東スポ河童騒動 投稿者:bakeneko投稿日:2002/10/26(Sat) 10:28:33
http://www.mars.sphere.ne.jp/toroia/kappa.jpg

貼り付け失敗。

カッパが岩手で 投稿者:ちんじゅう - 2002/10/26(Sat) 10:59:56
>うそくさい。(東スポ)

うわ〜、嘘くさいけど良くできてるな。
全身を黒に近い緑に塗ったあたりがリアルぽいぞ。

Re: カッパ 投稿者:古本好 - 2002/10/26(Sat) 16:19:30
これテレビで見ました。上手く作ったというか、見せたというか。貼り付けたような。テレビで見た限り、マユツバに近い。信じる人は本当と思うかもしれません。
Re: 再度。 投稿者:bakeneko - 2002/10/26(Sat) 20:38:52
なんか、それも特定の曜日に週2回でるらしいですよ(^-^)
おつかれさまです。
Re: 再度。 投稿者:ちんじゅう - 2002/10/26(Sat) 22:03:21
町おこしになっていいじゃないですか。
どんどんやってくださいって感じ。
Re: 再度。 投稿者:古本好 - 2002/10/28(Mon) 18:19:10
河童について書いた本では日野葦平の「河童昇天」がありますが、もう一人、同じタイトルの本を書いた萬造寺 龍という人がいます。この本は、後楽書房という出版社から昭和24年頃に出ています。
Re: 再度。 投稿者:ちんじゅう - 2002/10/28(Mon) 18:26:53
↑それで?
カッパについて書いた本はたくさんありますよね。
特にその本をあげる理由を書いてくださらないと
はあ、それでって思われておしまいですよ。
昭和24年っていうと本当に古い本ですね。
そういう本は残念ながら誰もが手に入れられるわけじゃないので、
内容も知らずに読んでみようって思う人はまずいません。
もし、他人に伝えたい思いがあって書いてくださるのなら、
何を伝えたいのか書いてください。
冷たいようですが、返事のしようがないです。
ものすごくsageがほしい 投稿者:ちんじゅう - 2002/10/30(Wed) 12:34:34
日野じゃなくて、火野葦平じゃないの。
バカなので日野葦平って誰よって検索かけてしまった。
で、その二冊の河童昇天は、小説なの、随筆なの、
それとも民俗学の本?
 

同じタイトルだと言いたいだけなら、
芥川龍之介は『河童』という小説を書いたけれど、
高橋葉介は『河童』というタイトルで短編漫画を書いているよ。
1989年にホラーハウスという雑誌に載ったやつで、
朝日ソノラマの『怪談』4-257-72027-1 という本に収録されてる。
また、Live UFOという出版社から
『河童』4-594-01614-6 という本も出ているよ。
読んだことはないが石井竜也が監督した映画『河童』の原作だそうよ。

で、だから何? と自分つっこみ。
面白いのはこの先だろうと思うんだけど。

河童だよ、河童 投稿者:ちんじゅう - 2002/10/30(Wed) 12:35:01
東スポに載った河童事件。
それ自体はたぶん偽造写真だし、
ウソくさ〜で終わっていいものかもしれない。
そういう事件があったのだと耳に入れてもらっただけで
珍獣的には充分ありがたいよ。

その上で言うのですけど、
ウソくさ〜で放置プレイで終了ってなんだかつまんない。
せっかく河童のこと話題にしてるんだし、
次の展開はないのかって期待しちゃだめかしら。

自分で展開させ?
これ、わたくしが開いた記事じゃないも〜ん。

ワタシの記事でございます。 投稿者:bakeneko - 2002/10/30(Wed) 13:41:43
私の置いたネタでございます。ごめんなさい。

自分も件のカッパに対して他に何も情報はないわけで
岩手じゃかなり大賑わいだった(と聞いた)ニュース
なわりに、東京では意外と賑わいのないニュースに
なってしまい、他に情報はないかなぁなどと期待した
上での書き込みでございます。

こちらの掲示板にいらしてる方々はかなりの情報量と
知識をお持ちです。で、自分はあまり知識も情報も
ない。他人頼みとはあまりに情けないもの、今までに
書き込んだ内容にも、そういった意味で、というとこ
ろも多いです。

つまり自分で展開できないから他人に期待したと。
甘い考えですが。

ステラウミワシも、実はネットではうまく検索できず、
また、実態もよくつかめなかったのです。
そこで…皆さまのお知恵拝借と。

Re: 再度。 投稿者:ちんじゅう - 2002/10/30(Wed) 14:12:50
そうだとは想像つくんですけど、
これじゃどっち方向に進めていいかもわかんないし
ソフト放置になってしまうんですぅぅ。
(うちは掲示板のアクティブ率が低いしロム率も低いので、
 単純に投げただけだと受け手がいないままロストですわ。
 わたくしも球拾いにそろそろ飽きてきてるし)

方向は特になさそうなので
勝手に糸口を作ってみるんですけど、
珍獣が最初におっ、と思ったのは、
色なんですよ。
無条件に「河童を書いてください」と言われたら
みなさん何色に塗ります?
わたくしなら鮮やかな緑に塗ってしまう。
でも、東スポの河童はほとんど黒に近い深緑でしょ。

