ボルシチはロシアやウクライナなどの東欧圏で作られている具だくさんのスープです。赤いビーツを使うので、真っ赤なスープとして知られています。
作り方を調べてみると、これがまあ地域によりいろいろで、具もさまざま。これぞ定番っていうのを決めるのが難しいのですよね。それでまあ、かなり自己流で作ってみました。すみません、いつも自己流で。本来こういう企画はもっと本格を目指すべきなんですが、わたしは気に入ると日常的に作るので、本格にこだわりすぎて大変なのもどうかなあって思いまして……まあ、ようするに手抜きなんですけど。
【材料】分量は適当に。細かいこと気にスンナ
牛肉(できれば塊で。今回はカレー用のぶつ切りを使用)
赤いビーツ 生が手に入らないなら缶詰めでもよい
ニンジン
ジャガイモ
リンゴ
タマネギ
ベーコン
塩
胡椒
酢
月桂樹の葉
ディルウィード(トッピング)
無糖のヨーグルト(トッピング)
油(炒め用)
【作り方】
1. 牛肉を茹でる。塊の場合はそのまま鍋に入れ、ヒタヒタに浸るくらいの水を注ぎ、月桂樹の葉を入れて、火にかけて1時間くらいことこと煮る(灰汁はすくう)。茹で汁はスープベースにするので捨てないこと。
今回はカレー用のぶつ切り肉なので、出汁とり用と割り切って1cm角くらいの角切りにする。これなら1時間も煮込む必要はないはず。わたしは沸騰させて灰汁をすくったあとに、シャトルシェフの保温釜につっこんで1時間くらい放置しましたが。
2. 肉を煮ているあいだに野菜とベーコンを切って炒める。
赤ビーツは缶詰めだったら適当に細切り。拍子木切りとかでもいいと思う。煮込めば色は出るから。もし生だったら、皮を剥いてシリシリ器でおろして使うといいかも。
シリシリ器はこういうやつ(左画像。リンク先は楽天市場内のショップ)。要するにチーズおろしですかね。運がいいと100均ショップにもあるかもしれないです。すり下ろすのではなく、そぎ落とすみたいなおろしがねです。サラダを作る時なんかに便利。
ちなみにわたしは茹でて冷凍してあった赤ビーツを使ったので、シリシリしないで拍子木切りにしました。
ベーコンは細切りにする。これは本場だと豚肉の脂身を塩漬けにしたのを使うらしいです。日本では手に入らないと思うのでベーコンで代用。ニンジン、ジャガイモ、タマネギは皮を剥いて1cmの角切りに。リンゴはよく洗って芯をとり、皮ごと細切りに。参考にした本にキエフ風のレシピが掲載されてて、リンゴが入ってたので入れてみたのよ。スープにリンゴかよ!って思う人は入れなくていいと思うけど、美味しかったわよ?
フライパンを熱して油をひき、野菜とベーコンを炒める。軽く塩・胡椒をして、少量の酢を入れる。酢は、酸味をつけるためっていうよりビーツの発色を良くするためのような気がします、たぶん。
下の写真は炒めているところ。我ながらものすごい量だなあと思うけど、三日くらいこれ食べるつもりだからいいんですー。ちなみに赤くて細かいものはニンジンの皮です。うちでは捨てずに食べるようにしてるので、みじん切りにして入れちゃった。だって皮も甘くて香りがいいじゃない? 普段食べてない人は無理しなくていいからね。
3. 2で炒めた具材を、1の肉の鍋に入れて煮込む。塩・胡椒で味付けする。
長時間煮込んだほうが美味しいと思うけど、そこらへんはお好みですよ。ちなみに、ここでトマトピューレ(缶詰めのトマトを潰して使えば充分ですよ)を入れるレシピも多いです。今回は入れませんでした。
4. よく煮込えたら(うちではシャトルシェフにつっこんで放置するだけ。便利だよーシャトルシェフ)、味を見て、たりなかったら塩足して。皿によそって、ヨーグルトとディルウィードをトッピングすれば完成。
トッピングは本場ではスメタナと呼ばれるサワークリームを使うそうですが、ヨーグルトで代用しました。スープは赤ビーツの色だけでこうなります。オーチン・フクースヌイ!美味しゅうございました。
◎関連記事:真っ赤なビーツはホウレンソウの仲間
http://www.chinjuh.mydns.jp/wp/20150203p771
この記事では赤ビーツでヨーグルトサラダを作りました。
【食後にロシア語もかじってみる】
борщ ボルシチ。もとはウクライナ語かもしれないけどロシア語にも定着してるみたいよ。
свёкла スビョークラ ビーツのこと。これはロシア語。
Буряк ブリャーク ビーツのこと。これはウクライナ語。
Япония イポーニャ 日本
Россия ロッシーヤ ロシア
#うひー、キリル文字はなぜかShift-JISという日本語用のコードに入っているので、全角と半角の違いがあるのわすれてた。油断すると全角文字がまざる。手抜きしてコピペすると日本語コードが混ざるんかと思い、キーボードから打ってみたけど全角になってしまう。しかもMacOSのロシア語入力にはなぜか ё がない。どうやったら出せるのかわからない。 iOS だと е の長押しで出るらしいって情報を見つけたけど、なんかもうやだウンザリした。21世紀がどこにあるのか教えてくれたのむ。もう馬鹿(融通の聞かない機械のこと)の相手で時間をつぶしたくないんだわたしは。
ロシア語やウクライナ語はキリル文字という独特のアルファベットを使います。上にあげた五つの単語を見るだけでもちょっとわかるでしょうが、р は R とほぼ同じ発音で、с は S にあたります。似てるのにぜんぜん違う読み方をする文字が多数あるので注意が必要です。そこが面白くて中学生のころに喜んで覚えました(笑)
Ya の発音をするキリル文字は я なんですが、これを変わった書体のRとして使ってる若者たち(たまにオジサマ・オバサマたち)がけっこういるんですよね。そういうの見ると「ふふ…読めてない読めてない」みたいなことを心の中で思いますが、もちろんニヤニヤしながらスルーします(笑)
参考にした本
【楽天ブックスならいつでも送料無料】ロシアの郷土料理 [ 荻野恭子 ]
いちおう参考にしましたが、この記事に出てくるレシピは本当に自己流です。本格派はぜひこの本を読んで本場の味に挑戦してください。「ロシアの」と銘打ってますが、ソ連時代にロシアだった地域の郷土料理と言ったほうがいいかもしれないです。何年か前に図書館で見つけて、一目ぼれして買っちゃった本です。
赤ビーツがご近所で手に入らない場合
リビー スライスビーツ 426g
リンク先は楽天市場内のカルディです。お近くで買えない人は、このへんから通販してはいかがでしょう。カルディは最近あっちこっちに実店舗がある輸入食材とコーヒー豆の店ですね。葛飾区内だとアリオ亀有に入ってますよ。 カテゴリー: