青い虹ってなんだろう?

IMG_1592s 先日ネット系のニュースで、海外のどこぞの山に青い虹が出たと報じていたんですが、それそんな珍しい現象かねってな話をmixiかどっかでしたような、しなかったような…もごもご。

 で、青い虹とはつまりなんなのかっていうと、日の出や日没の時に、空に入道雲や山の影ができることです。影なので真っ直ぐだし、虹のようにアーチになってたりもしないし、スペクトルになってたりもしないんです。

 それを「虹」だと表現する語彙の少なさに、個人的にはややイラッとくるんですよねえ。じゃあなんと表現すればいいのかっていうと、これも難しい。mixiボイスで話してた時に「逆ティンダル現象みたいな?」と言われて「いや、ただの影でしょ」と答えたんだけど、よくよく考えたら、影が像を結ぶためには、スクリーンになるものが必要だし、晴れた空に一直線の影が見えるってことは、空気中の粒子に光がミー散乱をおこしてうんたらかんたらっていう、あのティンダル(チンダル)現象の「光じゃない側」を見てることになるのかなあ。つまり逆ティンダル?

 そんなこんなで実際なんと表現すればいいのかよくわからない「青い虹」ですが(虹じゃないっつうの)、実はそれほど珍しいことでもないです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
▲これは5年前に写したやつなんですが、この年はこういうのを何度も見たので、次に見たら写そうと思って、心がけてたらまた出たので写しました。遠くの雲から影が出てるのがわかるでしょうか。

 雲の影を撮影してたはずなのに、スカイフィッシュが写ってしまい、ぜんぜん別のネタになってしまい困惑しつつ書いた記事がこれ>ついにスカイフィッシュの撮影に成功!? ←この記事を読むと、どこにスカイフィッシュが写ってるのか、その正体がなんなのかわかります。

IMG_1592s ▲これは昨日、日没時に柴又の土手で写しました。写真右奥が東です。夕日は左手前にあって写真には写ってません。夕日の前に濃い雲があって光を遮っていました。

 ほいほい写真を出せるくらいなので、そう珍しくはないこともお分かりいただけるかと。夕暮れ時に空を見るようにしてると、わりと見られると思いますよ?


 コメント欄で「反薄明光線」という言葉を教えてもらったので、Wikipediaなど読んで図解してみます。

薄明光線・反薄明光線の図解

薄明光線  太陽が雲などの向こう側にあり、なおかつ大気がエアロゾルの状態(微細な水滴などが空気中を漂っている状態)の時、雲間から漏れてくる太陽光が光線になって見えるのが「薄明光線」です。ティンダル(チンダル)現象とも言います。太陽を中心にして、光線が放射するように見えます。

薄明光線2  薄明光線が空を横切って太陽の反対まで到達することがあります。光線自体はまっすぐに進みますが、遠くにあるものが小さく見える理屈で太陽と真逆の方角に集束して見えます。

反薄明光線
 太陽と逆の方角を見ると、このように光線が集束しているので、この状態を、反薄明光線と呼ぶ、らしいです(Wikipediaの説明だとそういうことになる)。


青い虹と呼ばれる現象の図解

 「薄明光線」は雲間から漏れる「光線」に注目した名称ですが、光のほうが広範囲で、影が狭ければ、影が筋になって空を横断します。

青い虹
 この図だと、まわりの明るいところが光線で、真ん中の暗いところは雲の影です。薄明光線と同じ現象で、光ではなく影に注目しています。太陽と真逆の方角を見ると、反薄明光線と同じく影の筋が集束します。あくまで薄明光線(ティンダル現象)と同じ現象で、影の部分に注目しているだけです。

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珍獣ららむ〜 の紹介

特技はおりがみとお蚕の飼育と世の中の役にたたないこと全般です。養蚕が普通の仕事だったらニートでヒキコモリの体質から脱出できそうな悪寒がします。DQ10はほぼ引退しました…だってストーリーが完全にソロゲーなんだもの。/ちなみにわたしが珍獣を名乗っているのは1999年からで、イモトよりも古いです。ワンピースは知らん。イモトですねって聞かれるとあっちがマネだと答えたくなる。 twitter などでは chinjuh です。

青い虹ってなんだろう? への4件のフィードバック

  1. a-rino-mi のコメント:

    またこんにちは。
    この間、facebookでこのような青い影を見たので調べてみたんです。
    太陽と逆の空にあるのは「反薄明光線」なんですが(下の写真はそうですね)、
    夕日が沈んだあとに現れるのも結構あるみたいで(上の写真はどうなんでしょう)、
    この場合はなんていうのかわからなかったのです。

    • 珍獣ららむ〜 のコメント:

      こんにちは。
      反薄明光線という言葉があるんですね。
      ってことはやっぱりティンダル現象の一種でいいのか…
       
      本文に貼った写真ですが、1枚目(5年前のもの)は太陽の方向を向いて撮影しました。

      2枚目のものは、本文に書いたとおり、太陽と逆の方向をむいて撮影しています。

      じゃあ、2枚目を写したその瞬間に、太陽の方を向いたらどうなるかっていうと、太陽を遮る雲まで影が続いてるだけです。1枚目の写真と同じような感じになってましたよ(花火大会の会場なので、そっち側は人の顔が写っちゃうのでシャッターを切りませんでしたが)。
       
      Wikipediaの反薄明光線の説明だと、
      「太陽が雲に隠れているとき、雲の切れ間あるいは端から光が漏れ、太陽と正反対の方向に光線の柱(光芒)が放射状に収束して見える現象」
      とあるので、これだと確かに「太陽と逆の方角」にないと成立しないように書いてありますね。

      でも、薄明光線と反薄明光線は、どっちの方角を向いて見るかの問題で、根っこは同じ現象です。あえて「反」とか「裏」とか呼ぶのは、太陽側から放射状に広がったはずの光線が、真逆の方角では遠近法の関係で「収束」して見えるからじゃないんでしょうか。

      というわけで、どっちも「薄明光線(ティンダル現象)」でよくて、写真のように影のほうが筋になって見えるケースは「薄明光線の影の部分」としか表現のしようがないと、わたしは納得できました。
      なんかこれ、図に書いて説明できないかな。わたしの画力で行けるだろうか。ちょっと悩んでみます。

      a-rino-miさん、どうもありがとうございます!

  2. a-rino-mi のコメント:

    ららむ~さん、ウィキペディアの反薄明光線がすっきりしない気がしてたのが、
    コメントいただいてなるほどと思いました。
    こちらこそありがとうございます。

  3. ピンバック: 薄明光線と反薄明光線 | 超・珍獣様のいろいろ

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