そりゃまあ、緑に塗って写真をとったら
いかにもウソくさく見えちゃうので
試行錯誤の結果、あの色になったとも考えられるよ。
でも、 このページ なんか読むと、
河童は必ずしも緑ではなくて、
「青ないし青黒色、灰色が一般的」だなんて書いてある。
そういえば赤い河童もいたような気がする。
そう思うと、東スポの黒い河童は単純に偽で終わらせるには惜しい味わいがあるよ。
さすがは遠野の偽河童。色にもこだわりあり。

河童の色 投稿者:ちんじゅう - 2002/10/30(Wed) 14:16:42
ところで、河童の色形なんだけど、
青、青黒色、灰色、赤、
毛が生えてるとか、ツルンとしてるとか、
いろいろ説はあるけど、
それって何をもとにして流布してる説なんでしょうか。
…調べりゃわかるって、そうなんだけど、
とりあえず聞いてみたりして。
Re: 再度。 投稿者:ちんじゅう - 2002/10/30(Wed) 14:44:08
あと〜、
河童の好物といえばキュウリなんだけど、
これはどうしてなのかしら。

河童の正体をカワウソだと言う人もいるけれど、
カワウソはキュウリを食べるの?

遠野テレビのPRイベント? 投稿者:ちんじゅう - 2002/10/30(Wed) 15:34:06
とりあえず↓こことか読むと、
http://www5d.biglobe.ne.jp/~tin/

遠野テレビが河童をつかまえた人に1000万円くれるそうよ。

遠野テレビより

> 1.霞網、釣り針等のわなで捕獲しないでください(傷つきます)
> 2.捕まえたらすぐに「生のキュウリ」を与えてください
> 3.頭の皿の水は絶やさないでください
> 4.優しく扱ってください
> 5.くれぐれも「希少生物」であるということを考えてください

だって。いきなりキュウリか。
遠野テレビ の「ライブカメラ」ってコーナーへ行ってみてください。
河童淵の様子が見られるみたい(うちの環境だと見られなかった)。

とりあえず盛岡方面のおともだちに
ウワサになってるかどうかメールで聞いてみる。

Re: 再度。 投稿者:ひぶち - 2002/10/30(Wed) 15:41:39
月刊コミックビーム11月号(12日発売の雑誌なので
探せば残ってる…かも?)掲載の須藤真澄「おさんぽ大王」が
ちょうど遠野の河童のお話でした。
遠野の河童は顔が赤いそうです。
遠野のカッパ淵では岩手県観光課認定
『カッパ捕獲許可証』なるものをお持ちのおぢさまが
カッパ釣についてレクチャーしてくださるそうです。
写真から話題を発展させるならば、マスコミ的には
このおぢさまあたりにお話を伺わねばアカンのではないかと
愚考いたします次第。
Re: 再度。 投稿者:ひぶち - 2002/10/30(Wed) 15:59:32
あらちんじゅうさまとニアミス。

ところで上でちんじゅうさまがご紹介くださってるページに載ってた
『猿面』ですが、うちにもございます。
藤崎神社ではなく、その少し先の猿田彦神社で
初庚申に頂戴してきたものですが。(こちらに画像が)

河童に対する猿の習性は初耳でしたが
河童自体が猿と同一視される場合もあるので
突っ込んで調べると面白そうですね。

Re: 再度。 投稿者:bakeneko - 2002/10/30(Wed) 18:42:26
ちんじゅうさまありがとうございます。
東スポその後、結局クローズアップされたのは
珍獣様のリンクした遠野テレビの「カッパ生け捕り」の
懸賞金ばかりとききます。

> 遠野の河童は顔が赤いそうです。

家がビンボウで口減らしのために、子供の「頭を石で割って」
川に放置したのが生き残って、家族の世話を焼く、という話を
聞きましたので、そのせいかしら。

カッパは全身赤茶色の毛で覆われているという話もありますね。
フチザルというのもカッパの異名ですしね。

Re: 再度。 投稿者:ちんじゅう - 2002/10/30(Wed) 21:32:16
なんと、カッパ捕獲許可証があるとは!
すると、遠野テレビに踊らされて河童をとらえたら
1000万円もらえるかもしれないけど
遠野観光局から密漁の罪できつく叱られてしまうかも?!
(コミックビーム、さがしてみよう)

河童と猿が仲が悪いというのは勉強不足で知りませんでした。
フチザルという別名も知りませんでした。
馬を水に引っ張り込む話はよく聞くんですけどね〜。
そういえば、 あのページ にも書いてあったけれど、
九州のどこか(だったと思う)では
河童は冬になると陸にあがってヤマワロになるというじゃないですか。
いいなあ、あっちのほうはそそる伝説が多くて〜。
そうかと思えば遠野の方にも不思議な話が多いんだよねえ。
全国にひとりずつ柳田国男がいたら、各地に面白い話が残ったのかな。

口減らしの話と関係してるかどうかわかんないけど、
水木しげるのなんとかいう本に
河童の死体がどーのこーのいう話が出てたと思うんですよ。
今その本を探し中です。
どっかそのへんに転がってるはずなんだけど…

