仏像に甘茶をかける珍獣様
壱拾七 星
 水をかけるので星にしてみたけど、月のほうがよかったかなぁ。
 お釈迦様の誕生日といえば日本では4月8日と決まっておりますの。

 シャカ族の王ゴータマ・スッドーダナ王と、その妃マーヤ夫人は長いこと子供ができませんでした。ところがある時、マーヤ夫人は「六本牙の白い象が脇の下から入ってくる」という夢をみてご懐妊。そうして生まれたのがゴータマ・シッダールタ王子なのです。ゴータマがファミリーネームで、シッダールタが名前ですわよ。

 王子が生まれたとき、天から甘露がふりそそいだとか、二頭の象が鼻で水をあびせたとか言われておりますの。インドでは、エライ人を清め、普通の人とはひと味ちがうんだよと言うために、水をかける儀式をするらしいのですが、お釈迦様のばあいは、生まれてすぐに大自然の神々が「この子はひと味ちがうよ」と認めたってことらしいんですの。

 そういうわけで、日本ではお釈迦様の誕生日に誕生仏と呼ばれる小さな仏像に甘茶をかけてお祝いいたすのです(宗派によって、やらないお寺もあるみたいだけど)。

 仏像にかける甘茶、チャンスがあったら飲んでみてくださいなのよ。砂糖が入ってるわけじゃないんだけど、口にふくむとぼわっと甘い不思議な薬草茶ですわ。

2001年仏誕の旅
*印は陰暦の祭りなので毎年日付が変わります)

4月 8日 花祭り(日本・台湾)
 灌仏会、仏誕祭などともいって、お釈迦様の誕生日とされる日ですわ。
 仏教とともに中国からわたってきたお祭りなので、もとは旧暦の4月8日にお祝いしていたんだけれど、明治の頃に太陽暦の4月8日に祝うことにしたみたい。
 台湾でも、今は太陽暦でお祝いすることにしたみたい。

4月30日 仏誕祭(香港)*
 香港では中国式の太陰暦でお祝いするみたい。日本と-1時間の時差がある香港では、旧4月8日が太陽暦の4月30日にあたるらしいんです(参考>掲示板ログ・仏誕の謎)。

5月 1日 仏誕祭(韓国)*
 日本と時差のない韓国では、旧4月8日がこの日にあたるのです。ひょっとすると、日本でも旧暦でお祝いする地方があるんじゃないかしら。

5月 7日 仏誕祭 (タイ・ビルマなど)*
 2001年5月7日は満月なのです。お釈迦様が生まれた日は、古代インドの暦でいうと、ヴァイシャーカ月の満月の日だったのだそうで、東南アジア諸国では満月の頃にお祝いするそうですわ。

 こんなにいろんな日に生まれたことになってるなんて、
偉い人も大変ねえ。

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