和名 オオバコ(大葉子)
別名 ゲロッパ カエルッパ カエロッパ 相撲草 マルバグサ
中国名 車前草 馬鞭草(穂)
科名 オオバコ科
学名 Plantago asiatica
4〜9月
秋から冬にかけて
原産地  
採集地 東京都葛飾区


 
 オオバコ
 
 葉っぱがカエルの背中に似てるから、ゲロッパ、カエルッパなんて呼ばれる。マルバグサというのも葉の形から。花穂を絡み合わせて引き合う遊びを相撲にたとえるので相撲草と呼ばれることもある。
 中国で車前草というのは車の通り道に生えるから。地面に張り付くように広がる葉に対して、花穂はひょろっと立ち上がる。これが鞭(ムチ)に見えるから中国では馬鞭草とも呼ぶ。『本草網目』には蝦蟇衣という呼び名も出てくるが、日本のカエロッパと発想が似ていておもしろい。

 野草として食べていた時代もある。若いうちはそれなりにいけるけど、育ちすぎたのは筋っぽくてマズイ(食べました(汗))。穂と種を薬にする。咳止めや利尿に効くということだ。

 
 
オオバコの種
 オオバコの種でをゴマ代わりに使うという話を聞いた。
 冬になってカラカラになったオオバコの穂を手でしごいて種をとる。紙にのせ、こぼさないようにしゃらしゃら揺すりながら息を吹きかけて、殻だけ飛ばす。小鳥が食べた後のアワ玉の殻を吹き飛ばすのと同じ要領だ。

 ゴマの代わりだからといって、ただ飾りに散らすだけでは面白くない。ゴマ和えにしてみようと思い立った。ゴマと同じようにフライパンで炒って、粒が跳ねはじめたらすり鉢に移してゴリゴリとすりつぶす。ゴマよりも固かった。少し長めに炒ったほうがいいのかもしれない。

 
 
ほうれん草のオオバコ和え

 すりつぶしたオオバコの種は、ゴマとはちがう癖のある匂いがした。悪臭ではないけれど、いい香りともいいにくい。これが美味しいのだろうかと半信半疑で味を付ける。醤油と砂糖。分量は料理の本でも見て下さい。ゴマ和えと同じでいいと思う。今回はほうれん草を和えてみた。

 食べてみたところ、味はまともでした。醤油と砂糖だから、不味くなりようがないけれど。すりつぶした時の匂いもさほど気にならなかった。
 でも、だからといってゴマより素晴らしいかというと難しい問題だ。あくまで代用品なのかもしれない。


 

 なお、ダイエットに使うオオバコは、 Plantago ovata といって日本や中国のオオバコ(Plantago asiatica)とは別種である。

 P. ovata の種を粉末にしたものを水にひたすと数十倍にふくらんでお腹を満たすというのだが、ふやかしたものを食べても美味しくはないし、さりとて粉末を飲んで後から水を大量に流し込むというのでは「食べたい」という欲求は満たされない。
 ただ、この粉末には食物繊維が大量に含まれているそうだから、脂肪の吸収をおさえる働きはあるかもしれない。それに、お通じもよくなる。

 日本のオオバコも穂を乾燥させてお茶にすると、種のまわりに少しだけゼラチン状のまくができる。インドのものとは比べようもないほどわずかな効果だが、仲間なのだと実感した。


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