怪感旅行 投稿者:ちんじゅう - 2002/10/30(Wed) 22:35:16
河童の死体がどーのこーのは
水木しげる『怪感旅行』中公文庫
という本に出てくる話でした。
口減らしの子供とはぜんぜん関係ない話でした。

子供が川に飲まれて行方不明になり、
耳たぶが欠けた水死体になってあがったというので、
河童に血を吸われたのだと大騒ぎになります。
そういう死体は腐乱するまで放置しておけば
血を吸った河童も腐って死ぬと言うのです。
著者の少年時代の実体験という設定になっているけれど、
どこまで実話かちょっとわかんないです。

口減らしの話と直接かかわりなさそうだけど
河童は死体に縁が深そう。

Re: 再度。 投稿者:ちんじゅう - 2002/10/31(Thu) 14:08:04
いまふっと思いつきました。
河童のことを水虎ということがあるけれど、
虎と猿は、十二支でいうと、
ちょうど反対側にあるのではないかしら。
猿と仲が悪いというのも、
河童と猿を同一視するのも、
そこらへんに何か原因が…あったりしないか。

それにしても、
なぜ河童のことを水の虎というのかしらね。

Re: 再度。 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/01(Fri) 13:11:35
盛岡のおともだちから返事が来たのですが、
めんこいテレビで河童の特番をやったりして
それなりに話題にはなってるみたいです。
でも、河童探しブームにまでは発展してないみたい。
(そりゃそうよね、あの写真じゃ…)
めんこいテレビの特番はビデオに撮ったということなので
送ってもらうように頼んでみます。
河童の目撃証言なんかも出てくるらしいです。
Re: 再度。 投稿者:bakeneko - 2002/11/01(Fri) 20:44:05
カッパの、毛が生えてるバージョンと、緑色のぬめぬめバージョンと両極端なかたちが伝えられているのが不思議です。
普通なら別物ですよね。

水虎も、中国から名前だけ入ったとか言われていますね。
水際の妖怪だから、カッパと一緒にされている感もありますね。
だから、なんとなく一緒に語られて、そのままなのでは、と
短絡的に考えていたりします。

Re: 再度。 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/01(Fri) 21:36:08
そうなのよねえ。
どう考えても日本の河童に虎のイメージはないの。
日本人は、なんでもかんでも中国にルーツを求めたがるし、
中国から来たものでなくては正統なものになりにくいから、
水辺の妖怪というだけで誰かがこじつけたのかな。
Re: 再度。 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/13(Wed) 14:20:36
東スポにも載ってたし、テレビのニュースでもやってたけど
遠野の河童騒動は、日テレの「電波少年に毛がはえた」の企画だったそうで、
三カ月にわたりタレントに河童の扮装をさせて、
カッパ淵のあたりに出没させていたんだそうよ。

素人がやってるにしちゃ手慣れてると思ったので
遠野テレビでやってるのかと思って
可愛いことするじゃんと思っていたのに
よりによって電波少年だったのね。
いまいち面白くない種明かしだわ。

Re: 再度。 投稿者:bakeneko - 2002/11/13(Wed) 22:21:47
電波少年…と聞いてなんていうか、すごくイヤ。
よりによって、ってまさにそのとおりです…

各メディアも知らなかったのかな、本当に。

生きててよかったよ 投稿者:涜神犯人 - 2002/11/13(Wed) 22:23:26
猟銃で撃たれなかったのが不思議です
同じ事をロッキー山脈でやったら…
カッパ捕獲七ヶ条 投稿者:ひぶち - 2002/11/14(Thu) 08:50:30
一、生け捕りにし傷つけざるべし
一、皿傷つけず水こぼさざるべし
一、場所はカッパ淵に限るべし
一、真っ赤な顔 大きな口なり
一、金具を使った道具用いざるべし
一、エサは新鮮な野菜を用ふべし
一、最初に見つけた者に承認を与えるものとする

上で紹介した『おさんぽ大王』より。
公式ルールに従えば『猟銃で撃たれる』事態は
「ありえないこと」のようですので
猟銃を持った人と突然遭遇してしまうような
『森のくまさん』的状況を作らないよう、きちんと
「自分は河童である」旨明らかにした上で
出没したほうが安全なのかもしれません。

遠野の(本物の)河童さん、読んでくれてますかー?

エンコウ 投稿者:まうご犬 - 2002/11/14(Thu) 19:04:17
河童という文字を見た瞬間、広島市出身の私は猿猴を思い浮かべます。
広島市には猿猴川という名の川があり、そこに猿に似た河童が棲むという
昔話に子どもの頃から馴染んでいたせいでしょう。
で、河童、猿・・・となると「西遊記」ってのは短絡的?
でも沙悟浄は本来河童じゃないのに、日本の絵本には河童な絵で
表現されるのはどこかで作為がおこなわれたはず・・。
それに問題は孫悟空。
中国で水害をおこす水怪として無支奇(むしき)というのがいますが
これは猿の姿をして水中に鎖で縛られてるらしいのです。
猿と水害の関係を伝えた話は中国ではよくあるようなんですが、
猿=河童なら、なんで沙悟浄が河童の姿に・・?
って、勝手にもんもんとしてました。
なんか整理できてなくてスミマセン。

