翌日は朝から雲ひとつない晴天だった。
 大運動会は予定どおり行われたけれど、前日の雨で校庭がぬれていたせいで、すべって転んでしまう子がたくさんいた。
 クラス対抗リレーは午後のプログラムだったので、そのころには校庭の土もだいぶ乾いていた。
 それでもいつもより走りにくかったのだろう、クラスでいちばん足の速い子が転んで、ちょうど走ってきた他のクラスの子もまきこんだ転倒さわぎになってしまった。
 さいわい大した怪我もなく、転んだ子も立ち上がって最後まで走った。ちよ子のクラスは四クラス中三等だった。
 ちよ子はリレーの時こそ転ばずに走れたが、その後のフォークダンスの時に、思いきり転んで背中を泥だらけにした。

 運動会の次の日、ちよ子は金山の祠に行ってみた。
 黄色い傘はなくなっていた。
 唐傘にも会えなかった。


 
次へ