▲童子はこんなもんだと思うけど、どうやっても「近隣の住民」っぽさが出ない… ってかちゃんと消しゴムかけろよわたし。
建武二年(1335年)七月二十五日、強い南風の日のこと。利根川からこの地に梅の老木が吹き上げられ、その木には白蛇が二匹からんでいた。
隣家の人が気付いてこの木を見ていると、どこからか一人の童子が現れ、
「この梅は上州御火き山から流れて来たもので、蛇は天神様が梅を惜しませ給うしるしである。よってこの地に天神の社を建立するとよいだろう」
と言い残して姿を消した。
人々は、大変不思議な出来事として話しあい、建武三年八月二十五日、ここに社を建てた。
このことから、この地の字(あざ)を吹上という。
上州は群馬県のこと。「御火き山」はなんのことか良くわからないが、利根川を流れてきたという状況から考えると赤城山(あかぎやま)のことだろうか。
上州からものが流れてくるという話は千葉県の流山という地名の由来にもある。ある時、利根川が氾濫して、赤城山の一部が流れてきたため流山と名付けられたとか、赤城神社の御札が流れ着いたとか伝えられている。探せば利根川下流域の各地にそのような話があるのかもしれない。
赤城山ではないが、江戸時代に浅間山が大噴火を起こした時、灰が広く降り注ぎ、飢饉等で多くの人が死んだと言われている。人々の遺体が江戸川区あたりまで流れ着いたと言われており、江戸川区小岩の善養寺には、そのことを歌った御詠歌がある。
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