ちんじゅうさまの
「河童のことを水虎ということがあるけれど、虎と猿は、
十二支でいうと、ちょうど反対側にあるのに何か原因が…」説が
かなり気になります。面白そう。ぼちぼちと調べてみます。

Re: 再度。 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/16(Sat) 10:12:04
電波少年が各メディアに協力をあおぐとは思えないので、
みんな利用されただけでしょうねえ。

遠野の人は撃たないと思うけど、
どこかの山で、放牧中の馬を鹿と間違えて撃った変な人もいるし、
(しかも、銃を使っちゃいけない公道上から)
ちゃんと名刺を出して河童でございますって言わないと
よそから来たハンターに撃たれるかもね〜。

ところで、『おさんぽ大王』はコミックビームの問題の号をみつけたのですが、
1号だけ読むのもなんなので(昔は須藤真澄好きで出るもの片っ端から買ってたし)
そのうち単行本になったら全部そろえようかな。
遠野テレビの河童を捕獲した場合の注意事項は
「カッパ捕獲七ヶ条」を書き直したものみたいね。
希少動物は生け捕りが基本よね、やっぱり。
中国で四不像(シフゾウという鹿)を発見して有名になったダヴィッド神父は
パンダの存在を欧米に知らしめた人でもあるんだけれど、
地元の猟師さんに捕獲をたのんだら、
運びやすいように殺して連れてきたと言われて
オーノーって感じだったみたいですね。
同じくパンダ捕獲で有名なハークネス夫人も
生け捕りにしようとしたのに地元の猟師さんが撃ってしまって、
かろうじて生き残った子供のパンダを連れて帰って有名になったのだとか。
みなさん、河童はパンダ以上に希少な生物なので
本物をみつけたときは撃ってはいけませんよ。生け捕りが基本です。
 

で、沙悟浄。
そうなのよ、沙悟浄問題もなやましいところなの。
一般に沙悟浄は深沙神という荒ぶる神がモデルだと言われてる。
深沙神は砂漠を流れる「流沙」という河に住んでいるので、
河童(河伯)の仲間なのかな〜とも思うのですが、
流沙というのは水の流れる河じゃなく、砂の河なのよね。

 水とは切り離せない河童、
 水のない砂漠の砂の河に住む深沙神

いつ頃から日本人は沙悟浄を河童の姿に見立てたのかしら。


乱暴だけど妙に説得力 投稿者:原田 実投稿日:2002/11/16(Sat) 11:47:43

子供の頃読んだジュブナイル『西遊記』の解説で、悟空は水蓮堂の主だから河童の一種、悟浄は流沙河の主だから河童、八戒は天上では水神の天峰元帥だったからと、三人の弟子をみな河童にするという大技を読んだことがあります。で、悟空は三蔵の乗馬(竜馬)のたずなを引くということで、石田英一郎の名著『河童駒引考』と結びつけるのですね。
余談ながら、悟空の法名は「行者」、悟空の法名は「和尚」、「八戒」は法名で俗名は悟能ですから、統一するなら、八戒も悟能といわなければなりませんが、そう呼ぶ人はいませんね。『西遊記』本文では、出家後はみな法名で呼ばれるわけで、孫行者、沙和尚については、読者がいつのまにか法名であることを忘れてしまい、猪八戒ばかりが印象に残る、というところなのでしょう。
Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:原田 実 - 2002/11/16(Sat) 11:49:48
ちんじゅう様、すみません、これは河童論争の続きです(でも河童論争も巨大スレになってきたからそろそろ分割・記録が必要なようにも思われるにですが)
Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/16(Sat) 14:06:31
じゃあ、『西遊記』ネタはこっちに続きってことで。

その解説で行くと、猪八戒まで河童になってしまうのですか。
もし全員が河童と関係があるとしたら、
なんで三蔵法師は河童ばっかり家来にしてるんでしょう。

そういえば、玄奘三蔵は
虎を連れてあるいてる姿を絵にされることがありますね。
水にいる虎で河童なので、これまた不思議な一致。
 

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:涜神犯人 - 2002/11/16(Sat) 16:53:19
史実では「虎に喰われそうになった」と、聞きました
現地のガイドは喰われてしまったそうで
Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/16(Sat) 17:29:11
なるほど。
虎を連れて歩いてる絵は実際に虎に襲われたけれど、
三蔵法師だけは虎に食われなかったという話から来てるわけね。

しかし、なんで虎が猿になってしまうのかしら。
ここ に、十二支の反対説が出てるので、
珍獣様の浅知恵もあんがいはずれてはいないみたいだけど…

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:まうご犬 - 2002/11/17(Sun) 01:08:21
虎と猿の間に何があったのか、謎深い問題だったのですね。

玄奘三蔵は河童ばかり連れている・・て、不気味。
ふと、猪八戒を十二支の反対説にはめてみました。
猪八戒を亥としてみると反対は巳。
蛇・・、青黒くてぬめぬめした河童は蛇から来てるって話は
ないでしょうか。
(それだと砂漠の蛇として沙悟浄にもつながるような気も)
蛇の河童と猿の河童が日本の昔話では混在・散在してるとか。
でも頭の皿とキュウリ好きな点はなんだろなあ。もんもん。

