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歳時記のページを見るのに必要な基礎知識です。古い暦の仕組みはややこしくて説明を読んだだけじゃピンと来ないと思います。実際にどうなってるのか知りたくて始めたのが珍獣様の歳時記です。主に『神宮館家庭暦』という、毎年出る占い付きの暦を参考にしています。 |
旧暦
日本や中国で昔から使っていた月の満ち欠けを基準にした暦です。新月の日が一日(朔日)で、1 カ月の長さは 29日または 30日。 |
新暦
西暦、または太陽暦のことです。明治維新以降、なんでもかんでも洋風化してゆく中で、暦も西洋のものと同じにしようと、明治五年の十二月三日にエイヤッと導入されました。翌日がいきなり明治 6年の 1月1日になってしまったので、いろいろ混乱もあったみたいです。 |
六曜
六曜は、六輝とも言って、もともと中国で時刻の吉凶を占うために作られたものですが、日本に伝来してから変化して日本独特のものになりました。結婚式やお葬式、地鎮祭・建前など、特別なことをする日を決めるのに使います。 先勝・友引。先負・仏滅・大安・赤口…の順に巡回しますが、旧暦の月のはじめでリセットされ、一月・七月は先勝から、二月・八月は友引から、三月・九月は先負から、四月・十月は仏滅から、五月・十一月は大安から、六月・十二月は赤口から始まることになっています。
先勝(せんしょう または せんかち) |
干支
十二支と十干の組み合わせで 60 のパターンがあります。 年、月(節)、日に、それぞれ干支が設定されていて、たとえば平成十六年の旧一月一日なら「甲申の年 一月甲子 庚子の日」という具合に干支で書きあらわすことができます。 ただし、月の干支は、正確にいうと「節」ごとに設定されていて、新暦でも旧暦でも月ごとに変わるものではありません。「節」は、二十四節気のうち、小寒、立春、啓蟄、清明、立夏、芒種、小暑、立秋、白露、寒露、立冬、大雪にあたる日で切り替わります。小難しいですね。 月(節)の干支に関係するお祭りはほとんどないし、現代ではあんまり気にしなくてよさそうです。月(節)の干支が重要になるのは、古典文学を読む時くらいだと思います。年月日の干支を手がかりに計算すると、何百年も昔の人の記録が西暦何年の何月何日にあたるのか解読できます(まあ、昔の人の誕生日を調べてみると、旧暦で書いてあるのに強引に西暦にあてはめてあって、厳密に計算してないことが多いですけど)。 |
月・天文
月齢と流星群などのメモです。 流星群は極大(一番多く流れる日)を表記しましたが、その日に必ず大量の星が流れるわけではありませんし、その日を逃したら絶対に見られないというものではありません。極大日を中心に前後の数日は流れ星を見やすいと覚えてください。 いちおう、日本で見られると言われているものばかり集めましたが、中には電波望遠鏡でしか見られない昼間の流星群も入ってるかもしれません(おひつじ座など)。興味のある人は検索して詳細を調べてください。 |
節気
二十四節気と雑節のメモです。 二十四節気というのは、太陽の軌道(黄道)を 15 度ずつ 24 分割して季節の節目としたものです。 雑節はそれ以外の季節の節目です。二百十日のような日本特有のものもあれば、節気をさらに三分割した七十二候の一部だったりもします。 |
祝日・行事等
祝日と、主な年中行事のメモです。太字で書いたのは旧暦関連のお祭りです。 |
閏月
うるうづき、または、じゅんげつ、と読みます。 旧暦が季節とずれてゆくのを防ぐために 33 カ月に一度(19 年 に 7 回)のペースで同じ月を二度繰り返します。これを閏月と言って、2004年は旧二月が二度あります。二度目の二月は閏二月、閏如月など、頭に「閏」の字をつけて書きます。 季節の移り変わりは地球が太陽のまわりを公転していることに関係していますから、太陽の動きをもとに作られている太陽暦(=西暦・新暦)は、季節とのズレがほとんどありません。1 年は 365 日で、4 年に一度だけ 2 月を 1 日増やして 366 日になります。 それに対して、旧暦(=太陰暦)は、1 年の長さが 354 日と、太陽暦より 11 日ほど短くなります。単純に計算すると、3 年の間に 1 カ月のズレが出ますから、これを修正するために閏月をやるわけです。 イスラムの暦も月の満ち欠けをもとにした太陰暦だそうですが、日本や中国の暦と違い、閏月をやらないので季節がどんどんずれてゆくそうです。面白いですね。 |