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和名 ハルノノゲシ(春の野芥子)
白花の変種:ウスジロノゲシ
別名 ノゲシ ケシアザミ
中国名 苦苣菜
科名 キク科
学名 Sonchus oleraceus
(白花の変種:Sonchus oleraceus f.lilacina
春〜夏
原産地 ヨーロッパ 世界中に帰化している史前帰化植物
採集地 東京都葛飾区西水元中川土手



 
[追記]2008年5月7日
この記事を書いたのは2007年4月のことですが、最近になって読者の方から「ハルノノゲシの白花の変種にはウスジロノゲシという和名があって、その名前で検索すると写真がたくさんみつかりますよ」と教えてもらいました。

ハルノノゲシ
2007年4月13日撮影

 花も葉っぱもタンポポみたいだけど、タンポポと違って茎の先にたくさんの花をつける花。タンポポと違って茎の途中にも葉っぱがついてる花。日本だけじゃなくて世界中の道ばたに生えてるどこにでもある花。それがノゲシの仲間。名前はケシ(芥子)だけど、ポピー(ケシ科)の仲間ではなくてキク科の植物です。

 もともと日本にあった植物ではなく原産国はヨーロッパだと言われていますが、日本にやってきたのはそうとう昔のことで、米や麦といっしょに大陸から入ってきたのではないかと言われてます。世界中どこに行っても生えてるってことなので、面白いから各国語でなんていうのか検索してみました。

日本語:ノゲシ ハルノノゲシ ケシアザミ
中国語:苦苣菜(「苦いレタス」の意味)
ロシア語:Осот огородный(「庭のノゲシ」の意味)
英語:Common Sow-thistle(「並ノコギリアザミ」の意味)
スペイン語:Cerraja(「鍵」という意味?)
ドイツ語:Gemu"se-Ga"nsedistel(「野菜ガチョウアザミ」の意味)
  ※上記ドイツ語の u" と a" はウムラウト。

……と、学名で検索をかけると世界各国でなんて呼んでるかわかるんですが、Shift-jisコードで書けない文字になってきたのでこの辺で終了(笑)とにかくどこにでも生えてるみたいなんです。ヘブライ語やアラビア語のページにもあったよ。アフリカに生えてるかどうか知りたいんだけど、googleの言語オプションにスワヒリ語とかがないのでさがせませんでした。

 ノゲシには、ハルノノゲシ(=ノゲシ)、オニノゲシ、アキノノゲシってのがあります。それぞれ良く似てますが、春に花をつけるのがハルノノゲシとオニノゲシ、秋に花をつけるのがアキノノゲシ。あと、葉っぱの形とかトゲトゲのつきかたとかで見分けがつくみたいです。 すべてに共通してるのは「黄色い花が咲く」ってこと。

ハルノノゲシ
2007年4月13日撮影

 
 
ハルノノゲシ……??
2007年4月10日撮影

 では、上の写真はなんでしょう?
 花が白いんです。光の加減とかじゃなく肉眼でよく見ても白いです。パッと見たときはシロバナタンポポかと思ったほど。

  
近づいてみると……やっぱり白いよね
2007年4月10日撮影

 拡大してみました。間違いなく白いですよね?

 
花の部分を拡大
2007年4月10日撮影

 さらに近づいてみると、茎が細いですし、茎の途中が枝分かれしてつぼみがたくさんついてますからシロバナタンポポじゃないこともわかります。ノゲシの仲間であることは確かです。

 
葉っぱはこんな感じ
2007年4月10日撮影

 これは葉っぱの拡大。オニノゲシだったら葉のぎざぎざの先がもっと鋭いトゲになるらしいので、これはハルノノゲシだと思います(たぶん)。
 

 ノゲシの仲間の花は黄色だと思いこんでいたので、こんなに白いノゲシには正直びっくりでした。もしやものすごい発見か、と思って学名で外国のサイトを検索してみると、やはり圧倒的に黄色い花の写真が多いのですが、ヘブライ語のページに白い花の写真をのせてるのを見つけました。

ここのは真っ白!
ここのも白いけど Sea Sow-thistle「海のノゲシ」って書いてあるので亜種違い?