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/17(Sun) 19:57:58
十二支の反対以外になんか面白いことが言えないかと思って
強引ついでにこんなの考えてみました。

   子
   丑
 戌   
酉     卯
    辰
  未 
   

孫悟空は猿(申)
猪八戒は豚=猪(亥)
沙悟浄は、まだ明確な根拠を思いつかないけど虎(寅)

こういう風に考えると、それぞれがふたつ飛びに並んでるんです。
寅と申の間に何かありそうなんですけど、
ふたつ飛びの条件で言ったら蛇(巳)ですよね。
でも三蔵法師に蛇の弟子はいない。
でも、蛇のとなりは馬(午)なんです。

三蔵法師の馬は、単なる馬じゃなくて龍馬。龍といえば蛇身。
蛇と馬を合体させて、龍馬ということにしたのじゃないかと。
(しかも、蛇のとなりは辰ですし)

こうやって強引に十二支にあてはめると
三蔵法師を中心に、四方に守り神がいるような構図になりそう。

で、沙悟浄=虎の根拠はいったい>わたくし

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/17(Sun) 20:06:52
沙悟浄が河童になった原因になりそうなことが
このへん に書いてありました。
沙悟浄は「赤目の赤髪で頭頂部に毛がなく、顔は青黒いと不気味なもの、赤髪は玄奘三蔵に帰依するときに剃っちゃった」だそうです。

遠い昔に東洋文庫の『西遊記(完訳本)』を読んだはずなのですが、
沙悟浄の容姿についてはどう書いてあったかまるっきり覚えてないのです。
問題の本もどっかにしまいこんだまま出てきません。
もし、『西遊記』に上のようなことが書いてあるとすれば、
頭の皿の謎は簡単に解けますね。
しかも、青黒い顔ってあたりも日本の河童っぽいでしょ?

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:まうご犬 - 2002/11/18(Mon) 16:12:48
平凡社の太田・鳥居訳「西遊記」をひっぱりだしました。
第22回に沙悟浄の容姿についてのそういう記述があります。
悟空の手で剃髪されてますね。・・・全然記憶になかったです〜。あぅ。
大渦を巻く流沙河の「水」に潜んでこの容姿、思いっきり河童的です・・。

赤い髪、猩猩とゴウユにも通じてなんか出来すぎたトリオって感じ。
でも、虎・・。

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ひろこ - 2002/11/18(Mon) 18:57:18
捨身飼虎あたりから、虎とお坊さんは付き物になったんじゃないかと思うのですが…

で、玄奘三蔵に虎がくっついて旅すると言うのは普通だしぃ〜
何か化け物が付いて歩いてる方が面白いしぃ〜
てな調子で変化していったんじゃないでしょうかね。

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/18(Mon) 22:56:00
玄奘三蔵が虎をつれてるのは、史実+捨身飼虎伝説あたりの影響だろうけど、
沙悟浄との関係はそれだけだとちょっと弱いかなあ。
 

そこで強引ついでにこじつけるのですが、
深沙神というのは起源はヒンズー教ですよねえ、たぶん。
ドクロの首飾りをして、青黒い顔に赤い目、なんて、
どう考えてもヒンズーっぽい。
なんて当てずっぽう言っててもしょうがないので
これまた検索して調べたところ(どうも検索に頼りすぎだなあ)
『深沙大将菩薩儀軌要』というものでは
深沙神のことを「央崛摩羅(アングリマーラ)」と読んでいるそうよ。
サンスクリットで「指の首飾り」とゆう意味ですわよね。
やっぱりインド起源なんじゃないかなぁと。

ヒンズー教で虎っていえばあなた、シヴァ神ですわよ。
シヴァは牛をお供にして、虎皮の腰巻きをしてる。
黒い体に死体を焼いた灰をぬったくって踊り狂っちゃう神様。
シヴァ=深沙神かどうかはわからないけど、
イメージはかなり重なると思うのです。
十二支でいえば、寅と丑はとなりあわせ。
もう、ばっちりシヴァ神をイメージできちゃうでしょう。
深沙神が虎と結びついたぞ!
これでどうだ、わっはっは(かなりやけくそ)。

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/19(Tue) 20:36:34
捨て鉢になってもしょうがないので、
微妙に真面目に考えたのですが、
悟空と八戒は『西遊記』という物語の登場人物で、
沙悟浄=深沙神は、物語になる以前から
玄奘三蔵と関係があるんじゃないでしょうか。
『慈恩伝』という本に玄奘の旅行中の様子が詳しく書かれてるそうですが、
今でいうタクラマカン砂漠で水が尽きで死にかけたときに、
夢枕に深沙神が出てきて手招きをしたんだそうですよ。
「どうした、玄奘。なぜ立ち上がって旅を続けない」
深沙神にそう言われて、我にかえった玄奘は、
なんとか歩き出してオアシスの街にたどり着いたそうです。
(参考 : 岩波現代文庫『孫悟空の誕生』)

史実に近い伝説では、深沙神は玄奘を死から救うのですが、
物語の中では玄奘の敵として現れるんです。
敵でありながら、改心して味方になるわけですが、
第一印象が恐ろしいほど味方になった時が面白い気がするんです。
だからこそ、黒い顔に赤い目、赤い髪の毛、髑髏の首飾り…なんて、鬼そのものの姿にされちゃった。
(もともとの深沙神もかなり強そうな神ですけどね)

鬼といえば鬼門。十二支にあてはめたら「丑寅」の方角。
おっ、今度はたしょうまともに虎(寅)と結びついたか?

