ズバリ言って、あなたは自分をアピールしたがらない人だ。他人があなたのことを魚ですかとたずねれば、内心では違うと思いながら魚ですと答える。亀ですかとたずねれば、その通りですと答えてしまう。人と深くつきあうことを嫌い、いつだって泥にもぐってじっと隠れていたい。
そんなあなたのことを、人はすっかり軽く見て、何を言っても怒らないヤツだと高をくくっているが、油断は禁物である。ホウ魚タイプの人の最大の特徴は、ぶっちぎれたら手が付けられないことなのだ。切れたあなたは見境なく誰にでもかみつき、二度と放さないだろう。そう、雷が鳴るまでは。
そんなこんなで、若い頃は友達も少なく、恋のウワサなどもまったくないが、大人になってから同窓会などで昔の知人と再会すると、急に注目の的をあびたりする。あなたの真の価値は尻の青い若者にはわからないものなのだ。
恋愛の傾向としては、身の程知らずにもお空の月に恋をする。遊びのつもりならそれもいいが、しょせんは身分違い、高嶺の花というやつである。あなたに最適の相手はもっと身近にいる。たとえば高温の竈で何度も煮炊きに使われ、それでも割れなかった土鍋のように、地味だが芯のつよいタイプこそ、あなたの人生を輝かせるだろう。 |