 言葉の意味はまるでわからないのですが、ヘブライ語で.ilなのでイスラエルで撮影されたものじゃないかと思われます。あの辺には白いのがけっこう生えてるってことなんでしょうか。

 あてずっぽうで「シロバナノゲシ」「シロバナハルノノゲシ」で検索したところ以下のような日本語サイトも。

ここの図鑑を「シロバナノゲシ」で検索(そうとう白いよ)
 

 生えてるところには生えてるみたい。でも、日本ではかなり珍しいんじゃないのかな。
 

検索用キーワード
 白い花のノゲシ 白い花のハルノノゲシ 白花ノゲシ 白花ハルノノゲシ 
 白い花が咲くノゲシ 白い花が咲くハルノノゲシ white Sow-thistle

白いハルノノゲシ
2007年4月20日撮影 水元神社周辺にて

別の日にまたみつけました。同じ町内だけどずいぶん離れた場所です。


 
◆ ◆ ◆
【参考】
ハルノノゲシとオニノゲシ

オニノゲシ
2007年4月13日撮影 オニノゲシ

 ハルノノゲシによく似た植物にオニノゲシ(鬼野芥子 Sonchus asper)というのがあります。上の写真はたぶんオニノゲシだと思うんです。

オニノゲシ
2007年4月13日撮影 オニノゲシ(オニタビラコもまじってる)

 ちょっと引いて写してみると、こんな感じで駐車場の端っことかに生えてます。

オニノゲシ
2007年4月13日撮影 オニノゲシ

オニノゲシ
2007年4月13日撮影 オニノゲシ

 ハルノノゲシとオニノゲシの見分け方でわかりやすいのは、まず、葉っぱのトゲトゲ。どちらもノコギリ刃のようなぎざぎざの葉をしていて、ぎざぎざの先がトゲになっているけれど、オニノゲシのトゲのほうが立派で、手ざわりもトゲトゲした感じ。ハルノノゲシにもトゲはあるけどオニノゲシのトゲより小さくてやわらかいです。

 また、上の写真のように茎を抱くようについている葉っぱの、茎にくっついてる部分の形が違います。オニノノゲシは葉っぱの基部がくるんと反り返って茎にくっついてます。

 茎が赤いのはたまたまかもです。オニノノゲシのほうが茎が赤っぽくなってる率が高いような気もするけれど、緑色のオニノノゲシも普通にあるみたいです。

ハルノノゲシ
2007年4月13日撮影 ハルノノゲシ

 こっちはハルノノゲシ。オニノノゲシの葉と比べてトゲが優しい感じに見えます。それに葉っぱの基部が茎からはなれて耳のようにひらひらしてます。

ハルノノゲシ
2007年4月13日撮影 ハルノノゲシ

 見る角度を変えるとこんな感じ。

 …と、見分け方を書いてはみたものの、実は自信ないんです。図鑑によると、

ハルノノゲシ(花は5〜10月)
・葉の鋸歯はオニノゲシほど鋭くない。
・葉の基部が茎から離れてとがっている。
・花をつける茎に腺毛がある。

オニノゲシ(花は5〜8月)
・葉の鋸歯(ぎざぎざ)が鋭くトゲっぽい。
・葉の基部が丸くそりかえっている。
・花をつける茎に腺毛がほとんど生えていない。

 こんな感じの見分け方が書いてあるのですが、トゲトゲしてオニっぽいなーと思って近づいてみると、葉の基部がとがっててハルっぽかったり、葉の基部が丸まっててオニっぽいのに鋸歯がやわらかくてハルっぽかったり、もう何がなんだか。

 ちなみに、似たような花に

オニタビラコ
ヤブタビラコ
ニガナ
コウゾリナ
アキノノゲシ
ヤクシソウ

 などがありますが、長くなるので見分け方は自分で調べてねん。


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