無支奇 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/24(Sun) 13:14:51
> エンコウ 投稿者:まうご犬 - 2002/11/14(Thu) 19:04:17
> 河童という文字を見た瞬間、広島市出身の私は猿猴を思い浮かべます。
> 広島市には猿猴川という名の川があり、そこに猿に似た河童が棲むという
> 昔話に子どもの頃から馴染んでいたせいでしょう。
> で、河童、猿・・・となると「西遊記」ってのは短絡的?
> でも沙悟浄は本来河童じゃないのに、日本の絵本には河童な絵で
> 表現されるのはどこかで作為がおこなわれたはず・・。
> それに問題は孫悟空。
> 中国で水害をおこす水怪として無支奇(むしき)というのがいますが
> これは猿の姿をして水中に鎖で縛られてるらしいのです。
> 猿と水害の関係を伝えた話は中国ではよくあるようなんですが、
> 猿=河童なら、なんで沙悟浄が河童の姿に・・?
> って、勝手にもんもんとしてました。
> なんか整理できてなくてスミマセン。

 岩波現代文庫『孫悟空の誕生』によると
 『唐国史補』という本に『山海経』からの引用だとして
禹(王の名前)が軍山で無支奇をしばったと書いてあるんだけど、現存している『山海経』に軍山も無支奇も出てこないみたい。

 ただ、相柳もしくはショウヨウと呼ばれる頭が九つある蛇の化け物を禹が倒した話が「大荒北経」「海外北経」に出てきます。
 相柳(またはショウヨウ)が触れるところは沢になり、その水は苦くなければ辛くて獣は住むことができない。これじゃいかんというので、禹が相柳を殺したところ、その血はなまぐさく、あたり一体が水浸しになったので穀物も育たず、結局は誰も住めないような土地になってしまう。仕方なくその土地を埋め立てようとするけれど、三度も崩れたので池にしてしまった、というのです。

 相柳は蛇、無支奇は猿と、姿は違うけれど、水害をおこす水怪という点で一致してるし、退治されてるあたりも同じなんですけど、何か関係あるんでしょうか。

相柳と無支奇 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/24(Sun) 14:19:31
 禹がどうやって相柳を殺したかというと、血がなまぐさいと書いてあるから斬り殺したのかと思ったら「禹埋洪水殺相柳(※)」とも書いてあって、郭璞って人が言うには「禹は洪水をせきとめて相柳を溺死させた」と解釈するんだそうよ。
 相柳が死んだ場所は崑崙の北で、相柳は頭が九つあって「人面」だったそうです。

※ 出ない漢字があるので適当な字を当てたよ

 『唐国史補』の無支奇の話は、まうご犬さんがチラリと書いてくれた通り。
 今でいう江蘇省の淮河で釣りをしていた猟師が、古い鎖を引き上げました。引っ張っても切れないので、役所に連絡してみんなで引っ張ってみたら、鎖の先に「青[犬彌]猴がいて躍り出たと思うとまた水中に没した」のだそうです。あとで『山海経』を調べてみると禹が無支奇を殺した話があったというのです。

 無支奇がいる淮河は中国の東のほう。崑崙は残念ながら正確にどこかはわかんないんだけど(崑崙はひとつじゃないって説もあるし)、山海経では海外北経と大荒北経に出てくるから、もっと北西のほうにありそうな気がするのよ。そうなると場所が違いすぎますでしょうか。

 ただ、唐代の伝奇作家 李公佐が『太平広記』の巻四百六十七中で面白いことを書いてるんです。
 無支奇の伝説を聞いた李公佐は洞庭湖を訪れた時に山奥の洞で『岳[水竇]経』という古文書を発見し、無支奇についての記述を見つけたっていうんです。
 この話に出てくる無支奇は、人の言葉がわかる大きな猿猴で、色は黒く、頭が白くて、首は百尺にも伸びるし、力は強く九頭の象をも倒し、身のこなしは目にもとまらぬはやさだそうです。無支奇が言うことをきかないので、禹は無支奇の首に鎖をつけ、鼻に金の鈴をつけて亀山のふもとに連れて行きました。
 岩波現代文庫『孫悟空の誕生』では、李公佐が書いた無支奇を孫悟空の源流のひとつとしてあげてるんですが(かの魯迅もその説をとなえていたそうです)、珍獣が注目したいのは「首が百尺」ってところでしょうか。
 猿だから人面ですわよねえ。しかも首が伸びるんだから蛇のように長いわけですよ。これは相柳じゃないでしょうか。

 実は『岳[水竇]経』は実在する本ではなくて、『山海経』をモデルにして創作された架空の本なんだそうです。『孫悟空の誕生』の著者は『山海経』に出てくる猩々の記述と一致すると言ってるんですが、珍獣が読むところ、猩々にももちろん似てるけど、話を総合すると相柳にも似てる気がする。

