青春18きっぷで、といってもJR金町駅〜JR鎌倉駅ですからね。普通にきっぷ買っても片道1080円。青春18きっぷを使う利点は乗り降り自由になるという以外になかったです。まあ、4日分で嫌というほどもとをとっているので問題はありません。
最初に降りたのはJR北鎌倉駅。特に目的があったわけじゃないんですが、このへんからぶらっと歩いて目についたお寺や神社を見て歩けばいいだろうという、ゆるい鎌倉散歩です。事前に大した予習をしてないので、見どころはよくわかりません。
▲円覚寺 4月6日の鎌倉は、どこへいっても桜が満開でした。東京では前日の5日くらいにはソメイヨシノがほとんど散っていました。鎌倉のほうが南にあるのに不思議。鎌倉のほうがやや標高が高いのでしょうか? 桜の種類はソメイヨシノっぽく見えましたけどね。
▲鎌倉市のマンホール。下のは消火栓で、ユリとイチョウ、カモメのような鳥がデザインされています。市の花や鳥なのかと思ったら全然ちがいました。鎌倉市の花はリンドウ、木はヤマザクラ、鳥は設定されてなさそうです。
▲建長寺のでっかい地蔵菩薩木造。これだけ大きなお地蔵さんは珍しい。御堂も古くて、色あせたままにしてあるのが味ですねえ。
▲鶴岡八幡宮。名前は「鶴」だけど額の八の字が二羽の「鳩」になってる。なんで鳩なのか定説はないらしいですが、八幡神社の総本社である宇佐八幡宮で八幡神(=応神天皇)の魂が金の鳩の姿で現れたり、新しい八幡神社をつくる際に金の鳩が現れた、というような伝承がもとになってるらしいです。
▲狛犬。近代の狛犬は獅子っぽいデザインのものが多いけれど、ここのは犬とも獅子ともつかない不思議な顔をしてる。よじのぼっている白人の少女は、なぜかわたしと同じタイミングでいろんな観光地に現れて、石碑などあらゆるものに登頂を試みていました。
▲鶴岡八幡宮のイチョウ。源実朝を暗殺した公暁がかくれていたとされるイチョウの古木、だったのですが、たしか大風で倒れてしまったんですよね。震災の前年なので2010年のこと。
▲鶴亀石:相模国風土記に「水で洗うと鶴と亀の紋様が輝き現れる」と書いてあるそうなんですが、この日は乾いていて何がどう鶴と亀なのかさっぱりわかりませんでした。ネットで検索すると、水を垂らしてみた人もいるようなんですが、とうていそんな形には見えず、謎はふかまるばかりです。まあ、相模国風土記といえば百何十年も前の本ですから、みんなで石を洗ってるうちに摩滅して消えた可能性もありますしね。
▲お昼。鎌倉には民家の庭先みたいなところでカフェやレストランを開いてる人が沢山いるんですが、そんな店のひとつで食べました。ポークカレーライス900円。
このへんまでは徒歩でぶらぶら。あまり真剣に写真とったりしていないんですが、鎌倉はどこへ行っても想像以上に景色が美しいです。鎌倉は初めてじゃないんですが、子供の頃に誰かにつれてきてもらった時は「大仏はあったけど、それだけだよね」っていう感じで、景色が美しいとか、お寺が京都並に面白いとか、そういう記憶がさっぱりないです。10年くらい前になんかのついでに来た際も大仏さんしか見なかったし。
こうして改めて歩いてみると、景色がいいし、お寺は古くて面白いし、鎌倉も悪くないと認識を改めたのですが、しょっちゅう来られるかっていうと、それほど近くもないんです。なんせ葛飾区内からだと、バスと電車で2時間以上かかってしまい、どうせ時間がかかるならもっと遠くまで行くよって感じ。
それに、これらのお寺は、参拝するのにいちいち拝観料がかかります。お寺によって違うけど、だいたい大人300円ってところが多いかなあ。写真をとらなかったお寺もいくつか見たはずですが、全部拝観料がかかりました。300円として、5つ回ったら1500円かかりますよね。さらにお賽銭入れて、場合によてはお札(ふだ)とか購入して……うん、なんかね、わかったので御利益お願いしますっていう感じ? #鶴岡八幡宮だけは参拝するとこまでは無料でした。宝物殿は有料だと思うけどこの日は休館日で入れず。
次は江ノ電に乗って長谷で下車。鎌倉といえばそれしか思い浮かばない大仏さんを見ます。
▲これが鎌倉大仏。「仏さんだけどハンサムよね」と与謝野晶子も言っている、あの鎌倉大仏。すっごく久しぶりに来た。10年ぶりくらいじゃないのかなあ。
▲ここはどこでしょう? 答えは鎌倉大仏の中です。大きな穴は頭がついてるところです。大仏さんの中に入れるなんて知りませんでした。過去に何度か来てるのに、これまでなんで入らなかったんだろ?
