を逆V字に折り曲げたのを足場として入れてある。 その足場の内側の、底ぎりぎりのところで蛹になってしまったので、ひょっとするとこのままだと翅を広げる場所がなくなり、うまく羽化しないかもしれない。 仕方なく、紙を切り取って、別のボール紙にはりつけて、広い場所で羽化できるように立てかけてみたのだが、頭を上にするか、下にするか、ちょっと迷って、下になるように貼り付けた。 |
2007年6月15日 羽化
この日の夕方に様子を見たときはまだ蛹だったが、夜見るとすっかり成虫になっていた。ほんの数時間で羽化して翅を広げたようだ。 頭の位置は特に問題なかったようだ。ネットで写真を探すと、ベニシジミはナミアゲハのように壁面で蛹化するんじゃなく、地面に落ちた枯れ葉に体を固定して蛹になるようだから、頭の上下はあまり関係ないのかもしれない。 家のまわりでつかまえたものなので、翌朝家のまわりで放虫した。 |
生き物を放つときは捕まえた場所で放してください。その生き物のためでもあるし、その土地にもともと住んでいる別の生き物のためでもあり、長い目で見ると人間のためでもあります。もとの場所にはなせない時は死ぬまで飼ってあげてください。死ぬのを見るのがイヤならば旅先で虫をつかまえてくるのはやめたほうがよいです。野菜についてきた虫なども、そこらに放さないでくださいね。 |
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