 あるいは相柳と無支奇を同じものとする必要はなくて、各地で水害を起こしていた化け物を、禹が治水しながら退治して行ったという伝説があったのかもしれません。
 禹は治水工事のために中国各地を歩き回った人で、『山海経』の作者だとも言われています。なぜそう言われるかというと、当時これほどの地理書を書けるほど旅をしたのは禹の他にいないという理由らしいんです。
 そこで更に思ったのは、禹はもしかして玄奘三蔵とイメージが重なるのではないかと思うのです。
 禹は治水という国家事業のために一生を費やし、広く中国を歩き回りました。玄奘も正しい仏教で国を救おうとして一生をついやし、インドまで歩いて行っちゃった。
 玄奘の旅は、お経を取るのが目的ですが、たぶん途中の地理を調べて都に報告する役目も持ってたはずなんです。『大唐西域記』は玄奘が調べてきたことをもとに作られた地理書なのですよね。これは禹が書いたといわれる『山海経』に通じるような気がするんです。
 そのため、後に玄奘の旅を脚色して『西遊記』という物語にまとめられるにあたって、禹のように水怪を退治する役目がオマケにくっついて、睡蓮堂の主である孫悟空、水神の天峰元帥である猪八戒、流沙河の主である沙悟浄、さらに龍馬(龍王の息子なんでしたっけ?)という、水怪ばっかりお供にすることになったのではないかと…

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/24(Sun) 15:26:04
 あの、その、またとんでもないことを思いついたのですが、禹は有名な人なので、山海経には載ってないいろんな伝説があるのですよ。たとえば、禹が熊の姿をして治水工事に励んだというのが興味深いのです。
 禹は自分が熊の姿に化けているのを人に見せたくなかったので、仕事中は妻にも近づくなと命令していました。食餌がほしくなったら太鼓を打つので、音が聞こえたらもってこいと言ってあったのです。
 ところがある日、熊の姿で作業中に小石を蹴って太鼓にあててしまいました。その音を聞いた禹の妻は、夫が熊だと知り、見てはいけないものを見たことを恥じて石になってしまいます。
 そのとき禹の妻は身ごもっており、石になったまま臨月を迎えました。そこで禹が「わしの子を返せ!」と叫ぶと、石が割れて男の子が生まれてくるのです。この子は禹の跡を継いで夏王朝二代目の王になります。
 孫悟空って、石から生まれるんでしたわよね???
 

 関係ないけど王様が熊の子供っていうのは古朝鮮の建国神話にも似てるわね。

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/24(Sun) 16:00:51
 それから…(まだあるのかよ)、『山海経』の「海内経」に、禹の父親で鯀という人のことが書いてあります。
 それによると「黄帝は駱明を生み、駱明は鯀を生んだ。鯀は白馬である」と書いてあるのですよ。鯀は治水事業に着手しますがうまくいかず(山海経では洪水を止めようとして天帝の命令を待たずに「息壌」を使ったため)処刑されてしまいます。殺された鯀は、山海経には三本足の亀になったという伝説が出てきますが、郭璞は『開筮』を引用して「鯀は死んでから三年も腐らなかった。その死体を呉の名刀で割いたところ、黄色の龍に姿を変えた(※)」というのだそうです。白馬として生まれ、龍として死ぬ。そして玄奘の弟子のひとりは龍馬…

※ この伝説は黄熊になったとする本が多いみたいですが。

 ついでにいえば、『西遊記』の三蔵法師は前世でも取経の旅に出ており、途中で力尽き深沙神(沙悟浄)に食われてしまうんじゃなかったかしら。沙悟浄が首からさげてる髑髏は、玄奘の前世の骨なのです。
 禹の場合、前世ではなく父親が自分と同じ治水事業に手を出して失敗して死ぬのですが、これも西遊記に通じるのではないでしょうか。

古の山海経に、西遊記の源流を、みたぁ…(世界ウルルン滞在記風) 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/24(Sun) 16:23:12
 このように、禹は猿と馬に関係が深く、自分の息子が石から生まれて来るなど『西遊記』と通じるものを持っています。沙悟浄とのつながりは、禹が水怪を退治しながら治水していたことと、玄奘三蔵が深沙神に救われた話が混ざったものだと考えましょう。
 けれど、猪八戒がいないのです。
 まうご犬さんがゴウユと猪八戒の共通点を見つけたみたいで、チラッと書いてくれたので、珍獣もその可能性を考えてみました。ゴウユは「豚のようで人面、これが現れると洪水になる」と、これまた水怪です。しかも、人面豚ならば猪八戒のイメージにぴったりです。
 でも、ゴウユと禹の関係がみつからない。ここまで来たら禹と結びつけたいじゃないですか。
 そこで、禹の関係者に豚がいないかと調べたところ、黄帝の息子に韓流という人がおりまして、「首が長くて謹耳(未詳)、人面で豕の喙、麟(※)の身で大きな股、豚の趾」だそうです。まさに人面豚なんですよ。
 黄帝は先に説明したとおり禹の曾祖父にあたる人なので、韓流もまた、禹と無関係ではないです(ちょっと遠い親戚)。ついでにゴウユの特徴もプラスすれば、猪八戒のできあがり?