ところで、大仏さんの胎内の写真、明るいですよね。もちろん照明もあったと思うんですが、それだけじゃなく明るいんですよ。なんでかっていうと…
大仏さんのあと、まだ時間があったので、長谷寺(はせでら)にも行きました。長谷寺って名前はよく聞くけど何があるんだろ。
▲本尊十一面観世音菩薩こっち、という看板。本堂内部は撮影禁止だったのですが、ここが面白かった。あのね、中に入るでしょ。すると、正面奥に「うわっ!!!」というような大きな十一面観音の立像があるの。高さが9メートルちょっとあるそうです。それはもう大きくて立派な仏様でした。
この仏様には不思議な伝説があります。昔、徳道上人というお坊さんが、大和(奈良)の初瀬というところで巨大なクスノキをみつけ、その幹から二体の観音像が作られました。一体は大和長谷寺に納められ、もう一体は人々をお救いくださいという願いをこめて海に流されました。それが三浦半島の長井浦、現在の初声(はつせ)というところに流れ着いたので、それを安置するために作られたのが、鎌倉長谷寺だそうです。
この話に少しでも信憑性があるのなら、大和のほうに同じ話が伝わっていなきゃいけないんですが、ネットで探した限りでは、徳道上人が開山に関係したという伝承があるくらいで、巨大な仏像を海に流したというような話はなさそうです。大和長谷寺にも巨大な十一面観音像があります。高さが10メートルほどあって鎌倉のよりさらに大きいんだそうです。どうも、その観音様をお手本にして作った仏像が全国にあって、長谷寺様式と呼ばれているそうです。鎌倉のは大きさも大和のものによく似ているので、同じ霊木から彫り出された双子の観音様なのだと、誰言うともなく広まったんじゃないでしょうか。
そもそも、9メートルもある木製の仏様が波にもまれて壊れもせずに流れてくるなんて考えにくいことなので、本当のはずないんですけど、そういう話を信じたくなるような立派な仏様であることは確かです。拝観料で破産するとか、罰当たりなこと言いまくった鎌倉旅行ですが、ここへ来て本当に来てよかったと思うほど、わたしはここの十一面観音に打ちのめされました。なかなかいいです、鎌倉長谷寺! いずれ大和長谷寺も見に行こうと思います。
▲これは弁天窟といって、薄暗い洞窟の奥に弁天様がまつられています。その途中の壁面に、弁天様の従者である十六童子が刻まれており、ひとつひとつ見てまわると様々な御利益をいただけるという趣向でした。
ここまで、最初の円覚寺が10時ごろ、最後の長谷寺が17時ちょっと前。そんなに大慌てでなくけっこういろんなものが見られました。
帰りは江ノ電で鎌倉駅に戻って、そこからJRで関内駅で下車。横浜中華街で中国茶を買いました。中国茶を売る店はいくつかあるんですが、わたしはいつも伍福寿新店ってところで買ってます。ほかと比べて値段などはわかりませんが、自分好みの台湾茶などを扱っているし、店主がいろんなことを教えてくれるので面白いです。今回買ったのは、ラプサンスーチョン、翠玉、白牙奇蘭。
夕飯は、普段入らない店に入ろうと思い、あちこち歩いてみたんですが、これだけお店あるのに、ピンとくる店があんまりなくてびっくりですよ。1、2人でふらっと来て、気軽に食べて行ける店となると、どこもかしこも「食べ放題」の看板を掲げていてビミョーな状態になってます。食べ放題が楽しいのはわかるけど、放題したいわけじゃないんだよねえ。そこらであきらめて、いつも入る店のどれかに入ればよかったんですが、なんとなく知らない店に入って、税抜き1180円のコースを頼んでやや外しました。特別不味くはないんですが、出てくるものがみんな同じ味で退屈。店の名前はもう覚えてないです(笑)
これで鎌倉プチ旅行は終わりです。帰宅して3DS(携帯用のゲーム機)を開いたら、すれ違った人の中にスペインの人がいました。電源を入れた3DSを持ち歩くと、同じように3DSを持っている人とすれ違った記録が残るのです。挨拶文にtwitterアカウントが書いてあったのでツイートで挨拶してみたけど返事はありませんでした。
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