※ 麒麟のこと。山海経には「麒麟」そのものは出てこないけれど、比喩として持ち出されることが希にあります。

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/24(Sun) 17:53:45
 思わぬところから、『山海経』と『西遊記』がくっついてしまいました。これはいずれ山海経異聞録にでもつっこまなくては。でもまだエジプト神話との共通点をあげきっていないので、もうちょっと我慢。
Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:まうご犬 - 2002/11/25(Mon) 18:27:35
ひ〜っ、いつものことですがちんじゅうさまの説には本当に圧倒されましたっ。
禹と玄奘三蔵のイメージが重なる・・玄奘三蔵が家来に河童ばかり連れている意味としてすごく納得できます。
この説は読んでてワクワクしますね。ああ、こんなスゴイ展開になるなんて。

禹が熊の姿をして治水工事に励んだという話とよく似た変形版が
「中国の神話伝説」伊藤清司著(東方書店)に
「能改斎漫録-広徳王開河為猪形の条-」からの引用で載ってまして、
こちらでは治水工事の指揮をとる広徳王は豚の姿をしています。
治水工事といえば禹、禹といえば豚、という説が転用されて
治水工事に励む広徳王は豚の姿にされたのか?なーんて疑って
「禹といえば豚」説てのもどこかにあるんじゃないかと探してみたり。
うー、キーワードが多すぎて眩暈がしてきますね。

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/25(Mon) 21:20:56
↑それは面白いわよ。
もちろん禹が豚に結びつけばもっと面白いので
証拠があがったらタレこんでくださいまし。
でも、治水で有名な王様が豚だったという伝説は
禹と直接に結びつけなくても猪八戒のモデルになりえないかしら。
(禹とくっつかないと、山海経と結びつかないので淋しいけど、それはこっちにおいといて…)
広徳王ってどんな人だったのかな。

 これまた『孫悟空の誕生』の受け売りなのですが、禹が無支奇を退治する話はある時代から僧伽(さんが)というお坊さんの伝説にすり替わってしまうそうです。
 僧伽は玄奘がインドから帰った十数年後に西域から中国にやってきたソグド出身のお坊さんで、有名なお寺を建てたりして、かなり人気があったそうです。
 このお坊さん、理由はよくわからないけど観音の化身だと言われていて、当時の中国では観音様は水を守る神だと信じられていたので、僧伽にも水に関係してる伝説がたくさんあるんだそうです。そのうちのひとつが無支奇を退治する話。禹の伝説だったものが、僧伽の人気が高まるとともに、吸収されてしまったみたいなんです。
 僧伽は西から来たお坊さんですが、玄奘三蔵も西へ行って帰ってきた人なので共通項があります。もともと『西遊記』というお話は伝説を切り貼りして作ったものなので、僧伽の無支奇退治をベースにして、玄奘が猿を家来にする話ができたのではないかと考えられるわけ。

 広徳王の伝説も、何かもうひとつ踏み込めたら、これはっと思える展開になりそうなんだけど??

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/26(Tue) 12:40:22
 今なにげなく新紀元社の『タオの神々』を開いてみたのですが、孫悟空が持ってる如意棒は、禹が洪水を治めるために海底をならすのに使ったものだって書いてあるのよ。や〜ん、ほんとに禹の伝説は『西遊記』と切り離せなくなってき〜。
 っていうか『西遊記』を読み返したくなってきました。昔買った本は(書き間違えてたけど東洋文庫じゃなくて社会思想社のだった、たしか)出てこないし、新しく買おうかなあ。
Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/29(Fri) 17:56:22
 禹と『西遊記』の関係をまとめてしまおうとして、改めて『山海経』の禹に関係してる部分を抜き出してみたのですが、禹が黄帝の血筋だというのはひょっとして勘違い…なのかも。
 禹がセンギョク帝(カタカナで書くとなんか変)の血筋で、センギョク帝は黄帝の血筋だと『山海経』のどこかに書いてあったような気がするんだけれど…あれ〜(^^;

 勘違いだとすると猪八戒との関係が薄くなりますねえ。うーん、落ち着いて探してみよう。

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:ちんじゅう - 2002/11/29(Fri) 18:00:21
あ、でも『史記』では

黄帝 → 昌意 → センギョク → 鯀 → 禹

となっているらしいので、あってるのだわ。
落ち着けわたくし。

Re: 乱暴だけど妙に説得力 投稿者:まうご犬 - 2002/12/01(Sun) 15:01:10
広徳王は前述の「中国の神話伝説」において
「広徳軍祠山の広徳王は姓は張、名は渤(ぼつ)」という紹介をされてるのですが、
ネット検索じゃ箸にも棒にも引っかからなくて、こりゃ大きな図書館で文献を探さねばならんみたいです。
「能改斎漫録」の他に「説郛(せつぷ)」にも同じ豚の話が載ってるらしいのですが
著されたのが前者が南宋代、後者が元末明代と新しいので、
何を根拠に広徳王を豚にすることになったか、さかのぼるのはキツイかしら・・。
でも、なんとなく「禹といえば豚」説もどこかにあってもいい気がするんでぼちぼちと探してみます。
ああ、そして「六不像」も〜!